第5章  仮設工事

参考資料

仮設工事.pdf 農林水産省.ホームページ  

第5章 仮設工事

第1節 一般事項

1.仮設工事一般

仮設構造物は工事期間中にその工事現場で働く工事関係者の安全を守り、施工中の本体構造物に支障が生じないよう防護するとともに、作業がしやすいものであること。さらに、周辺に暮らす人々や環境に悪影響が生じないように配慮すること。

また、仮設構造物は一時的な構造物であるため設置期間が短く、作用荷重も限られることから、一般に安全率が低く、施工ミスが重大事故に繋がることから、施工中は仮設物の監視体制を強化し、安全管理に十分留意するとともに、関係法令を事前に把握し事故の防止に努めること。

2.工事内容の把握

工事予定場所の踏査を行い、必要な事項を把握すること。

3.施工条件の把握

(1) 設計図書は十分に検討・把握し、施工計画に反映させること。

(2) 当該工事に関する立地条件を仮設工事計画に反映するよう十分考慮すること。

(3) 当該工事のみならず周辺で行われている工事又は行われようとする工事との関連性を把握すること。

(4) 第1章第2節1.工事内容、施工条件などの把握に準じるが、仮設構造物の設置にあたり必要な事項については調査を行い把握に努めること。

4.周辺環境調査

騒音・振動・地盤変状等による施工現場周辺の土地・建物・道路・構造物等に対する影響及び井戸枯れ等を把握するため、事前に十分な現況調査を行い、資料を整理すること。

なお、地下水位については季別で変動することから、施工時期を考慮して検討することとし、調査資料がない場合は、近隣の自治体や地域住民に聞き取ること。

また、仮設工事のための施工機械の選定及び施工計画について十分検討すること。

5.地下埋設物等の調査

(1) 第3章第2節事前確認によること。

(2) 道路において、杭・鋼矢板等を打ち込むに当たり、埋設物の有無が明確でない場合は、深さ2m程度まで試掘を行い、埋設物が確認されたときは、布掘り又はつぼ掘りを行い詳細に調査すること。

(3) 架空工作物に対する事前調査を行い、近接施工となる場合は、架空工作物管理者と協議し、必要な対策を行うこと。

なお、送電線は直接触れなくても感電するため注意すること。

6.施工計画

第1章第3節施工計画に準じること。

7.工事施工段階の内容把握

(1) 仮設工事計画の作成に当たり、工事目的物の各施工段階の内容を十分把握すること。

図5−1 周辺環境・地下埋設物等の調査

(2) 各施工段階における仮設工事計画は、仮設工事自体の安全性、工事目的物の品質・出来形・美観・工程・経済性等について十分検討すること。

8.仮設工事内容の全体把握

(1) 各仮設工事のうち、土留・支保工や足場工など個々の工事目的物の施工に直接的に使用されるもの(以下「直接仮設工事」という。)と工事用電力設備や給排水設備、安全設備など各工事目的物の施工に共通して使用するもの(以下「共通仮設工事」という。)を区分して、全体の仮設工事計画を立てること。

(2) 直接仮設工事と共通仮設工事については、相互に関係するところを十分把握して、工事の安全性を重視した計画・施工とすること。

(3) 仮設工事については、請負者の裁量で施工する「任意仮設」と、発注者が公衆の安全対策等で特に必要と判断し設計図書に要件を明示した「指定仮設」があり、設計図書に基づきこれらの区分を把握し、関係法令を遵守した全体の仮設工事計画を立てること。

9.仮設工事計画作成上の注意事項

(1) 仮設工事の計画に当たり、各仮設物の目的や構造、特徴を十分把握すること。

(2) 仮設工事では、その仮設物の形式や配置計画が重要なので、安全で、かつ、能率のよい施工ができるよう各仮設物の形式・配置及び存置期間等を施工計画書に記載すること。

(3) 仮設に使用する諸資材の規格(寸法・材質・強度)は、工事の安全性を重視したものであること。

(4) 仮設資材を使用する場合は、著しい損傷、変形及び腐食がないものを使用すること。

第2節 土留・支保工

1. 一般事項

(1) 土留工掘削の進行に伴って複雑な挙動を示すことから、掘削箇所並びにその周辺の状況を考慮して、掘削深さ・土質・地下水位・作用する土圧等を十分に検討し、必要に応じて計測機器の設置を含め土留・支保工の安全管理計画を立て、これを実施すること。

(2) 作業員に危険を及ぼすおそれのあるときは、あらかじめ土留・支保工に防護網を張り、作業員の立ち入りを禁止するなど危険を防止する措置を講じること。

(3) 切土面にその箇所の土質に見合った勾配を保って掘削できる場合を除き、掘削する深さ1.5mを超える場合には、原則として土留工を施すこと。

また、掘削深さが4mを超える場合や周辺地域へ大きな影響が予想される場合等、重要な仮設工事にあっては、確実な土留工を施工すること。なお、土留材料の最小規格や根入れ長等が公衆災害防止対策要綱に記載されているので、これを遵守すること。

(4) 土留・支保工は、設置場所の地山形状、地質、地層、亀裂、含水、湧水、凍結及び埋設物等の状況に応じた堅固なものとし、変形や位置ずれにより安全性が損なわれないよう十分注意すること。

