第4章  機械・装置・設備一般

参考資料

地下埋設物.pdf 農林水産省.ホームページ  

第4章 機械・装置・設備一般

第1 節 関係法令と計画の届出

1.安全関係法令

建設機械施工の計画、実施に際しては建設作業や建設機械稼働中の危険の防止、公道上の運搬や環境保全といった建設施工全般にわたる安全確保のため、関係する法令・安全基準等を遵守することが必要である。労働災害、公衆災害の防止のため、関係する法令・指針類を熟知し、その遵守に努めること。(表4−1 参照)

2.設備又は工事計画の届出

付表V−1 に該当する機械、設備を設置し、あるいは工事を開始又は移転・変更しようとする時は、あらかじめ必要な計画を労働基準監督署長等に届け出ること。

第2節 有資格者及び特別教育を必要とする作業

1.作業主任者、作業指揮者の選任

付表U−3 に示す各作業については、「労働安全衛生法」により、特に労働災害を防止するための管理を必要とする作業として、一定の資格を有する「作業主任者」を選任し、その者に労働者の指揮等を行わせること。また、付表U−4 に示す各作業については、「作業指揮者」(特に資格要件は定められていない)を選任すること。

2.建設機械の運転・整備

表4−2 に示す業務を行う場合は、同表に示す資格要件を満足するもの者を就かせること。また、表4−3 に示す各業務に従事するためには、「安全衛生特別教育規程」等に基づいて、当該業務に関する安全、衛生のための「特別教育」を受けること。

建設機械の公道上の走行については、「道路交通法」による「運転免許」が必要であり、建設機械の整備については「特定自主検査」の実施について、建設機械施工技術検定の合格者、厚生労働大臣が定めた研修の終了者、厚生労働大臣又は労働基準局長に登録を行った者等一定の「有資格者」により実施すること。

表4−1 建設機械施工に係る主な安全関連法令等一覧

法 令 名 制 定

○労働安全衛生法

・労働安全衛生法施行令

・労働安全衛生規則

・クレーン等安全規則

・ゴンドラ安全規則

・高気圧作業安全衛生規則

・酸素欠乏症等防止規則

・粉じん障害防止規則

○建設業法

・建設業法施行令

・建設業法施行規則

○道路交通法

・道路交通法施行令

・道路交通法施行規則

○土砂等を運搬する大型自動車による交通事故の防止等に関する特別措置法

○道路法

・道路法施行令

・道路法施行規則

・車両制限令

・車両の通行の許可の手続き等を定める省令

○騒音規制法

・騒音規制法施行令

・騒音規制法施行規則

・特定建設作業に伴って発生する騒音の規制に関する基準

○振動規制法

・振動規制法施行令

・振動規制法施行規則

○水質汚濁防止法

・水質汚濁防止法施行令

・水質汚濁防止法施行規則

・排水基準を定める省令

表4−2 就業制限を必要とする危険・有害業務

業務内容

資格

要件

規則条文

クレーンの運転

吊り上げ荷重が5t以上 クレーン運転士 安衛令第20条

ク則 第22条

床上操作式クレーンの運転

吊り上げ荷重が5t以上 床上操作式クレーン運転技能教習修了者 安衛令第20条

ク則 第22条

移動式クレーンの運転

吊り上げ荷重が5t以上(道路上の走行運転を除く。)

移動式クレーン運転士(道路上の走行運転は,道路交通法による免許必要)

安衛令第20条

ク則 第68条

小型移動式クレーンの運転

吊り上げ荷重が1t以上5t未満

移動式クレーン運転士・小型移動式クレーン運転技能講習修了者(道路上の走行運転は,道路交通法による免許必要)

安衛令第20条

ク則 第108条

デリックの運転

吊り上げ荷重が5t以上 デリック運転士 安衛令第20条

車両系建設機械の運転(整地・運搬・積込み用及び掘削用)

機体重量3t以上(道路上の走行運転を除く。)

一級建設機械施工技士(二級の第1種又は第2種相当の施工法を選択した者)

二級建設機械施工技士(第1種,第2種又は第3種)

車両系建設機械(整地・運搬・積込用及び掘削用)運転技能講習修了者・その他(道路上の走行運転は,道路交通法による免許必要)

安衛令第20条

車両系建設機械の運転(基礎工事用)

機体重量3t以上(道路上の走行運転を除く。)

一級建設機械施工技士(二級の第6種相当の施工法を選択した者)

二級建設機械施工技士(第6種)

車両系建設機械(基礎工事用)運転技能講習修了者・その他(道路上の走行運転は,道路交通法による免許必要)

安衛令第20条

車両系建設機械の運転(解体用)

機体重量3t以上(道路上の走行運転を除く。)

一級建設機械施工技士(二級の第2種相当の施工法を選択した者)

二級建設機械施工技士(第2種)

車両系建設機械(解体用)運転技能講習修了者・その他(道路上の走行運転は,道路交通法による免許必要)

安衛令第20条

ショベルローダの運転

最大荷重が1t以上(道路上の走行運転を除く。)

ショベルローダ等運転技能講習修了者(道路上の走行運転は,道路交通法による免許必要)

安衛令第20条

不整地運搬車の運転

最積載量が1t以上(道路上の走行運転を除く。)

一級建設機械施工技士(二級の第1種相当の施工法を選択した者)

二級建設機械施工技士(第1種)

車両系建設機械(不整地運搬車)運転技能講習修了者・その他(道路上の走行運転は,道路交通法による免許必要)

