第1章  総則

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第1章  総則

1.目 的

本指針は、土木工事などにおける施工の安全を確保するため、一般的な技術上における留意事項や施工上必要な措置なの安全施工の技術指針を示したものである。

2.適用範囲

本指針は、農林水産省所管の国営土地改良事業、国営海岸保全事業及び国営地すべり対策事業に係る土木工事などの安全施工に適用する。

3.関係法令などの遵守

土木工事などの施工に当たっては、工事における関係法令などを遵守するほか本指針などを参考のうえ、安全に行わなければならない。

第2節 事前調査

1.工事内容・施工条件などの把握

施工計画を作成するに当たっては、あらかじめ設計図書に示された事項に対する事前調査を行い、安全確保のための施工条件などを把握すること。

2.事前調査

施工計画の作成に際しては、地形・地質・気象・海象等の自然特性、工事用地、支障物件、交通、周辺環境、施設管理などの立地条件について適切な調査を実施すること。

第3節 施工計画

1.施工計画の作成

(1) 施工計画は、施工条件などを十分に把握したうえで、工程・資機材・労務等の一般的事項のほか、工事の難易度を評価する項目(工事数量・地形地質・構造規模・適用工法・工期・工程・材料・用地等)を考慮し、工事の安全施工が確保されるように総合的な視点で作成すること。

また、施工計画は、設計図書及び事前調査結果に基づいて検討し、施工方法、工程、安全対策、環境対策等必要な事項について立案すること。

(2) 関係機関などとの協議・調整が必要となるような工事では、その協議・調整内容をよく把握し、工事の安全確保に留意すること。この場合、当該事項に係わる内容は、一般的に工程計画の立案に際して制約条件となるのでよく把握すること。

特に市街地内工事にあっては、第三者災害防止上の安全確保に十分留意すること。

(3) 現場における組織編成及び業務分担、指揮命令系統が明確なものであること。

また、災害など非常時の連絡系統も明記すること。

(4) 作業員は、必要人員を確保するとともに、技術・技能のある人員を確保すること。やむを得ず不足が生じるときは、施工計画、工程、施工体制、施工機械等について対応策を検討すること。

(5) 使用機械設備の計画・選定にあたっては、施工条件、機械の能力及び適応性、現場状況、安全面、環境面等総合的な視点で検討すること。

(6) 工事による作業場所及びその周辺への振動・騒音・水質汚濁・粉じん等を考慮した環境対策を講じること。

(7) 工程は、準備作業から工事完了まで全工期にわたって安全作業を十分考慮するとともに、気象・海象条件等を十分考慮して作成すること。

2.施工計画の変更など

施工時においては、当初の施工計画に従って忠実に実施すること。

なお、事前検討の条件と実際の施工条件との相違又は、新たに生じた状況などにより、当初の施工計画書に記載した内容に変更が生じるときは、全体状況を十分勘案して速やかに施工計画書を変更すること。

(1)工事概要

(2)実施工程表

(3)現場組織表

(4)主要機械

(5)主要資材

(6)施工方法

(7)施工管理

(8)緊急時の体制

(9)交通管理

(10)安全管理

(11)仮設備計画

(12)環境対策

(13)再生資源の利用の促進

(14)その他

表1−1 施工計画書の記載事項

(土木工事共通仕様書 第1 編共通編1−1−5)

図1−1 施工計画の打合せ

第4節 計画の届出等

1.計画の届出

以下の作業(補修・補強工事を含む)を行う場合は、工事の開始前にその区分に応じて厚生労働大臣あるいは労働基準監督署長に計画の届出を行わなければならない。

なお、届出に当たっては土木工事共通仕様書第1章1-1-42「官公庁への手続き等」の3項により、事前に監督職員に報告しなければならない。

@厚生労働大臣に届出るもの (工事開始の30 日前まで)

・高さが300m以上の塔の建設

・堤高(基礎地盤から堤頂までの高さをいう。)が150m以上のダムの建設

・最大支間500m(つり橋にあっては、1,000m)以上の橋梁の建設

・長さが3,000m以上のずい道等の建設

・長さが1,000m以上3,000m未満のずい道等の建設で、深さが50m以上のたて坑(通路として使用されるものに限る。)の掘削を伴うもの

・ゲージ圧力が0.3Mpa 以上の圧気工法による作業

A労働基準監督署長に届出るもの(工事開始の14 日前まで)

・高さ31mを超える建築物又は、工作物(橋梁を除く。)の建設、改造、解体又は破壊

・最大支間50m以上の橋梁の建設等

・最大支間30m以上50m未満の橋梁の上部構造の建設等

・ずい道等の建設等(ずい道等の内部に労働者が立ち入らないものを除く。)

・掘削の高さ又は深さが10m以上である地山の掘削(ずい道等の掘削及び岩石の採取のための掘削を除く。以下同じ。)の作業(掘削機械を用いる作業で、掘削面の下方に労働者が立ち入らないものを除く。)を行う仕事