(5) 土留・矢板は、根入れ・応力・変位に対して安全であるほか、土質に応じてボイリング・ヒービングの検討を行い、安全であることを確認すること。

なお、土留工の検討に当たり、施工期間中における降雨等による条件の悪化を考慮して行うものとし、構造はその計算結果を満足すること。

(6) 矢板等連続性の土留壁が埋設物等のため欠損部を生じた場合は、その土留壁と同等以上の安全性を有する補強を行い欠損部が弱点とならないようにすること。

(7) 「土止め先行工法に関するガイドラインの策定について

(平成15 年12 月17 日 基発第1217001 号)」を遵守し安全の促進を図ること。

(8) 土止め支保工の作業は、土止め支保工作業主任者技能講習を修了した者のうちから土止め支保工作業主任者を選定し、作業に当たること。

(9) 土止め支保工作業主任者は、次の事項を行うこと。

@ 作業の方法を決定し、作業を直接指揮すること。

A 土留・支保工の材料及び組立てに使用する器具又は工具は、作業開始前に点検し、不良品は使用しないこと。

B 安全帯及び保護帽の使用状態を監視すること。

2.施工時の安全管理

(1) 土留・支保工の施工に当たり、土止め支保工作業主任者の指揮のもと、土留・支保工の設計条件を十分理解した者が施工に当たること。

(2) 土留・支保工は、施工計画に沿って所定の部材の取り付けが完了しないうちは、次の段階の掘削を行わないこと。

図5−2 ヒービング現象 図5−3 ボイリング現象

(3) 道路において、杭・鋼矢板等を打ち込むため、これに先行して布掘り又はつぼ掘りを行う場合、その作業範囲又は深さは、杭・鋼矢板等の打ち込む作業の範囲にとどめ、打設後は速やかに埋戻し、念入りに締固めて従前の機能を維持し得るよう表面を仕上げておくこと。

(4) 土留板は、掘削後速やかに掘削面との間に隙間のないようにはめ込むこと。隙間ができたときは、裏込め・くさび等で隙間のないように固定すること。

(5) 土留工を施してある間は、点検員を配置して常時点検を行い、土留用部材の変形・緊結部のゆるみ・地下水位や周辺地盤の変化等の異常が発見された場合は、直ちに作業員全員を必ず退避させるとともに、事故防止対策に万全を期した後でなければ、次の段階の施工は行わないこと。

(6) 新たな施工段階に進む前には、必要部材が定められた位置に安全に取り付けられていることを確認した後に作業を開始すること。

(7) 必要に応じて測定計器を使用し、土留工に作用する土圧・変位を測定すること。

(8) 定期的に地下水位・地盤の変化を観測・記録し、地盤の隆起・沈下等の異常が発生したときは、埋設物管理者等に連絡して保全の措置を講じるとともに、ほかの関係者に報告すること。

3.土留・支保工の組立て

土留・支保工の組立ては、あらかじめ組立図を作成し計画された順序に基づいて行うこと。

なお、計画された組立図と異なる施工を行う場合は、変更する理由を整理し、構造検討書等により安全性を確認した後に上記の手順により組み立てること。

図5−4 土留・支保工の安全作業の流れ

4.材料

土留・支保工の材料は、著しい損傷・変形又は腐食があるものは使用せず、良質なものを使用し事前に十分点検確認を行うこと。

5.部材の取付け

(1) 切ばり・腹起しは脱落しないように矢板・杭等に確実に取付けること。

(2) 圧縮材(火打ちを除く)の継手は突合せ継手とし、部材全体が一つの直線となるようにすること。木材を圧縮材として用いる場合は、2 個以上の添え物を用いてまっすぐに継ぐこと。

(3) 切ばりの接続部及び切ばりと切ばりの交叉部は当て板を当て、ボルトにより堅固に緊結すること。

(4) 中間支持柱のあるものは、切ばりを中間支持柱に確実に取り付けること。

図5−5 土留・支保工の構造例

(5) 切ばりを建築物の柱等部材以外のものにより支持する場合にあっては、当該支持物はこれにかかる荷重に耐えうるものとすること。

6.切ばり等の作業

(1) 切ばり・腹起しの取り付け又は取り外し時は、関係労働者以外の労働者が立ち入ることを禁止すること。

(2) 切ばり・腹起しの材料・器具又は工具の上げ下ろし時は、吊り網・吊り袋等を使用すること。

7.点検

(1) 土留・支保工組立後は、指名された点検者が7 日を超えない期間毎、中震(震度4)以上の地震の後及び大雨等により地山が軟弱化するおそれのあるときは、次の事項について点検し、異常を認めたときは直ちに補強し、又は補修すること。

@ 矢板・背板・腹起し・切ばり等の部材のきしみ・ふくらみ及び損傷の有無

図5−6 土留・支保工の部材の取付け例

A 切ばりの緊圧の度合

B 部材相互の接続部及び継手部のゆるみの状態

C 矢板・背板等の背面の空隙状態

(2) 作業中は、指名された点検者が常時点検を行い、異常を認めたときは直ちに作業員全員を避難させ、責任者に連絡し必要な措置を講じること。

8.観測

必要に応じて安全のための管理基準を定め、変位などを観測し記録すること。

9.土砂及び器材等の置き方

土留め支保工の肩の部分に掘り出した土砂又は器材等を置かないこと。

10.グラウンドアンカー工における留意事項

施工に当たり、あらかじめ設計された土留工前面の掘削深さと土留工の天端高さ、根入れ深さ及びグラウンドアンカー工の位置並びに土質構成等に関する設計条件を把握し、施工中はこれらの設計条件と合致していることを確認しつつ行うこと。