安衛令第20条

高所作業車の運転

作業床の高さが10m以上 高所作業車運転技能講習修了者(道路上の走行運転は,道路交通法による免許必要)

安衛令第20条

玉掛け作業 吊り上げ荷重が1t以上のクレーン,移動式クレーンもしくはデリックの玉掛け作業

玉掛け技能講習修了者

その他

安衛令第20条

ク則 第221条

フォークリフトの運転

最大荷重1t以上のフォークリフトの運転

フォークリフト運転技能講習修了者

安衛令第20条

ガス溶接作業 可燃性ガス及び酸素を用いて行う金属の溶接、溶断の作業ガス溶接作業技能講習修了者 安衛令第20条

注)建設機械施工に関連の深いもののみ掲載

表4−3 特別教育を必要とする危険・有害業務

業 務 内 容

規則条文

クレー ンの運転

1.吊り上げ荷重が5t未満のクレーンの運転

2.吊り上げ荷重が5t以上の誇線テルハの運転

安衛則第36条

ク則 第21条

デリックの運転

吊り上げ荷重が5t未満のデリックの運転

安衛則第36条

ク則第107条

移動式クレーンの運転

吊り上げ荷重が1t未満の移動式クレーンの運転

安衛則第36条

ク則 第67条

建設用リフトの運転

建設用リフトの運転の業務

安衛則第36条

ク則第183条

車両系建設機械(整地・運搬・積込み及び掘削用)の運転

機体重量3t未満のもので、動力を用い、かつ、不特定の場所に自走できるものの運転の業務。ただし、道路上の走行運転を除く。

安衛則第36条

車両系建設機械(基礎工事用)の運転

同上

安衛則第36条

基礎工事用建設機械の運転

動力を用い、かつ、不特定の場所に自走できるもの以外のものの運転の業務

安衛則第36条

車両系建設機械(基礎工事用)の作業装置の操作

動力を用い、かつ、不特定の場所に自走できるものの作業装置の操作

(車体上の運転席における操作を除く)

安衛則第36条

車両系建設機械(締固め用)の運転

ローラ運転の業務(道路上の走行運転を除く。)

安衛則第36条

車両系建設機械(コンクリート打設用)の作業装置の操作

コンクリート打設用機械の作業装置の操作の業務

安衛則第36条

車両系建設機械(解体用)の運転

機体重量3t未満のもので、動力を用い、かつ、不特定の場所に自走できるものの運転の業務。ただし、道路上の走行運転を除く。

安衛則第36条

ボーリングマシンの運転

ボーリングマシンの運転の業務

安衛則第36条

高所作業車の運転

作業床の高さが10m未満の運転の業務(道路上を走行させる運転を除く。)

安衛則第36条

フォークリフトの運転 フォークリフトの運転の業務 安衛則第36条
不整地運搬車の運転 最大積載量が1t未満の運転の業務(道路上を走行させる運転を除
く。)
安衛則第36条
ショベルローダ等の運

最大荷重が1t未満のショベルローダ又はフォークローダの運転の業務(道路上の走行運転を除く。)

安衛則第36条

軌道動力車の運転

軌条により人又は荷を運搬する動力車の巻上げ装置の運転の業務

安衛則第36条

圧縮機の操作

作業室及び気こう室へ送気するため空気圧縮機を運転する業務

安衛則第36条

高圧則第11条

玉掛作業

吊り上げが荷重1t未満のクレーン、移動式クレーン又はデリックの玉掛け

安衛則第36条

ク則第222条

ゴンドラの操作

ゴンドラの操作

安衛則第36条

ゴ則第12条

巻上げ機の運転

動力駆動の巻上げ機(電気ホイスト、エアーホイスト及びこれら以外の巻上げ機でゴンドラに係るものを除く)の運転

安衛則第36条

フォークリフトの運転

最大荷重1t未満のフォークリフトの運転

安衛則第36条

アーク溶接

アーク溶接の作業

安衛則第36条

ジャッキ式吊り上げ装置

ジャッキ式吊り上げ機械の調整又は運転の業務

安衛則第36条

注)建設機械施工に関連の深いもののみ掲載

第3節 施工計画

1.現地調査

(1) 現地調査は施工計画であらかじめ検討した重要項目に関する重点的調査と全般的調査を、それぞれ計画し実施すること。

@ 重点的調査は、施工内容に応じて調査項目の重要度を考慮して実施すること。

A 全般的調査は、必要な項目を遺漏なく選定して実施すること。

表4−4 重点的調査及び全般的調査の調査内容

災害防止のための重点的調査 施工計画のための全般的調査

工事目的物による特徴

道路工事:建設機械との接触

自動車関連交通災害

橋梁工事:墜落 倒壊

トンネル工事:建設機械による挟まれ落盤・坑内火災

土地造成工事:建設機械関連災害

土砂崩壊

建築工事:墜落 飛来落下

施工機械

施工設備

施工法、施工機械施工設備規模の選択、現場との適合性、標準操作方式型、作業環境改善対策型機械の可否、騒音・振動等対策型機械設備の可否、施工機械、施工設備の調達、運搬経路

関連工事等の内容

付帯工事、別途関連工事、隣接工事の状況

施工設備の特徴

軌道設備:逸走

バック運転による接触

クレーン・揚重設備:挟まれ 飛来落下

転倒・倒壊

電力設備:感電災害

高所作業車:墜落・転落

挟まれ 転倒

環境保全

近隣環境、配慮を要する近隣施設、保全対象物件の状況 騒音・振動等に関する環境保全規準等の内容 建設副産物の処分・処理条件の内容

現場条件の特徴

水上・海上作業:おぼれ

法面・法肩:転落

機械とともに転落

山間部河川:土石流

自然的条件

地形・地質・土質(設計図書との整合も含む)

