異常気象時の対策

第7節 異常気象時の対策

1.気象情報の収集と対応

(1) 事務所にテレビ・ラジオ等を常備し、また、インターネット・気象協会を通じて常に気象情報の入手に努めること。

(2) 事務所・現場詰所及び作業場所間の連絡伝達のための設備を必要に応じ設置すること。電話による場合は、固定回線のほかに異常時の対応のために複数の携帯電話等で、常に作業員が現場詰所や監視員と瞬時に連絡できるようにしておくこと。また、現場状況に応じて無線機・トランシーバー等で対応すること。

(3) 現場における伝達は、現場条件に応じて無線機・トランシーバー・拡声機・サイレン等を設け、緊急時に使用できるよう常に点検整備しておくこと。

(4) 工事責任者は非常時の連絡を行った場合は、確実に作業員へ伝達され周知徹底が図られたことを確認すること。

2.作業の中止、警戒及び各種点検

(1) 気象の状況に応じて作業を中止すること。

(2) 天気予報などであらかじめ異常気象が予想される場合は、作業中止を含めて作業予定を検討しておくこと。

(3) 洪水が予想される場合は、各種救命用具(救命浮器・救命胴衣・救命浮環・ロープ)等を緊急の使用に際して即応できるよう準備しておくこと。

(4) 発火信号、照明灯及び自家発電機等は、作動点検を定期的に実施すること。

(5) 工事責任者は、必要に応じ2名以上を構成員とする警戒班を出動させて巡回点検を実施すること。

(6) 警戒員は、気象の急変及び非常事態に注意し、工事責任者との連絡を適宜行い、周辺の状況把握に努めること。

(7) 危険箇所が発見された場合には、速やかに危険箇所に立ち入らないよう防護措置を講じ、その旨を標示すること。

(8) 警報及び注意報が解除され、作業を再開する前には、工事現場の地盤のゆるみ・崩壊・陥没等の危険がないか十分に点検すること。

表2−2 悪天候の条件(標準)

悪天候の条件

強 風 10 分間の平均風速が毎秒10m以上の風

大 雨 1 回の降雨量が50mm以上の降雨

大 雪 1 回の降雪量が25cm 以上の降雪

中震以上の地震発生後 震度階級4 以上の地震

「昭和34 年2 月18 日付け労働省基発第101 号」

図2−11 降雨後等の地山点検

1.風に対する対策

最大瞬間風速12m/sec(平均風速では10m/sec)以上では作業を中止し、材料等の落下防止を確認する。

最大瞬間風速15m/sec 以上を予想される時は点検を行い、足場や型枠支保工を補強する。

2.降雨、降雪に対する対策

雨、雪等で足元の全面が濡れて滑りやすい危険な状態になった時は作業を中止する。ただし、作業構台または本設デッキ等で雨または雪養生ができる所での作業は実施しても良い。

3.地震に対する対策

地震による揺れを感じたら(体感震度)作業を中止し、安全な場所へ退避する。作業を再開する時は、足場や構造物等の点検を入念に行い、安全を確認してから行う。

高さが2m 以上の箇所で作業を行う場合は、強風大雨、大雪等の悪天候のため危険が予想されるときは、作業をしてはならない。(安衛則522 条)

3.大雨に対する措置(作業現場及び周辺の整備)

(1) 作業現場及び周辺の状況を点検確認し、次のような防災上必要な箇所は補強及び補修を行い、必要に応じて立入禁止の措置と標示を行うこと。

@ 土砂崩れ・崖崩れ・地すべりが予想される箇所及び土石流の到達が予想される箇所

A 物の流出・土砂の流出箇所

B 降雨により満水し、沈没又は転倒するおそれのあるもの

C 河川の氾濫などにより浸水のおそれのある箇所

(2) 流出のおそれのある物件は、安全な場所に移動するなど流出防止の措置を講じること。

(3) 大型機械等が設置してある場所への冠水、流出、地盤のゆるみ、転倒のおそれなどがある場合は、早めに適切な場所への退避又は転倒防止措置を講じること。

(4) 降雨により冠水、流出のおそれがある仮設物等は、早めに撤去するか、仮設物内に水を呼び込み内外水位差による倒壊を防ぐか、補強するなどの措置を講じること。

(5) 計画又は想定を上回る規模の異常出水に対する安全対策及び緊急体制を確立しておくこと。

4.強風に対する措置

(1) 強風の際には、クレーン・杭打機等のような風圧を大きく受ける作業用大型機械の休止場所での転倒・逸走防止には、十分注意すること。

(2) 強風により高圧電線が大きく振れても触れないように、電線類から十分な距離をとって退避させること。

(3) 河川・海岸工事での通路の作業床等は、強風による転倒及び波浪による流出事故のないよう十分補強すること。

(4) 予期しない強風が吹き始めた場合には、高所作業では作業を一時中止すること。

この時、物の飛散が予想されるときは、飛散防止措置を施すとともに、安全確保のため監視員・警戒員を配置すること。

(5) 作業再開時で足場上の作業を行うときは、作業開始までに点検し、異常が認められたときは直ちに補修すること。

5.雪に対する措置

(1) 道路・水路等には、幅員を示すためのポール・赤旗の設置などの転落防止措置を講じること。

(2) 道路・工事用桟橋・階段・スロープ・通路・作業足場等は、除雪するか又は滑り止めの措置を講じること。

(3) 標識・掲示板等に付着した雪は、払い落とし、見易い状態にしておくこと。

6.雷に対する措置

(1) 警報器・ラジオ等により雷雲の発生や接近の情報を入手したときは、その状況に応じて拡声機・サイレン等により現場作業員に伝達すること。

(2) 電気発破作業を行う現場では、警戒体制を確立し、警報(作業中止・退避等)、連絡方法を定め、作業中止又は退避の場所等に関する措置を適切な所に看板等で示し、全員に徹底すること。

(3) 電気発破作業において雷光と雷鳴の間隔が短いときは、作業を中止し安全な場所に退避させること。また、雷雲が直上を通過した後も、雷光と雷鳴の間隔が長くなるまで作業を再開しないこと。

7.地震及び津波に対する措置

(1) 地震及び津波に対する警報が発せられた場合は、安全な場所へ作業員を避難させること。

(2) 地震及び津波が発生した後に工事を再開する場合は、あらかじめ建設物、仮設物、資機材、建設機械、電気設備及び地盤・斜面状況などを十分点検すること。