図5−7 土圧の増大防止

第3節 仮締切工

1.一般事項

(1) 仮締切工の施工にあたっては、本章第2節土留・支保工で該当するものは、これによること。

(2) 軟弱地盤における仮締切りの設計・施工には、ヒービング等を生じさせないよう格段の注意を払うこと。

(3) 仮締切りの計画において、様々な外的条件を受け、その条件が施工途中で変化することがあるので、掘削深度と支保工の位置、支保工の段数並びに補強部材の設置、ボルト等の連結は施工計画に基づいて実施すること。

また、必要に応じて計測機器の設置を含め仮締切りの安全管理計画を立て、これを実施すること。

(4) 締切りを行って作業する場合には、急激な水位の上昇・洗掘・ヒービング・ボイリング等により締切りが破壊しないよう十分検討を行い、やむを得ない場合は、締切内に水を入れて内外水位差による倒壊を防ぐなどの対策を講じ、かつ、常に点検を怠らないこと。

(5) 偏土圧等が作用する仮締切りにおいては、仮締切り全体の安定性について十分検討すること。

(6) 切ばりにより締切りを保持する場合は、波浪により切ばり・腹起し等の取付部がゆるまないよう堅固な構造とし、常に点検を怠らないこと。

(7) 工事施工中、仮締切り本体又は周辺地盤等に変状が発生した場合は、作業員を避難させ、安全を確認したうえで、補強等の安全対策を講じた後でなければ、仮締切内の作業を行わないこと。

(8) 工事施工中、万一異常な自然現象が発生した場合を想定し、関係者において安全を確保するための避難方法を定めておくこと。

(9) 施工中に河川等に転落するおそれがある場合は、各種救命用具(救命浮器・救命胴衣・救命浮環・ロープ等)を備え、作業場の付近に救命ボート等を配置すること。

2.河川における仮締切り

(1) 河川工事における仮締切りの築造に当たり降雨、融雪、上流ダムの放流などにより急激に増水する場合があるため、外力の変動を十分に考慮するとともに、関係機関と緊密な連絡を保ち、気象情報について常に把握すること。

(2) 仮締切りの築造に当たり流水に対して安全なものとすること。

(3) 流心の移動や洗掘による水深の変化を考慮すること。

(4) 洪水による水位・流速・流量・衝突物対策を講じること。

(5) 水位の堰上げの影響を検討し、その対策を講じること。

(6) 玉石やその他障害物対策を講じること。

3.河口付近及び海岸地帯における仮締切り

(1) 潮位・高波に対する対策を講じること。

(2) 波浪・潮流の影響を考慮すること。

(3) 船舶等の衝突に対する対策を講じること。

4.材料

(1) 締切用鋼材は、著しい損傷・変形又は腐食があるものは使用せず、良質なものを使用し事前に十分点検確認を行うこと。

(2) 鋼矢板は、一枚物を原則とするが、やむを得ず継手を設ける場合には、突合せ溶接と添接板溶接を併用し、応力の大きいところを避け、継手が同一の高さに揃わないようにすること。

(3) 鋼矢板は長尺となることから、運搬時に車制令の通行できる長さを超える場合があり、その場合は道路管理者や警察の許可を受けること。

また、現場までの搬入路について交差点や曲がり角の形状や幅員等を事前に調査し、運行に支障が出ないようにすること。

第4節 足場等

1.材料

(1) 足場の材料は、著しい損傷・変形又は腐食のあるものは使用しないこと。

(2) 足場に使用する木材は、強度上の著しい欠点となる割れ・虫食い・節・繊維の傾斜などがなく、木皮を取り除いたものを使用すること。

(3) 足場の構造は、作業床の載荷重に基づく強度計算により安全性を確認し、丈夫な構造のものを使用すること。

2.組立設置作業

(1) 組立・解体などの時期・範囲及び順序を作業員に周知させること。

(2) 作業を行う区域内には、関係者以外の立ち入りを禁止すること。

(3) 強風・大雨・大雪等の悪天候のため、危険が予想される場合には、組立てなどの作業を中止すること。

(4) 足場材の緊結・取り外し・受渡しなどの作業は、幅20cm以上の足場板を設け作業員には安全帯を使用させること。

(5) 材料・器具・工具等の上げ・下げには、作業員に吊り網・吊り袋等を使用させること。

(6) 架空電路に接近して設けるときは、電路の移設又は電路に絶縁用防護具を装着すること。

(7) 足場の設置に当たり、「手すり先行工法に関するガイドライン(平成21 年4月24 日基発第0424002 号)」を遵守し、足場の全段に二段手すり及び幅木を設置し、足場からの転落及び墜落事故防止に努めること。

3.点検

(1) 足場の組立てなどの作業主任者は、作業を直接指揮するとともに、次の事項を行うこと。

@ 材料及び器具・工具等を点検し、不良品を取り除く。

A 作業員を適正に配置し、作業方法を指示する。

B 安全帯等の使用状況・作業の進行状況を監視する。

図5−9 作業主任者の指名

図5−11 材料・工具等の点検

図5−10 組立設置作業時の注意点

(2) 悪天候若しくは中震(震度4)以上の地震、又は足場の組立て一部解体若しくは変更の後において、作業を開始する前に次の事項について点検し異常を認めたときは直ちに補修すること。

@ 床材の損傷・取り付け及び掛渡しの状態。

A 建地・布・腕木等の緊結部・接合部及び取付部のゆるみの状態。

B 緊結材及び緊結金具の損傷及び腐食の状態。

C 以下の設備の取り外し及び脱落の有無。

a.交さ筋かい及びさん若しくは高さ15cm 以上の幅木又はこれらと同等以上の機能を有する設備

注)同等以上の機能を有する設備は以下のとおり

・高さ15cm 以上の防音パネル(パネル状)