施工に関係のある水文・気象・海象

適 用

安全確保のための特徴の洗い出し

事例等の机上調査

防止対策の机上検討

資材

動力

用水

労働力

材料の供給源と価格及び運搬路

工事用動力、工事用水の入手手段労働力の供給、協力業者、労働環境、賃金

(2) 現地調査の留意点

@ 現地調査は、工事目的物の出来形進捗にともなう現場作業環境の変化及び特殊な条件等に留意して、実施すること。

A 土木工事と建築工事等、工事の特性の相違に留意して、これに応じた調査を実施すること。

B 地域の交通安全のために、現場周辺地域の交通事情の調査を行うこと。

2.施工計画

建設機械を使用する工事の施工計画の作成にあたっては、設計図書や現地調査により施工条件を把握し、安全を考慮すること。

(1) 建設機械の機種選定にあたっては、工事計画全体を展望し、各種の制約条件を満たす最適な機種、規格、組合せを選定すること。

(2) 選定した建設機械については、相互の関係を検討し、適合性を確認すること。

(3) 建設機械の配置計画にあたっては、使用形態を考慮して、施工の安全及び周辺の安全を確保すること。

(4) 強風、降雨、降雪時における作業中止に関しては、地理的条件を考慮のうえ、観測方法や指示方法等の具体的な計画を検討し、安全確保を図ること。

(5) 路肩・法肩など危険な場所での作業の有無、人との同時作業の有無などを事前に把握して、車両系建設機械等の転倒又は転落防止、作業員の安全確保の業務に従事する誘導員や、関係作業員以外の危険箇所への立入りを監視する監視員の配置及び立入禁止箇所の特定、措置を明らかにすること。

(6) 施工計画を変更する場合には、全体の状況を十分勘案して変更すること。

第4節 現場の管理

1.現場管理

(1) 現場に搬入される建設機械が、施工計画に基づいて選定された機種、規格、組合せであること及び適正な整備状況等であることを確認すること。

(2) 作業内容によりやむを得ず人と建設機械との共同作業となる場合には、必ず誘導員を配置すること。誘導員及び作業員には合図・誘導の方法のほか、運転者の視認性に関する死角についても周知を図ること。

2.現場管理に関する要員確保

(1) 建設機械施工にあたっては、施工計画に基づき必要な要員を確保し、作業内容、作業場所等に応じて、適切に配置すること。

(2) 建設機械の取扱いにあたっては、当該機械等に関する知識、技術及び資格を有する要員を確保すること。

3.工事関係者の安全教育

安全管理者等は、定期的又は随時に、建設機械、作業環境等について、新たな知識の習得と専門的能力の向上に努めること。

(1) 就業前には、関係作業員に対し、現場の状況に関する情報を与えるとともに、従事する作業に関する安全について教育及び指導すること。

(2) 作業開始前には、関係作業員に対し、安全事項について教育及び指導すること。また、建設機械の配置、作業場所、作業方法などに大幅な変更が生じた場合は、それについて教育及び指導すること。

@ 当該機械装置の危険性及び機械・保護具の性能・機能・取扱方法、非常停止方法

A 安全装置の機能・性能・取扱方法

B 作業手順、操作手順、運転開始の合図・連絡、作業開始時の点検

C 掃除などの場合の運転停止・通電停止・起動装置施錠等の手順及び必要な措置

D 非常時・緊急時における応急措置及び退避連絡など

E 整理整頓及び清潔の保持、その他必要事項表4-5 職長・安全衛生責任者の教育の内容

表4−5 職長・安全衛生責任者の教育の内容

○業務に初めて就くときの教育

・作業内容及び作業場所の状況

・作業内容及び作業場所の状況(地形・土質・地盤)の説明に関すること。

・作業方法の決定及び労働者の配置に関すること。

・作業員に対する指導又は監督に関すること。

・作業員の健康状態等の把握に関すること

・作業設備及び作業場所の保守管理に関すること。

・異常時等における措置に関すること。

・その他現場の監督者として行うべき建設災害防止活動に関すること。

○能力向上に対する教育

・その業務に関連する建設災害の動向

・建設技術革新等の作業情勢

・建設現場における施工環境の変化等に対応した事項

第5節 建設機械の搬送

1.搬入及び搬出経路等の事前調査

建設機械をトレーラ又はトラックに積載し、一般道路(公道)を移送する場合は、事前に現場の所在地、運搬経路、周辺の道路形状、交通量及び交通状況等を調査するとともに、必要に応じて関係機関への届け出等を行い、運搬に支障がないように措置を講じること。

2.現場搬入時の装備点検

(1) 前照灯・警報装置・ヘッドガード・落下物保護装置・転倒時保護装置・操作レバーロック装置・降下防止用安全ピン等の安全装置の装備を確認すること。

(2) 前照灯・警報装置・操作レバーロック装置等の正常動作を確認すること。

(3) 建設機械の能力・整備状況等を確認すること。

3.積込み・積卸しの安全確保

(1) 建設機械を運搬車両に積込み・積卸しを行う場合は、作業手順、周辺状況等を事前に打合せること。

(2) 建設機械は、積込み時に確実に固定し、出発前に固定状況、高さ等について確認を行い、運搬中の荷くずれ・落下防止措置を講じること。

(3) 積込み・積卸し時には誘導員を適宜配置すること。

(4) 積卸しを行う場合は、支持力のある平坦な地盤で、作業に必要な広さのある場所を選定すること。

(5) 積込み・積卸し作業時には、移送用車両に必ず駐車ブレーキを掛け、タイヤに歯止めをすること。

(6) 登坂用具は、積卸しする機械重量に耐えられる強度・長さ及び幅を持ち、キャタピラの回転によって荷台から外れないような爪付きのもの又は外れ止め装置の装備されたものを使用すること。

