第12章  アスベスト(石綿)の飛散のおそれのある現場での工事

参考資料

アスベスト(石綿)の飛散のおそれのある現場での工事.pdf 農林水産省.ホームページ  

第12 章 アスベスト(石綿)の飛散のおそれのある現場での工事

第1節 一般事項

1.適用

本章は、アスベスト(石綿)の飛散のおそれのある現場での工事に適用する。

なお、本章で扱う「石綿等」とは、石綿若しくは石綿をその重量の0.1%を超えて含有する製剤その他のものをいう。

また、本章のほか留意すべき基本的な事項は「農業農村整備事業等におけるアスベスト(石綿)対応マニュアル」を参考とすること。

2.事前調査における留意事項

(1) 構築物における石綿含有製品の使用の有無を調査し、その結果を記録しておくこと。

(2) 石綿含有製品の使用が認められた場合は、その種類、劣化・破損状況を確認すること。

3.施工計画における留意事項

(1) 事前調査の結果に基づき、石綿粉じんの飛散の危険度に応じた適切な粉じんばく露防止対策を講じること。

(2) 石綿等が使用されている建築物等の解体等の作業を行う場合は、あらかじめ次の事項について作業計画を定め、その作業計画により適切に作業を実施するとともに、関係労働者
に周知させること。

@ 作業の方法及び順序

A 石綿等の粉じんの発生を防止又は抑制する方法

B 作業者への石綿等の粉じんのばく露を防止する方法

(3) 石綿の除去・解体工事などを行う場合は、作業開始日の14 日前までに、労働基準監督署長及び都道府県知事に届けなければならない。

4.作業主任者の選任

(1) 石綿等を取り扱う作業については、石綿作業主任者技能講習を修了した者のうちから、石綿作業主任者を選任すること。

(2) 石綿作業主任者は作業員の健康障害を防止するため、次の事項を行うこと。

@ 作業方法を決定し、作業員を指揮すること。

A 排気・換気装置等を1箇月以内毎に定期点検すること。

B 保護具の使用状況を監視すること。

5.解体・改修作業

(1) 石綿等が使用されている建築物等の解体・改修作業に従事する作業員に対し、次の事項について特別教育を実施すること。

@ 石綿の有害性

A 石綿等の使用状況

B 石綿等の粉じんの発散を抑制するための措置

C 保護具の使用方法

D その他石綿等のばく露の防止に関する必要事項

(2) 石綿等を取り扱う場合は、作業員の見やすい箇所に次の事項を掲示すること。

@ 石綿等を製造し又は取り扱う作業場である旨

A 石綿等の人体に及ぼす作用

B 石綿等の取り扱い上の注意事項

C 使用すべき保護具

(3) 石綿等が吹付けられた建築物等の解体及び石綿等が吹付けられた建築物等における業務で、粉じんにばく露するおそれがあるときは、作業場所をプラスチックシート等で覆い、現場周辺と隔離すること。
また、石綿含有保温材・断熱材に係る作業を行う場合は、作業に従事する労働者以外の者の立入禁止とその旨を標示すること。他の石綿含有製品に係る作業を行う場合は、関係者以外の者の立入を禁止し、その旨の標示を行うこと。