・高さ15cm 以上のネットフレーム(金網状)

・高さ15cm 以上の金網

b.手すりわく

c.高さ85cm 以上の手すり又はこれと同等以上の機能

を有する設備(手すり等)及び中さん等

注)同等以上の機能を有する設備は以下のとおり

・高さ85cm 以上の防音パネル(パネル状)

・高さ85cm 以上のネットフレーム(金網状)

・高さ85cm 以上の金網

D 幅木等の取付状態及び取りはずしの有無

E 脚部の沈下及び滑動の状態。

F 筋かい・控え・壁つなぎ等の補強材の取付状態及び取り外しの有無。

G 建地・布及び腕木の損傷の有無。

H 突りょうの吊り索との取付部の状態及び吊り装置の歯止めの機能。

(3) 点検結果及び点検結果に基づき補修等を行った場合はその内容も記録し、足場を使用する作業を行う仕事が終了するまでの間、これを保存しなければならない。

4.丸太足場

丸太足場については、次に定めるところにより使用すること。

(1) 建地の間隔は2.5m以下とし、地上第一の布は3m以下の位置に設けること。

(2) 建地の脚部は、滑動や沈下を防止するため根元を埋込み、根がらみを設け、皿板を使用するなどの措置を講じること。

(3) 重ね合せ継手の場合は、長さ1m以上を重ねて2箇所以上で縛ること。

(4) 突合せ継手の場合は、2本組の建地とし、又は長さ1.8m以上の添木を用いて4箇所以上で縛ること。

(5) 建地・布・腕木等の接続部や交差部は、鉄線その他の丈夫な材料で堅固に縛ること。

締め付けた鉄線は、よりが戻らないようにし、その端を内側に曲げ込んでおくこと。

(6) 筋かいで補強すること。

(7) 足場には、垂直方向5.5m以下、水平方向7.5m以下の間隔で壁つなぎ又は堅固な控えを設けること。

なお、引張材と圧縮材で構成されている場合は、引張材と圧縮材との間隔は1.0m以内とする。

5.鋼管足場

(1) 鋼管足場については、次に定めるところにより使用すること。

@ 足場の脚部には、ベース金具を使用し、敷板・敷角などを用い、根がらみ等を設けること。

A 足場の鋼管や付属金具は、安衛則第560 条に定められたものを使用し、確実に組立てること。また、締付金具のボルトは、確実に締めておくこと。

B 足場は筋かいで補強すること。

(2) 鋼管規格に適合する鋼管を用いて構成される鋼管足場については、次に定めるところにより使用すること。(@〜B単管足場、C〜E枠組足場)