(7) 大型の建設機械をトレーラ又はトラック等に積載して移送する場合は、登坂用具又は専用装置を備えた移送用の車両を使用すること。

4.積込後の固定など

(1) 荷台の所定位置で停止し、ブレーキを掛けロックすること。

(2) ショベル系建設機械は、ブーム・アーム等の作業装置が制限高を超えないように低く下げ、バケット等はトレーラ等の床上に下ろし固定すること。

(3) 積込みの状態及び歯止めなど、固定の状態が適切であるかを確認すること。

5.自走の安全対策

(1) 建設機械が、一般道路(公道)を自走する場合、道路関係法令を遵守し、他の交通機関の支障にならないような措置を講じること。

(2) 現場内を移送する場合は、事前に下見を行い転倒、転落などの危険防止の措置を講じること。

(3) 現場内の軟弱な路面を走行するときは、路肩の崩れなどに注意すること。

(4) 無人踏切や幅員の狭い箇所を通過するときは、一旦停止し安全を確認してから通過すること。

(5) ショベル系建設機械では、架空線や橋桁等の道路横断構造物の下を通過するときは、垂直方向の離隔に注意すること。

(6) 指定された建設機械の登坂能力及び安定度を超えて走行しないこと。その他機種に応じた運転基本事項を厳守すること。

(7) 走行中に、地形・地盤・その他に異常を感じたときは、走行を一旦停止して地形・地盤・その他を確認すること。

6.組立・分解又は解体の留意事項

建設機械の組立・分解又は解体作業の開始に先立ち、作業指揮者を指名し、その日時、場所、作業手順、安全対策等について打合せを行い、関係作業員へも周知徹底すること。

(1) 組立・分解又は解体作業中は、常に機械の安定性、安全性を確認すること。

(2) 作業は、指示された手順通り行われているか確認すること。

(3) 特殊な機械や新型の機械を扱う場合は、事前に指導員と十分な打合せを行い、必要に応じ立合いのうえ、作業を進めること。

(4) アタッチメント等作業装置の装着及び取り外し作業

@ アーム・ブーム等の降下・転倒を防止するため、支柱・ブロック等により支持し、装着又は取り外しを行うこと。

A 重量のある作業装置の装着及び取り外しにおいては、合図を確実に行い、誤操作・過大操作などに伴う、挟まれ防止に細心の注意を払うこと。

第6節 建設機械の運用

1.建設機械の適切な選定

(1) 機械選定に際しては、使用空間、搬入・搬出作業及び転倒などに対する安全性を考慮して選定すること。

また、操作性の状況、振動・騒音、排出ガス等を考慮して選定すること。

(2) 施工現場の状況を十分考慮して、機体の転落や落下物による運転者の被害を防止する装置、バックブザー、バックライト、消火器等を装備すること。転落や落下物による運転者防護装置としては、代表的なものにROPSやFOPSがあるので、適切に採用すること。

@ROPS(Roll Over Protective Structure)

定義:機械が(最高速度が時速16km 以上のものは時速16km で、時速16km 未満のものはその最高速度で)進行中に30°の勾配を持つ固い粘土質の傾斜面を、車体がその表面から離れることなく360°横転した場合において、シートベルトを装着した運転者が押しつぶされることを防止し得る構造。

AFOPS(Falling Objects Protective Structure)

定義:重量227kgf の物体が5.2mの高さから機械に落下した場合(11,600 ジュールのエネルギーが加えられた場合)においても、運転者の被害を防止し得る構造。

2.取扱責任者

(1) 取扱者の中から取扱責任者を選任し、指定した取扱者以外の使用の禁止を徹底すること。

(2) 安全運転上、取扱責任者の行うべき事項を定め、それを実行させること。

3.使用取扱環境

(1) 危険防止のため、作業箇所には、必要な照度を確保すること。

(2) 使用場所に応じて、作業員の安全を確保するため、適切な安全通路を設けること。

(3) 機械設備には、粉じん・騒音・高温・低温等から作業員を保護する措置を講じること。これにより難いときは、保護具を着用させること。

(4) 運転に伴う加熱・発熱・漏電等で火災のおそれがある機械については、よく整備してから使用するものとし、消火器等を装備すること。

また、燃料の補給は、必ず機械を停止してから行うこと。

(5) 接触のおそれのある高圧線には、必ず防護措置を講じること。

防護措置を講じない高圧線の直下付近で作業又は移動を行う場合は、監視員を配置すること。ブーム等は電路から表4−6 の離隔距離をとること。

(6) 電気機器については、その特性に応じて仮建物の中に設置するなど、漏電に対して安全な措置を行うこと。

(7) 異常事態発生時における連絡方法・応急処置の方法は、分かりやすい所に標示しておくこと。

(8) 機械の使用中に異常が発見された場合には、直ちに作業を中止し、原因を調べて修理を行うこと。

電路の電圧(交流)