・圧気工法による作業を行う仕事

・建築基準法で規定する耐火建築物又は準耐火建築物で、石綿等が吹き付けられているものにおける石綿等の除去の作業を行う仕事など

2.機械等設置・移転変更計画届け

安衛則別表第7(付表V−1−1 を参照)に示す機械その他法令で定められた機械等を事業場に設置若しくは移転又は主要部分を変更する場合は、当該工事の開始30 日前までに、労働基準監督署長に届出なければならない。

なお、届出に当たっては土木工事共通仕様書第1章1-1-42「官公庁への手続き等」の3項により、事前に監督職員に報告しなければならない。

3.特定建設作業の実施の届出

「騒音規正法」、「振動規制法」に基づき、「指定地域」内で表1―2 に示す「特定建設作業」を伴う建設工事を施工する元請け業者は、作業を開始する7日前までに所定事項を都道府県知事(届出の受理は市町村長に委任)に届出なければならない。

表1−2 市町村長への実施の届出を必要とする特定建設作業

特定建設作業

備 考

法令条項

くい打機、くい抜機又はくい打くい抜機を使用する作業

もんけん、圧入式くい打くい抜機、くい打機をアースオーガと併用する作業を除く。

騒音規制法

びょう打機を使用する作業

さく岩機を使用する作業 作業地点が連続的に移動する作業にあっては、1日における当該作業に係る2地点間の最大距離が50mを超えない作業に限る。

空気圧縮機を使用する作業 電動機以外の原動機を用いるものであつて、その原動機の定格出力が15kw以上のものに限る。(さく岩機の動力として使用する作業を除く。)

コンクリートプラント又はアスファルトプラントを設けて行う作業

混練機の混練容量がコンクリートプラントは0.45m3以上、アスファルトプラントは200kg以上のものに限る。(モルタルを製造するためにコンクリートプラントを設けて行う作業を除く。)

バックホウを使用する作業 一定の限度を超える大きさの騒音を発生しないものとして環境省長官が指定するものを除き、原動機の定格出力が80kw以上のものに限る。

トラクターショベルを使用する作業

一定の限度を超える大きさの騒音を発生しないものとして環境省長官が指定するものを除き、原動機の定格出力が70kw以上のものに限る。

ブルドーザを使用する作業 一定の限度を超える大きさの騒音を発生しないものとして環境省長官が指定するものを除き、原動機の定格出力が40kw以上のものに限る。

くい打機、くい抜機又はくい打くい抜機を使用する作業

もんけん及び圧入式くい打ち機、油圧式くい抜機、圧入式くい打くい抜機を除く。

振動規制法

鋼球を使用して建築物その他の工作物を破壊する作業舗装版破砕機を使用する作業

作業地点が連続的に移動する作業にあっては、1日における当該作業に係る2地点間の最大距離が50mを超えない作業に限る。

ブレーカ(手持式のものを除く。)を使用する作業

作業地点が連続的に移動する作業にあっては、1日における当該作業に係る2地点間の最大距離が50mを超えない作業に限る。

(注1)指定地域内で特定建設作業を行うものは、作業の開始の日の7日前までに市町村長へ、特定建設作業実施届出書、工事工程表、特定建設作業を行う現場付近の見取図等を提出しなければならない。

ただし、当該作業がその作業を開始した日に終わる場合は除外される。

(注2)環境大臣が指定するものとは、国土交通大臣が指定した低騒音型建設機械である。

第5節 有資格者の配置

1.主任技術者、管理技術者の配置

「建設業法」により、建設業者が請け負った建設工事を施工するときは、当該工事現場に「主任技術者」を、また、特定建設業は、その下請け契約が一定の金額以上になる場合「主任技術者」に代えて「監理技術者」を配置しなければならない。配置すべき技術者は、工事現場ごとに専任(常勤)でなければならない。