@ 鋼管足場の建地の間隔は、桁方向1.85m以下、梁間方向で1.5m以下とし、建地及び布の継手箇所は一線に揃えないこと。

また、地上第一の布の高さは、2.0m以下とすること。

A 鋼管足場の建地の最高部から測って31mを超える部分の建地は、鋼管を2本組とすること。

B 鋼管足場の建地間の積載荷重は400kg を限度とすること。

C 鋼管足場の最上層及び5層以内毎に水平材を設けること。

D 梁枠及び持送り枠は、水平筋かいその他によって横振れを防止する措置を講じること。

E 高さ20mを超えるとき及び重量物の積載を伴う作業を行うときは、使用する主枠は高さ2m以下のものとし、かつ、主枠間の間隔は1.85m以下とすること。

図5−17 鋼管足場の構成
手摺の高さは85 p以上とし、中さんを取り付けること

6.標識類の標示

(1) 構造及び材料に応じて、作業床の最大積載荷重を定め、かつ、これを足場の見やすい場所に標示すること。

(2) 特別高圧活線に接近して作業を行う場合には、当該充電電路に対する離隔距離を保つため、接近限界距離の標識を作業員の見やすい位置に設置すること。

7.吊り足場

(1) 吊り足場については、次に定めるところに適合したものを使用すること。

@ 吊り足場の鋼索・吊り鋼線・吊り鎖・吊り繊維索は、損傷のないもの。

A 吊り鋼索は、1よりの間で素線の数の10 %以上が切断していないもの、直径の減少が公称径の7%を超えないもの及びキンクしていないもの。

B 吊り鎖は、伸びが製造時の5%以下のものやリンクの断面の直径が10 %以上すり減っていないもの・亀裂のないもの。

C 吊り材の端部は、堅固に固定された場所に確実に取り付けること。

(2) 足場の組立・解体・変更等は、作業主任者を選任し、本章第4節2.組立設置作業に準じて作業を行うこと。

(3) 墜落時の危険防止措置がない場合、作業床は40cm 以上とし、かつ、隙間がないようにすること。

(4) 床材は転位し、また、脱落しないように足場桁・スターラップ等に取り付けること。

(5) 足場桁・スターラップ・作業床等に控えを設けるなど、動揺又は転位を防止すること。

(6) 吊り足場の上では、はしご・脚立等を用いる作業は行わないこと。

(7) 吊り足場は、毎日作業を開始する前に点検し、不良な箇所は修理してから使用すること。

(8) ゴンドラに該当する吊り足場は次によること。

なお、ゴンドラを設置するときは、製造検査又は使用検査に合格したもので、かつ、所轄労働基準監督署長に設置届を提出すること。

@ ゴンドラに関する安全のための特別の教育を受けた者以外は、ゴンドラの操作を行わせないこと。

A ゴンドラにその許容積載荷重を超える荷重をかけて使用しないこと。

B ゴンドラの作業床の上では、脚立・はしご等を使用する作業は行わないこと。

C ゴンドラの操作を行う者は、ゴンドラが使用されている間は操作位置から離れないこと。

D ゴンドラを使用して作業を行うときは、ゴンドラの操作についての一定の合図を定めておくこと。また、合図を行う者を指名してその者に合図を行わせること。

なお、ゴンドラを操作する者に単独で作業を行わせるときは、この限りではない。

E ゴンドラの作業床での作業を行うときは、作業員に安全帯そのほかの命綱を使用させること。

F ゴンドラを使用して作業を行っている箇所の下方には、関係作業員以外の者がみだりに立ち入ることを禁止し、かつ、その旨を見やすい箇所に標示すること。

G 悪天候などで危険が予想されるときには、ゴンドラを使用する作業は行わないこと。

H ゴンドラを使用して作業を行う場所については、必要な照明を設けること。

I ゴンドラを使用している間は、1箇月以内に1回は定期点検を行うこと。

J ゴンドラを使用して作業を行うときは、その日の作業を開始する前に点検すること。

8.就業の制限

高所作業車を用いた作業を行う場合、装置の運転は有資格者によるものとし、責任者から指示された者以外は運転しないこと。

第5節 通路・昇降設備・桟橋等

1.安全通路の設定

(1) 作業場に通じる場所及び作業場内には、作業員が使用するための安全な通路を設け、かつ、これを常時保持すること。

(2) 高さ又は深さが1.5mを超える箇所には、安全な昇降設備を設けること。

2.非常口・避難通路

(1) 危険物、爆発性・発火性のものを取り扱う作業場及び当該作業場を有する建築物の避難階(直接地上に通じる出入口のある階をいう)には、二つ以上の出入口を設けること。

なお、出入口の戸は、引戸又は外開き戸とすること。

(2) 直接階段又は傾斜路のうちの一つは、屋外に設けること。

なお、すべり台・避難用はしご・タラップ等の避難用器具が設けられているときは、この限りではない。

(3) 危険な作業場には、非常時の場合のための自動警報設備、非常ベル等の警報用の設備又は携帯用拡声器、手動式サイレン等の警報用器具を備えること。

3.危険場所への立入禁止

特別高圧活線に近接して作業を行う場合には、当該充電電路に対する離隔距離を保つため、接近限界距離の標識を作業員の見やすい位置に設置すること。

4.点検

本章第4節3.点検に準じること。

5.桟橋・登り桟橋の組立・解体・撤去

(1) 足場材の緊結・取り外し・受渡し等の作業には、幅20cm以上の足場板を設け、作業員に安全帯を使用させること。

(2) 材料・器具・工具等を上げ下ろしするときは、吊り網・吊り袋等を使用すること。

(3) 最大積載荷重を定め、作業員に周知すること。

(4) 解体・撤去の範囲及び順序を当該作業員に周知すること。

6.架設通路

(1) 架設通路については、次に定めるところにより使用すること。

@ 荷重に応じた丈夫な構造とし、架設は組立図に従って行うこと。

A 墜落のおそれのある箇所には、高さ85cm 以上の手すり及び中さん等(高さ35cm 以上50cm 以下のさん又はこれと同等以上の機能を有する設備)を設けること。

ただし、丈夫な構造の設備であって、たわみが生じるおそれがなく、かつ、著しい損傷、変形又は腐食がないものに限る。

なお、やむを得ない場合は、必要な部分に限って臨時にこれを取り外すことができる。

注)同等以上の機能を有する設備は以下のとおり

・高さ35cm 以上の幅木

・高さ35cm 以上の防音パネル(パネル状)

・高さ35cm 以上のネットフレーム(金網状)

・高さ35cm 以上の金網

B 登桟橋の勾配は30°以内、ただし、階段を設けたもの又は高さが2m未満で丈夫な手掛を設けたものはこの限りではない。

また、15°を超えるものは踏さんその他滑り止めを設けること。

C たて坑内の架設通路でその長さが15m以上であるものは、10m以内毎に踊場を設けること。

D 高さ8m以上の登桟橋には、7m以内毎に踊場(長さ1.8m程度)を設けること。

(2) 脚部の滑動や沈下を防止するため、敷板を敷き、根がらみを設けること。

(3) 振動が加わる部材のボルト止めの部分は、スプリングワッシャー等を使用し、絶えず点検・締め付けを行うこと。

(4) 人車共用の場合には人道を設け、手すり・幅木を設けること。

7.はしご・脚立等

(1) 移動はしごについては、次に定めるところにより使用すること。

@ 幅は30cm 以上とすること。

A すべり止め装置を取り付け、その他転位を防止するため必要な措置を講じること。

(2) はしごの最上部は床から60cm 以上突出させること。

(3) 脚立については、次に定めるところにより使用すること。

@ 脚と水平面との角度を75°以下とし、かつ、折りたたみ式のものにあっては、脚と水平面との角度を確実に保つための金具等を備えること。

A 踏み面は作業を安全に行うため必要な面積を有すること。

(4) はしご・脚立上の作業は、無理な姿勢で行わないこと。

第6節 作業床・作業構台

1.作業床

(1) 高さ2m以上の箇所での作業及びスレート・床板等の屋根の上での作業においては、作業床を設置すること。

(2) 作業床は、次に定めるところにより設けること。

@ 床材は、安衛則第563 条に定める十分な強度を有するものを使用すること。

また、幅は40cm 以上とし、床材間の隙間は3cm 以下とすること。

なお、吊り足場を除く。

A 作業員が墜落するおそれのある箇所には、枠組足場(妻面に係る部分を除く)にあってはa又はb、枠組足場以外の足場にあってはcに掲げる設備(丈夫な構造の設備であって、たわみが生じるおそれがなく、かつ、著しい損傷、変形又は腐食がないものに限る)を設けること。