離隔距離

特別高圧

(7,000V超え)

2m以上、但し、60,000V以上は10,000V又はその端数を増す毎に20cm 増し。

高 圧

(7,000〜600V)

1.2m以上

低 圧

(600V以下)

1.0m以上

表4−6 電圧と離隔距離

図4−3 高圧電線等の防護 労働省通達基発759号(昭和50年12月17日)

図4−4 高圧電線の近接作業

4.点検・修理作業時の安全確保

(1) 運転停止・通電停止・起動装置施錠等の手順及び必要な措置を講じること。

(2) 点検・修理作業時の墜落・転倒などを防止するための必要な措置を講じること。

(3) 点検・整備作業を行う場所は、関係者以外の立ち入りを禁止すること。

(4) 点検・整備作業は、平坦地で建設機械を停止させて行うこと。

やむを得ず傾斜地で行う場合は、機械の足回りに歯止めをして逸走を防ぎ、かつ、転倒のおそれのない姿勢で行うこと。

(5) 建設機械は、原動機を止め、ブレーキ・旋回等のロックを必ず掛けておくこと。

(6) アタッチメント等の作業装置は、必ず地上に降ろしておくこと。

やむを得ずブレード・バケット等を上げ、その下で点検・整備作業を行う場合には、安全支柱又は安全ブロックで支持するなどの降下防止策をとること。

また、その使用状況を監視すること。

(7) 修理作業を行うときは、機械の機能を完全に停止したうえで、修理中に誤って機械が作動又は移動しないような措置を講じること。

5.オペレータの指導

(1) 新規入場のオペレータには、安全教育を実施し、各現場の状況・特徴・留意点を詳しく指導すること。また、定期的に安全教育を実施すること。

(2) オペレータの健康状態には細心の注意を払い、過労・睡眠不足などにならないよう配慮すること。

(3) オペレータが当該機械の運転に不適当な状態(飲酒、二日酔、極度の疲労など)であると判断された場合は就業させないこと。

6.機械・工具・ロープ類の点検・整備

(1) 法令で定められた点検を必ず行うこと。

(2) 機械の管理責任者を選任し、必要に応じて、次に示す検査・点検・給油・保守整備をオペレータ又は点検責任者に確実に実施させること。

@ 始業・終業・日常点検

A 月例点検

B 年次点検、特定自主検査

(3) それぞれの機械に対し、適切な点検表の作成・記入を行い、必要に応じて所定の期間保存すること。

(4) 鋼索(ワイヤロープ)が次の状態の場合には使用してはならない。

@ 1よりの間で素線数の10 %以上の素線が切断した場合

A 直径の減少が公称径の7%を超えた場合

B キンク、著しい形くずれ又は腐食の認められる場合

7.修理

点検の結果、異常を認めた場合は、直ちに修理又はその他必要な措置を講じること。

8.機械の使用・取扱い

機械の使用にあたっては、機械の能力を超えて使用したり、安全装置を解除して使用したりしないこと。

(1) 建設機械の使用・取り扱いに当たっては、定められた有資格者を選任し、これを標示すること。

(2) 作業開始前に、作業内容、手順、機械の配置等を工事関係者に周知徹底すること。

(3) オペレータ室は、常に整理整頓し、運転行為の妨げにならないようにすること。

(4) 仮設電気設備の設置、撤去及び維持管理に当たっては、電気設備に関する関係法令を遵守すること。

表4−7 安全な作業の遂行上必要な時の例

・車両系建設機械を用いる掘削作業の一環として土砂崩壊による危険を少なくするため、一時的に土留め用矢板、ヒューム管等の吊り上げ作業を行う場合

・作業場所が狭隘なため、移動式クレーンを搬入して作業を行えば作業場所がより錯綜し、危険が増すと考えられる場合

9.用途外使用の制限

(1) 建設機械は、用途以外に使用しないこと。

(2) 作業の性質上やむを得ない時又は安全な作業の遂行上必要な時(表4−7 参照)に限り、フック等の吊り上げ用の金具等を用いる場合には、以下の条件を満たすことを確認したうえで行うこと。

@ 十分な強度をもつ吊り上げ用の金具等を用いること

A 吊り荷等が落下しないこと

B 作業装置から外れないこと

なお、上記の作業条件が合致したとしても、災害防止の観点からできるだけクレーン機能付きバックホウを使用すべきである。(クレーン機能付きのバックホウによる荷の吊り上げ作業においては移動式クレーンと同様の扱いとなるため第7 節移動式クレーン作業に準じる。)

また、油圧ショベルはクレーン類に比べ旋廻速度が速いため十分注意すること。

10.休止時の取扱い

(1) 移動式の機械を休止させておく場合は、地盤の良い平坦な場所に止め、バケット等を地面まで降ろし、思わぬ動きを防止すること。やむを得ず坂道に停止するときは、足回りに歯止めなどを確実に行うこと。