(4) 石綿粉じんが発散する屋内作業場においては、粉じん発生源を密閉する設備及び除じんするための局所排気設備等を設置すること。

(5) 石綿を取り扱う場合は湿潤なものとすること。

湿潤化するために行う散水、その他の措置により石綿を含む水を排水するときは、ろ過装置等、適切な対策を講じること。

(6) 石綿等の切断等の作業を行う場所に、石綿等の切りくず等を入れるためのふたのある容器を備えること。

(7) 作業を行うに当たり、呼吸用保護具(防じんマスク)、作業衣、又は、保護衣を着用すること。

(8) 洗眼設備、洗身又は、うがいの設備、更衣設備及び洗濯のための設備を設けること。

6.保管・運搬・処分作業

(1) 廃石綿等の処理に関する作業を適切に実施するため、資格を有する特別管理産業廃棄物管理責任者を配置すること。

(2) 石綿等を運搬し又は、貯蔵するときは、石綿等粉じんが飛散するおそれがないように堅固な容器を使用し、確実に包装すること。

また、包装の見やすい箇所に石綿等が入っていることと、取り扱い上の注意事項を表示すること。

(3) 除去作業に使用した工具及び資材等は、付着した石綿を取り除いた後、作業場外へ搬出すること。

(4) 除去・解体等により廃棄物となった石綿含有製品及び作業に使用した保護具、養生シートは適切に廃棄物として処理すること。

(5) 毎日の作業後には、工事現場及びその周辺に石綿含有製品の破片その他の石綿を含有するくずが残存しないよう後かたづけ及び清掃を行うこと。

表12−1 石綿含有製品の除去・解体等の工事と主な関係法令の規定

作 業 区 分※

関 係

法規名

内 容 適 用

レベル1

レベル2

レベル3

労働安全

衛生法

@作業主任者の選任

A作業環境測定の実施

B健康診断の実施

C作業計画の届出

特定化学物質等作業主任者技能講習修了者

有害業務を行う屋内作業場

耐火、準耐火建築物に係る作業の場合必要

石綿障害

予防規則

@事前調査・記録

A作業計画の策定

B作業の届出

C作業場所の隔離

D作業者以外の者の立入禁止、表示

E石綿等使用状況の通知

F注文者の請負者への配慮

G発生源の密閉・局所排気装置等の設置

H切断等作業時の石綿等の湿潤化

I呼吸用保護具、作業衣の着用

J関係者以外の立入禁止の表示

K石綿作業主任者の選任

L就労時の特別教育の実施

M洗眼、うがい、更衣等設備の設置

N運搬、貯蔵時の粉じん発散の防止

O作業場での喫煙、飲食の禁止

P石綿等取り扱い上の注意事項の掲示

Q空気中の石綿濃度の測定

目視、設計図書、分析調査

安衛法88 条第4 項の届出を行う場合は不要

発注者から請負者に通知

設置が著しく困難、臨時作業の場合を除く

湿潤化が著しく困難な場合を除く

石綿作業主任者技能講習修了者

容器の使用、確実な包装及び石綿の表示

作業が常時行われる屋内作業場

大気汚染

防止法

@特定粉じん排出等作業の基準

A特定粉じん排出等作業の届出

掲示板の設置、作業場所の隔離等

作業開始日の14 日前まで

参考:吹き付け石綿の使用の可能性のある

建築物の把握方法について(環境省)

廃棄物の処理及び清掃に関する法律

@産業廃棄物の処理

A特別管理産業廃棄物の処理等の基準

B特別管理産業廃棄物管理責任者の配置

C産業廃棄物管理表の交付

産業廃棄物処理基準・同保管基準

特別管理産業廃棄物処理基準・同保管基準

原則として元請業者

最終処分は管理型最終処分場(レベル1・2)

最終処分は安定型最終処分場(レベル3)

参考:廃石綿等処理マニュアル(環境省)

参考:非飛散性アスベスト廃棄物の取り扱いに関する技術指針(環境省)

※作業区分:レベル1・・・・吹き付け石綿・石綿含有吹き付けロックウールの除去、解体等作業

レベル2・・・・石綿含有保温材、断熱材、耐火被覆材等の除去、解体等作業

表12−2 石綿含有廃棄物の保管・運搬・処分作業にあたっての留意点

飛散性石綿含有廃棄物 非飛散性石綿含有廃棄物

廃棄物としての区分 特別管理産業廃棄物 産業廃棄物

責任者の配置 特別管理産業廃棄物管理責任者

保管場所の周囲には囲いを設置すること 同左

保管場所の見やすい箇所に縦横60 p以上の掲示板を設け、廃棄物の種類が「廃石綿」であること等を表示すること

保管場所の見やすい箇所に縦横60 p以上の掲示板を設け、廃棄物の種類が「非飛散性石綿」であること等を表示すること

強度のある耐水性材料で二重に梱包し、仕切を設け、他の廃棄物と分別すること

他の廃棄物と分別し、シート等で覆いをすること

保管上の留意点

除去作業等に使用した、廃棄する養生シート、保護具、作業衣等も「廃石綿」として処理すること

保護具等を作業場から持ち出す場合は十分粉じんを取り除くこと

特別管理産業廃棄物の運搬・処分に係る許可を得ている業者に委託するとともに、産業廃棄物管理表(マニフェスト)に必要事項を記入し、交付すること

産業廃棄物の運搬。処分に係る許可得ている業者に委託するとともに、産業廃棄物管理表(マニフェスト)に必要事項を記入し、交付すること

処理の結果で返送されたマニフェストの写しで確認すること

同左

運搬にあたっては、他の廃棄物と混載せず、処理施設に直送すること

運搬にあてったは、他の廃棄物と混ざらないように中仕切の設置等を行うこと

運搬車には車体の外側に産業廃棄物運搬車であることが表示され、取り扱い上の注意事項等が記された文章が携帯されていること

同左
運搬・処分上の留意点

都道府県条例で、届出を規定している場合があるので事前に調査すること