ただし、作業の性質上これらの設備を設けることが著しく困難な場合又は作業の必要上臨時にこれらの設備を取り外す場合において、防網を張り、労働者に安全帯を使用させる等墜落による労働者の危険を防止するための措置を講じたときは、この限りでない。

a.交さ筋かい及び高さ15cm 以上40cm 以下のさん若しくは高さ15cm 以上の幅木又はこれらと同等以上の機能を有する設備

注)同等以上の機能を有する設備は以下のとおり

・高さ15cm 以上の防音パネル(パネル状)

・高さ15cm 以上のネットフレーム(金網状)

・高さ15cm 以上の金網

b.手すりわく

c.高さ85cm 以上の手すり又はこれと同等以上の機能を有する設備及び中さん等

注)同等以上の機能を有する設備は以下のとおり

・高さ85cm 以上の防音パネル(パネル状)

・高さ85cm 以上のネットフレーム(金網状)

・高さ85cm 以上の金網

B 床材は、転位や脱落しないよう支持物に2箇所以上取り付けること。なお、吊り足場を除く。

C 足場板を長手方向に重ねるときは、支点上で重ね、その重ねた部分の長さは20cm 以上とすること。

D 床材を作業に応じて移動させる場合は、3箇所以上の支持物に掛け、支点からの突出部の長さは10cm 以上とし、かつ、足場板長の18 分の1以下とすること。

(3) 最大積載荷重を定め、作業員に周知すること。

2.手すり

(1) 墜落による危険のある箇所には、手すりを設け、材料は損傷・腐食などがないものとすること。

(2) 高さ85cm 以上の手すり又はこれと同等以上の機能を有する設備及び中さん等を設けること。

注)同等以上の機能を有する設備は以下のとおり

・高さ85cm 以上の防音パネル(パネル状)

・高さ85cm 以上のネットフレーム(金網状)

・高さ85cm 以上の金網

3.柵・仮囲い

(1) 第三者立入禁止の場所、当該現場の周囲、危険箇所及び土砂・油・粉じん等の飛散防止箇所には、柵・仮囲いを設置すること。

また、必要に応じて移動柵を設置すること。

(2) 使用材料は、損傷・腐食などのないものとすること。

(3) 固定柵高は1.2m以上とし、支柱は簡単に移動したり、破損したりしないものとすること。

(4) 移動柵高は0.8m〜1.0m以下、長さ1.0m〜1.5m以下とすること。

(5) 仮囲い高さは1.8m以上で、支柱・水平材・控材を取り付けること。

(6) 突出・端部を防護するとともに、金網等透視できるものとすること。

4.幅木・地覆・車止め

(1) 幅木・地覆・車止めを手すり・柵・仮囲い設置箇所に設置すること。

(2) 幅木の高さは10cm 程度(手すり先行工法による足場では10 p以上)とし、地覆・車止めは十分な強度を有するものとし、取り付け・固定は確実にすること。

5.作業構台の組立

(1) 作業構台の材料は、著しい損傷・変形又は腐食のないものを使用すること。

(2) 作業構台に使用する木材は、強度上の著しい欠点となる割れ、虫食い、節、繊維の傾斜等のないものを使用すること。

(3) 作業構台に使用する鋼材は、安衛則575 の2に定める日本工業規格に適合するもの又はこれと同等以上の引張強さ及びこれに応じた伸びを有するものを使用すること。