(2) 原動機を止め、全ての安全装置をかけ、キーを所定の場所に保管すること。

第7節 移動式クレーン作業

1.作業計画、移動式クレーンの選定

(1) 移動式クレーンの選定については、その性能・機能を十分把握しておくこと。

(2) 移動式クレーンの選定の際は、作業半径・吊り上げ荷重・フック重量を設定し、性能曲線図で能力を確認し、十分な能力を持った機種を選定すること。

(3) 作業内容をよく理解し、作業環境などをよく考慮して作業計画を立てること。

(4) 送配電線の近くでの作業は、絶縁用防護措置がされていることを確認してから行うこと。

(5) 絶縁用防護措置のされていない送配電線の近くでの作業時は、表4−6 の離隔距離を厳守して行うこと。

2.配置・据付

(1) 移動式クレーンの作業範囲内に障害物がないことを確認すること。障害物がある場合は、あらかじめ作業方法をよく検討しておくこと。

(2) 移動式クレーンを設置する地盤の状態を確認すること。地盤の支持力が不足する場合は、移動式クレーンが転倒しないよう地盤の改良、鉄板等により吊り荷重に相当する地盤反力が確保できるまで、移動式クレーンの操作は行わないこと。

(3) 移動式クレーンの機体は水平に設置し、アウトリガーは最大限に張り出すこと。但し、最大限に張り出しができない場合は、張り出し幅に応じた定格荷重が確実に下回っていることを確認すること。

(4) 荷重表で吊り上げ能力を確認し、吊り上げ荷重や旋回範囲の制限を厳守すること。

(5) 作業前には必ず点検を行い、無負荷で安全装置・警報装置・ブレーキ等の機能の状態を確認すること。

(6) 運転開始からしばらくの時間が経ったところで、アウトリガーの状態を点検し、異常があれば矯正すること。

3.移動式クレーンの誘導・合図

(1) 合図者は1人とし、打合せた合図で明確に行うこと。

(2) 合図者は、吊り荷がよく見え、オペレータからもよく見える位置で、かつ、作業範囲外に位置して合図を行うこと。

やむを得ずオペレータから見えない位置で合図する場合には、無線等で確実に合図が伝わる方法をとること。

(3) 荷を吊る際は、介錯ロープを吊り荷の端部に取り付け、合図者が安全な位置で誘導すること。

4.移動式クレーンの運転

(1) 運転は、吊り上げ荷重により以下の資格を有する者が行うこと。

@ 吊り上げ荷重が1t 未満の移動式クレーン;特別教育、技能講習の修了者、免許取得者

A 吊り上げ荷重が1t 以上5t 未満の移動式クレーン;技能講習の修了者、免許取得者

B 吊り上げ荷重が5t 以上の移動式クレーン;免許取得者

(2) 移動式クレーンに装備されている安全装置(モーメントリミッター)は、ブームの作業状態とアウトリガーの設置状態を正確にセットして作動させること。

(3)作業中に機械の各部に異常音・発熱・臭気・異常動作などが認められた場合は、直ちに作業を中止し、原因を調べ必要な措置を講じてから作業を再開すること。

(4) 吊り荷・フック・玉掛け用具等吊り具を含む全体重量が、定格吊り上げ荷重以内であることを確認すること。

5.移動式クレーンの作業

(1) 荷を吊り上げる場合は、必ず地面からわずかに荷が浮いた状態で一旦停止し、機体の安定・吊り荷の重心・玉掛けの状態を確認すること。

(2) 荷を吊り上げる場合は、必ずフックが吊り荷の重心の真上にくるようにすること。

(3) 移動式クレーンで荷を吊り上げた際、ブーム等のたわみにより吊り荷が外周方向に移動するため、フックの位置はたわみを考慮して作業半径の少し内側で作業をすること。

(4) 旋回を行う場合は、旋回範囲内に人や障害物のないことを確認すること。

(5) 吊り荷は、安全な高さまで巻き上げた後、静かに旋回すること。

(6) オペレータは、合図者の指示に従って運転し、常にブームの先端の動きや吊り荷の状態に注意すること。

(7) 荷降ろしは一気に着床させず、着床直前に一旦停止し、着床場所の状態や荷の位置を確認した後、静かに降ろすこと。

(8) オペレータは、荷を吊り上げたままで運転席を離れないこと。

6.作業終了後の措置

(1) 作業終了後は、フックを安全な位置に巻き上げるなど必要な措置を講じること。

なお、走行姿勢にセットした場合は、各部の固定ピン等を確実に挿入すること。

(2) 走行時には、旋回ブレーキロック・ウインチドラムロックを行うこと。

(3) 操作関係のスイッチはすべて“切”にしておくこと。

7.玉掛作業

(1) 玉掛作業は、吊り上げ荷重が1t 以上の移動式クレーンの場合は技能講習を終了した者が、1t 未満の移動式クレーンの場合は、特別教育を終了した者がそれぞれ行うこと。

(2) 吊り荷に見合った玉掛け用具をあらかじめ用意点検し、ワイヤロープにうねり・くせ・ねじりがある物は、取り替えるか又は直してから使用すること。

(3) 玉掛け用具は、雨や粉じん等が防げる定められた保管場所へ整理して保管することとし、腐食するおそれのあるとき(海岸・海上作業など)は、注油を行うこと。

(4) 移動式クレーンのフックは、吊り荷の重心に誘導し、吊り角度と水平面とのなす角度は60 °以内とすること。

(5) ロープが滑らない吊り角度・あて物・玉掛位置など、荷を吊ったときの安全を事前に確認すること。

(6) 重心の片寄った物など特殊な吊り方をする場合には、事前にそれぞれのロープにかかる荷重を計算して安全を確認すること。

あだ掛巻(2 本4 点あだ巻) 目通し吊り(4 本4 点シャックル掛け)