表1−3 主任技術者及び監理技術者の資格要件

技術者の区分
資 格

職務内容
資格証提示

義 務

資格の更新

主任技術者

@許可を受けようとする建設業に係る工事に関する指定学科修め,大学(短大等を含む)を卒業し3年以上,高校については5年以上の実務経験を有する者

A許可を受けようとする建設業に係る工事に関し10年以上の実務経験を有する者

B国家試験等に合格した者で国土交通大臣が認定した者

建設工事現場における建設工事の施工技術上の管理をつかさどる。

監理技術者

@国家試験等で国土交通大臣が定めた者

A主任技術者となれる資格を有する者(上記,@,A及びBに該当する者)で,4,500万円以上の元請工事に関し,2年以上直接指導監督した実務経験を有する者

B国土交通大臣が@及びAと同等以上の能力があると認定した者

同上 発注者から請求があったときは,監理技術証を提示しなければならない。

有効期間が5年。

5年ごとに資格者証の更新。

交付申請1年

以内の講習受講義務。

指定建設業に係る監理技術者

@一級建設機械施工技士

A一級土木施工管理技士

B一級建築施工管理技士

C一級電気工事施工管理技士

D一級管工事施工管理技士

E一級造園施工管理技士

F一級建築士

G技術士のうち国土交通大臣が定めた部門に合格した者

上記@〜Gに該当する者で,監理技術者証の交付を受けた者

同上 同上 同上

(注)平成8年6月29日以降は、すべての業種において、「監理技術者資格証」の携帯が義務付けられる。

第6節 工事現場管理

1.安全施工体制

工事の施工にあたり、工事関係者が一体となって安全施工の確保を図るために、現場の安全施工体制及び隣接地工事を含む工事関係機関との連絡体制を確立すること。

2.工事内容の周知・徹底

当該工事の内容、設計条件、施工条件、工法を工事関係者へ周知・徹底すること。

3.作業員の適正配置

施工時においては、確保できる作業員数を考慮した施工計画とするとともに、未熟練者・高齢者に対しては、作業内容、作業場所などを考慮し適切な配置を行うこと。

また、作業員の配置については、作業員の業務経験・能力等の個人差も十分考慮すること。

4.現場条件に応じた措置

施工中、現場の施工条件と施工計画とが一致しない状況になった場合は、速やかにその原因を調査分析し、変更となる条件を考慮して対策を立て直し、適切な施工管理に努めること。

5.緊急通報体制の確立

(1) 関係機関及び近接地工事の関係者とは平素から緊密な連携を保ち、緊急時における通報方法の相互確認などの体制を明確にすること。

(2) 通報責任者を指定すること。

(3) 関係連絡先・担当者及び電話番号を記入した、緊急連絡先を作成し、事務所・詰所等の見やすい場所に表示すること。

6.臨機の措置

工事中に不測の事態が発生した場合は、緊急通報体制に基づき通報するとともに、避難、救助、事態の拡大防止及び二次災害防止等適切な措置を講じること。

7.安全管理活動

(1) 日々の建設作業において、各種の事故を未然に防止するため、次に示す方法などにより、安全管理活動を推進すること。

@ 事前打合せ・着手前打合せ・安全工程打合せ

A 安全朝礼(全体的指示伝達事項など)

B 安全ミーティング(個別作業の具体的指示・調整)

C 安全点検

D 安全訓練などの実施

(2) 工事期間中は安全巡視を行い、工事区域及びその周辺を監視すること。また、施工条件に変化が生じた場合は、速やかにその状況を調査し安全対策を見直すこと。

8.工事関係者における連携の強化

(1) 設計・施工計画・施工の連携の強化を図ること。

(2) 各種作業において、設定した設計条件あるいは施工計画における条件と変化する現場の条件を常に対比し、不都合がある場合は適宜相互確認のうえ、対処すること。

また、特定元方事業者は、その作業員及び協力会社の作業員が同一の工事現場で作業する場合、労働災害を防止するため統括安全衛生責任者を選任し、工事現場の安全について統括管理を行うこと。

(3) 近接工事をともなう場合は、近接工事を含む関係機関との連絡体制を確立すること。

図1−3 統括安全衛生責任者の選任と職務

図 1−2 指揮命令系統の一例

ア) 協議組織の設置・運営

イ) 作業間の連絡・調整

ウ) 作業場所の巡視

エ) 協力会社が行う安全衛生教育の指導・援助、及び新規入場者教育のための資料等の提供

オ) 工程計画及び機械・設備の配置計画の作成、協力会社が作成する作業計画の指導

カ) クレーン等の運転合図の統一

キ) 非常時の際の警報の統一

ク) その他必要な事項

元方安全衛生管理者

統括安全衛生責任者

選任

● 一定の資格のある者(理科系統の課程の修了者)の中から事業場に専属の者

● 技術的事項を管理する

ア)〜ク)の安全・衛生に関する具体的事項

職務

● 救護の安全に関する規定の策定、救護訓練、救護に必要な機械等の備付け及び管理を行う者。現場に専属とする。

区分

現場規模

工事の種類

20 30 50 労働者数

選任すべき事業場(安衛令7条2項、安衛則18条の6)

@ ずい道等の建設の仕事

店社安全衛生管理者

統括安全衛生責任者等

A 圧気工法による作業を行う仕事
店社安全衛生管理者

統括安全衛生責任者等

B 一定の橋梁の建設の仕事

店社安全衛生管理者

統括安全衛生責任者等

C鉄骨造、鉄骨鉄筋コンクリート造の建築物の建設の仕事

店社安全衛生管理者

統括安全衛生責任者等

D その他の仕事

統括安全衛生責任者等

指揮職務

(安衛法30条第1項)

(安衛法15条の2)

(安衛法25条の2第2項、安衛則24条の3〜9)

救護技術管理者

図1−4 毎日のサイクル

@ 安全朝礼

A 安全ミーティング(KYK)

B 作業開始前点検(ATK)

C 作業所長・安全当番の巡視(統責者の巡視)

D 安全工程打合せE 作業中の指導監督(職長・店社)

F 翌日の手配G 持場の後片付け・終業時の確認・報告