(4) 支柱の滑動・沈下を防止するため、地盤に応じた根入れを行うとともに、支柱脚部に根がらみを設け、敷板・敷角等を使用すること。

(5) 支柱・梁・筋かい等の緊結部・接続部又は取付部は、変位・脱落などが生じないように緊結金具等で堅固に固定すること。

(6) 道路等との取付部においては、段差がないように擦り付け、緩やかな勾配とすること。

(7) 組立・解体時には、次の事項を作業に従事する作業員に周知すること。

@ 材料・器具・工具等を上げ下ろしするときの吊り網・吊り袋の使用

A 仮吊・仮受・仮締・仮つなぎ・控え・補強・筋かい・トラワイヤ等による倒壊防止

B 適正な運搬・仮置

(8) 作業床の最大積載荷重を定め、作業員に周知すること。

6.点検

本章第4節3.点検に準じること。

第7節 仮設定置機械設備

1.機械設備

仮設定置機械設備については、第4章第8節据付型・据置型機械装置によるものとする。

第8節 仮設電気設備

1.一般保守

架空電線又は電気機器の充電電路に近接する場所で、工作物の建設などの作業を行う場合には、次の措置を講じること。

(1) 作業の前に通電を停止したうえで、絶縁用防具の装着を確認し、検電すること。

(2) 定期的に絶縁抵抗・接地抵抗を測定し、安全を確認すること。

2.設置・移設・撤去

建設用電気設備は、電気設備技術基準及び高圧受電設備の施設指導要領等による。

なお、保守・点検等については自家用電気工作物保安規程に準じて行うこと。

(1) 工事は受電及び配電設備の計画に従い、必ず電気に関する有資格者の監督の下に、知識・経験を有する電気工が行うこと。

(2) 電気機器及び配電材料等は、必ず規格品を使用すること。

(3) 電線と仮設物・通行車両等との間隔は適正に保つよう配線工事を行うこと。

(4) 電気機械器具の囲い等については、次の点に注意すること。

@ 受電所には必ず柵・囲い等を施すとともに、危険標示をして感電防止の措置を行い、出入口は施錠すること。

A 高圧配線路及び高圧機器等接触の危険がある所は、柵・囲い等を施すとともに危険標示をして感電防止の措置を行うこと。

B 電気機器の手元開閉器は、カバー付きを使用し、金属製などの箱に収め、操作しやすい位置に付けること。

なお、取り付け位置は、湿気がない所であること。

(5) 工事場所の照明は、作業に支障ないような平均した明るさであること。

(6) 変圧器・電動機等のフレームは、漏電の際の危険を防止するため、必ず規定のアースを確実に行うこと。

(7) 配電盤・分電盤等の分岐回路用ヒューズ及びしゃ断器は、負荷容量に適合したものとすること。

なお、金属製外箱を有する低圧機器の電路には、漏電しゃ断装置を設けること。

(8) 配線は、工事場内に支障とならないようあらかじめ遠回りにして行うこと。

(9) 配線が鉄筋・丸太等に接触するおそれのある場合は、縁防護管で防護するか、ケーブル工事によること。

(10) 移動用電気機器の電源用電線は、キャブタイヤケーブルを使用すること。

(11) ケーブル類を作業床等に露出して配線する場合は、損傷しないようパイプ等で保護すること。

(12) 配電盤・分電盤等露出して設置する場合は、防水防湿型として、動力・電灯用の判別ができるよう示すこと。

なお、金属製箱には、規定のアースを取り付けること。

(13) アース極には、鋼等の導電性の高いものを使用すること。

(14) 電灯は、動力配線から原則として分岐配線しないこと。

(15) 電気設備工事が終了したときは、跡片付けを行い、責任者の検査を受けてから設備を使用すること。

(16) 通電を禁止したうえで絶縁用防具の装置の確認及び検電を行い、仮吊・仮受・仮締め・仮控え等の措置をとること。

3.電気設備の使用

(1) 責任者は、100 ボルトの一般電灯線でも感電死亡することがあることを常に作業員に心得させておくこと。

(2) 感電設備を取り扱う者は、電気設備の配電系・運転状態・機器等の特性などを熟知して、非常の場合に際しても迅速・適切かつ安全にその責務を行うこと。

(3) 電気係員は、常に電気設備の保安点検を励行すること。

なお、洪水時・暴風時等災害後の巡回点検は、責任者の指示により必ず2人以上で行うこと。

(4) 次の場合は、絶対に電気機器を使用しないこと。

@ 濡れ手・素足・水たまりに入ったままのとき。

A 電線・スイッチ及び電気機器が濡れているとき。

(5) 移動して使用するビニール電線等は、直接、釘や鉄筋・丸太足場等に掛けないこと。

(6) 電気設備の異常を発見したときは、直ちに電気係員に連絡して修理を依頼すること。

(7) 電気機器、特に移動して使用するポンプ・コンベヤ・グラインダ・ドリル及びアーク溶接機等は、感電防止漏電しゃ断装置が取り付けられているかどうかを確認してから操作すること。