(7) 半掛け4本吊り、フックに対する半掛けは、ワイヤロープが滑って危険なため禁止すること。

(8) パイプ類等の滑りやすい物を吊るときは、あだ巻、目通し吊り又ははかま(つり袋)等を使用し、脱落防止の措置を講じること。

また、寸法の長い物と短い物とはそれぞれ仕分けし、混在させて吊らないこと。

(9) 枠組足場材等は、種類及び寸法毎に仕分けし、玉掛用ワイヤロープ以外の物で緊結するなど、抜け落ち防止の措置を講じること。

(10) 単管用クランプ等の小物は、吊り箱等を用いて作業を行うこと。

8.立入禁止場所の指定、標識類の設置

(1) 移動式クレーン作業中は、吊り荷の直下のほか、吊り荷の移動範囲で、吊り荷の落下による危険のある場所への人の立ち入りを禁止すること。

表4−8 玉掛用具の管理

ワイヤロープの安全係数

ワイヤロープ 6 以上

つりチェーン 5 又は4 以上(一定の要件を満たすもの)

フック・シャックル 5 以上

クレーン則 213,214

不適格なワイヤロープの使用禁止

1. 1よりの間で素線の数の10%以上の断線

2. 直径の減少が公称径の7%を超えたもの

3. キンクしたもの

4. 著しい形くずれ又は腐食のあるもの

安衛則 217

クレーン則 215

不適格なつりチェーンの使用禁止

1. 伸びが製造時の5%を超えるもの

2. リングの断面の直径の減少が製造時の10%を超えるもの

3. き裂があるもの

クレーン則 216

不適格なフック、シャックルの使用禁止

1. 変形、き裂のあるもの

クレーン則 217

不適格な繊維ロープ等の使用禁止

1. ストランドが切断しているもの

2. 著しい損傷又は腐食があるもの

クレーン則 218

使用範囲の制限

1. チェーンブロック、つりクランプ等は使用荷重等の範囲で使用

クレーン則219−2

作業開始前の点検

クレーン則 220

安衛則151 の9

ク則74 の2

(2) 立ち入りを禁止した場所には、看板・標識等を設置し、作業員などに周知させること。

第8節 据付型・据置型機械装置

1.機械設備

(1) クレーン・デリック及び建設用リフトの組立て又は解体の作業を行うときは次の措置を講じること。

@ 組立てなどの作業は、作業指揮者の直接の指揮の下に行うこと。

A 作業を行う区域内には、関係者以外の立ち入りを禁止し、かつ、その旨を見やすい箇所に標示すること。

B 強風・大雨・大雪等の悪天候のため危険が予想される場合は、組立てなどの作業を中止すること。

C 作業の方法及び作業員の配置を決定し作業を行うこと。

D 作業中、安全帯及び保護帽の使用状況を監視すること。

(2) 機械は水平な基礎に設置し、沈下を防止するために、必要に応じ敷板・敷角等を使用すること。

構造物の上に据付ける場合には、特に構造物の状態に応じて必要な補強をすること。

(3) 機械の台付は確実に行うこと。

(4) 長尺物の組立ては、あらかじめ取付部は合印を付け、点検のうえ順序よく行うこと。

(5) 歯車・ベルト・チェーン・フライホイール等接触による危険がある物には、覆いや柵を設けること。

(6) 機械類は、雨露にさらさないよう覆いをすること。

(7) 機械の設置場所は、照明を十分にしておくこと。

(8) 作業中ワイヤロープの屈曲部の内側に作業員を立ち入らせないこと。

(9) クレーン・デリック・ウインチ等の機械は、構造などが厚生労働大臣の定める基準に適合するものでなければ使用させないこと。

(10) クレーン・デリック・ウインチ等の機械には定格荷重等を明示しておくこと。

2.安全装置等の遵守事項

(1) 作業者は、安全装置等について次の事項を守ること。

@ 安全装置を取り外さない、又はその機能を失わせないこと。

図4−13 回転部等の防護

図4−14 制限荷重の表示

A 臨時に安全装置を取り外し、又はその機能を失わせる場合は、あらかじめ事業者に許可を受けること。

B 前項Aでその必要が無くなった場合は、直ちに現状に復旧すること。

C 安全装置等が取り外され、又はその機能を失ったことを発見した場合は、速やかに事業者に申し出ること。

3.運転作業

(1) 機械は、指名された者以外の者に運転させないこと。

(2) 機械の取扱主任者又は係員を定め、その氏名を見やすい箇所に標示すること。

(3) 定められた合図や信号は、作業員に周知し確実に守らせること。

(4) 運転中は、関係者以外の立ち入りを禁止すること。

(5) 歯車・ベルト・フライホイールの覆いや、柵・グラインダーのカバー・丸鋸の接触防止などの安全装置を取り外したままで運転しないこと。

(6) 運転手は、作業時間中みだりに持場を離れたり、また運転中雑談したりしないこと。

(7) 機械の刃部の掃除・検査・修理・取り替え又は調整の作業を行うときは、機械の運転を停止して行うこと。

(8) モータには指定の油・グリースを注油すること。

(9) 規定容量以上のヒューズを用いないこと。

(10) 運転者は、運転・振動・臭気・温度等の異常を認めた場合は運転を停止して点検すること。

また、機械の無理な使い方をしないこと。

(11) 作業中ウインチ等を停止したときは、必ず逆転防止の歯止めの装置を掛けること。

(12) グラインダーの砥石車は、定められた大きさの物を使い、取り扱う前にはキズの有無を点検すること。

また、その日の作業を開始する前には1分間以上、砥石車を取り替えたときには3分間以上試運転を行うこと。

(13) グラインダー作業中は、必ず保護眼鏡を使用し、必要に応じて防じんマスクを使用すること。

(14) 機械の使用前に、次の事項について適宜点検し、整備すること。

@ 清掃・給油の状況

A 回転部分の摩耗・損傷の有無

B 安全装置の完備

C 異常な音・振動等の有無

D ブレーキ・クラッチ等の機能

E 接地の状況

F 開閉器・配線等の異常の有無

G 警戒用ブザー又は点滅灯の作動

H 周辺の整理・整頓

4.吊り上げ作業

(1) 吊り上荷重5トン以上のクレーン・デリック等を使用する場合には当該作業の運転免許を受けた者、5トン未満の場合は指名された者以外は運転を行わないこと。

(2) クレーン・デリック・建設用リフト等には、その定格荷重又は積載荷重を超える荷重をかけて使用しないこと。

ジブクレーンやデリック等では、そのブームの長さ及びめられた荷重を超えないよう特に留意すること。

(3) 横引きや急激な操作は避け、旋回は吊り荷の静止を待ってから行うこと。

(4) 作業を行うときは、一定の合図を定め、合図を行う者を指名して、その者に合図を行わせること。

(5) クレーン・デリックにより、労働者を運搬、又は、労働者をつり上げて作業しないこと。

(6) 建設用リフトの搬器には、修理、調整、点検等以外は人を乗せないこと。

(7) クレーン・デリック又は建設用リフトを用いて作業を行うときは、作業を開始する前に、次の事項について点検を行うこと。

@ 巻過防止装置・ブレーキ・クラッチ及びコントローラーの機能。

A ランウェイの上及びトロリが横行するレールの状態。

B ワイヤロープが通っている箇所の状態。

(8) 修理・調整・点検等の作業は危険防止の措置をしてから行うこと。

(9) 吊り荷の稼動範囲には、立ち入りを禁止すること。

また、立体作業を行う場合には、必ず防護施設を設けること。

(10) 二又・三又・坊主丸太については、次の事項に留意すること。

@ 丸太は腐れ・きず・曲りがなく、予定された荷重に耐える物を使うこと。

A 丸太の脚部は沈下・滑動等を起こさないよう確実に据付けること。

B トラは丈夫なロープで確実にとること。

5.玉掛作業(1) 吊り上げ荷重1トン以上のクレーンやデリック等の玉掛けは玉掛技能講習修了者、1トン未満の場合には特別な教育を受講した者以外は玉掛作業を行わないこと。

(2) 玉掛作業主任者は、次の事項を行うこと。

@ つり荷の質量・形状・数量の確認。

A 玉掛用具の種類・数量の確認。

B クレーン等の据付状況作業範囲内の状況確認。

C 玉掛方法の確認。

D 不完全状況を認知した場合、クレーン等運転者に指示し、作業を中止すること。

(3) ワイヤロープは、次に該当するものは使わないこと。

@ 1よりの間において素線の数の10%以上の素線が切断したもの。

A 直径の減少が公称径の7%を超えるもの。

B キンクしたものや著しい形くずれ又は腐食があるもの。

(4) フック・シャックル・リング等は変形・亀裂のあるものを使わないこと。

(5) 次の事項のうちいずれかに該当するものは使用しないこと。

@ 繊維ロープ・繊維ベルトのストランドが切断しているもの、又は著しい損傷・腐食のあるもの。

A エンドレスでないワイヤロープ又は吊りチェーンについては、その両端にフック・シャックル・リング又はアイを備えていないもの。

(6) 玉掛作業においては玉掛用ワイヤロープを使用し、台付用を使用しないこと。

(7) ロープ類の強度は、製造会社の定める安全荷重を確かめてから使うこと。この場合、安全係数はワイヤロープで6、チェーンで5以上とすること。

(8) 玉掛けの方法は、荷の形状と重心の位置を考え安全な状態で行うこと。

(9) 台付は吊り荷に適したものを使い、吊り角度は90°を超えないこと。

図4−21 玉掛け用具の点検

図4−22 吊り角度と張力の関係

(10) 棒鋼・パイプ・丸太等多数を一度に吊るときは、安全な吊り金具を使用するか、又はロープで一巻き加巻して滑り落ちを防止すること。

(11) 角のある荷を吊るときは、ロープのずれや滑りを防ぐため、当て物をしてから吊ること。

(12) 荷降した場所には、あらかじめ確かな枕を置き、歯止めなどで安定した状態にしておくこと。

(13) つり荷の下に立ち入らないようにし、必要に応じ介錯ロープを付けて行うこと。

第9節 賃貸機械等の使用

1.賃貸機械あるいは貸与機械の使用

(1) 賃貸機械あるいは貸与機械を使用する場合は、十分な点検整備がなされた機械であることを確認し、法定検査記録控え、取扱説明書、貸出時点検表等の書面を受け取り確認すること。

(2) 賃貸機械あるいは貸与機械を使用する際には、機械性能などについて関係者などへの周知、運転者と関係作業員との意志疎通の確保に努めること。

(3) 使用機械が日々変る場合は、機体の整備状況、安全装置の装備、その正常動作を適宜確認すること。

2.運転者付き機械の使用

(1) 運転手付き機械の搬入にあたっては、運転者が有資格者であることを確認し、新規入場者教育を実施すること。

(2) クレーン作業・コンクリートポンプ打設作業・機械回送作業・運搬作業など運転者付き機械を使用する作業については、作業指示・作業打合せ・現場作業条件などを運転者に対して適切に、事前に連絡しておくこと。