(8) ヒューズを鉄線・銅線等で代用するようなことは、絶対にしないこと。また、ヒューズの取りかえ等は、電気取扱者を指名し、指名された者が行うこと。

(9) 電線に触れると思われる所で作業するときは、事前に電気係員に連絡し、作業に支障のない措置をしてから行うこと。

(10) 電気機器の使用は、その目的をよく理解してから行い、使用目的以外には使用をしないこと。

(11) 電気機器を使用する者は、身軽で端正な服装であること。

(12) 電気機器を使用する者は、疲労している者・前夜に夜勤した者等には行わせないこと。

(13) 電気機械器具・配電設備等を移動する場合には、電気係員が必ず主電源スイッチを切ってから行うこと。

(14) 停電作業を行う場合の措置については、次の点に注意すること。

@ 電気をしゃ断して修繕・点検・移動等の作業を行う場合は、スイッチに作業中通電禁止の表示をするか、錠を掛けるなどの措置を講じること。

A 電気設備の補修工事を行う者は、高圧・低圧にかかわらず検電して電気が通電していないことを確かめてから、作業に着手すること。

(15) 活線作業又は露出充電部に接近して作業を行うときは、感電防止の絶縁保護具・防具及び工具を必ず使用し、責任者の立ち会いの下に行うこと。

(16) 変電所・受電所内には電気係員以外は立ち入れないこと。

(17) 電線の接地・分岐等の所で絶縁が完全であるか、常に確認すること。

(18) 絶縁及び接地が安全かどうか判断するためには、一定期間に絶縁抵抗値を測定し、アースが確実に取り付けられているかどうかを確認すること。

(19) 感電者を救出するときは、直ちにスイッチを切ること。

(20) 救助は、直ちに人工呼吸しながら医者に運ぶか、あるいは医者に来てもらうこと。

(21) 配電盤・分電盤・手元スイッチ等には、箱に危険を表わす色を塗るとともに、取扱責任者を示しておくこと。

(22) 電気の試験器具及び保護具は、所定の場所に保管し、定期的に試験を行い常に良好な状態に保つこと。

第9節 溶接作業

1.アセチレン溶接作業

(1) アセチレン溶接などの作業は、ガス溶接作業主任者免許の所持者又はガス溶接技能講習修了者に行わせること。

(2) ガス溶接作業主任者は、検定合格証及び免許証を携帯すること。

(3) アセチレン溶解を用いて金属の溶接・溶断又は加熱の作業を行う場合については、次に定めるところによること。

@ 発生器から5m以内又は発生器室から3m以内の場所では、喫煙・火気の使用をしないこと。また、その旨を標示すること。

A 導管には、酸素用とアセチレン用に区別を設けること。

B 溶接等の作業を行う場所の近くには、適当な消火設備又は消化器を備えて置くこと。

C 溶接装置は、日光の直射を長く受ける場合、必ず覆いをすること。

D 電動ファン付き呼吸用保護具(同等以上の性能を有する送気マスク)を使用すること。

(4) ガス等の容器について、次に定めるところにより使用すること。

@ ボンベの取り扱いは丁寧に扱うものとし、投げ出したり・衝撃を与えることは厳禁とすること。

A 容器の温度は40℃以下に保つこと。

B ボンベは、足場上など転落のおそれのある場所では転がさないこと。

C 溶解アセチレン容器は、立てて置くこと。

D ボンベは、使用時以外は必ずキャップを被せて置くこと。

(5) ボンベを吊り上げるときには、マニラロープ又はモッコ類を用い、一本吊りはしないこと。

(6) ガス溶接作業主任者は、次の事項を行うこと。

@ 作業の方法を決定し、作業を指揮すること。

A ガスの洩れの点検は、石けん水等を使い火気は使わないこと。

B カーバイトの詰替は、安全な場所で行い発生器内の混合ガスを確実に排除し、缶を開けるときはたたいて火花を発したり、焼き切ったりしないこと。

C 作業中は、必ず安全器を見やすい場所に置くこと。1日1回以上水位を点検し調整すること。

D 凍結のおそれがあるときは、雨漏れや湿気の多い所に置かないこと。

充填ガスの名称 塗 色

酸素 黒 色

アセチレン 褐 色

水素 赤 色

炭酸ガス 緑 色

アンモニア 白 色

塩素 黄 色

液化石油ガスその他のガス 鼠 色

口金や減圧弁が凍ったときは、温湯を使用して融解し、直接火気を使用しないこと。

E 作業中は、電動ファン付き呼吸用保護具(同等以上の性能を有する送気マスク)保護眼鏡・保護手袋・エプロン等を使うこと。

F 圧力計・口金は、随時検査を受け完全なものを使うこと。

G 減圧弁の開閉は静かに行うこと。

H 引火性又は爆発性の材料を入れたことのある容器を、溶接又は溶断するときは、容器を洗浄してから作業すること。

I 作業をするときは、あらかじめ吹管・ホース・減圧弁を点検すること。

J 換気状態の悪い狭い室内等で作業を行う場合には、特にガス漏れに注意すること。

K 溶接作業員以外の作業員には、肉眼で溶接中の火口を見ないよう指導すること。

L 引火物を取り除いた後に、作業をすること。

M 転倒のおそれのないよう保持すること。

N 容器に充空の表示を行い、区別を明らかにすること。

O 容器は、電気装置のアース線等の付近に置かないこと。

P ゴムホースを損傷させないように取り扱うこと。

2.電気溶接作業

(1) 屋内等において電気溶接作業を行う場合は、換気装置による換気の実施又はこれと同等の措置を講じ、作業者には有効な呼吸保護具を着用させること。

(2) 電気溶接の作業をするときは、溶接機のフレームに確実にアースを取り付けること。また、使用前に必ず確認すること。

(3) 配線の被覆が損傷していないかを調べ、破損していたら修理してから作業を行うこと。

(4) 遮光面・保護手袋・エプロン等の保護具を使うこと。溶接作業員以外の作業員には、肉眼でアークを見ないよう指導すること。

(5) ホルダーは、使用前に十分点検を行い、作業中止の際は必ず所定のサックに納めること。

(6) 交流アーク溶接機には、自動電撃防止装置を使うこと。

(7) 湿気を帯びた手袋・たび等を着用して作業をしないこと。

雨天あるいは降雨後の作業では特に注意すること。

第10 節 その他の事項

1.積雪・なだれ対策

(1) 調査・計画は、次のことについて行うこと。

@ 積雪の多い地域で越冬する場合は、過去の積雪やなだれの状況について詳しく調査すること。

A 宿舎・作業場・ずい道の坑口等は、調査の結果に基づき、なだれの可能性のない場所を選ぶこと。

(2) 非積雪期に次の事項について対策を立てること。

@ なだれによる災害の防止あるいは発生を防ぐため、次のうちから土地の状況に適した方法を選び、積雪前に安全を確保しておくこと。

a.被害を直接防護する工法……擁壁工・石垣工・柵工等

b.方向を変更させる工法……誘導工・雪割工・人工トンネル

c.発生を阻止する工法……杭工・柵工・階段工

d.なだれ地の積雪を分散せしめる工法……雪庇防止工

建宿規則6

図5−41 自動電撃防止装置

A 寄宿舎・仮設物等建設物の設置場所を選定する際は、次の事項に留意すること。

a.なだれは勾配40°内外の斜面に最も多く発生し、16°程度でも発生する。

また、対岸の沢や谷から川を越えて襲来することもある。

このような場所しか見当たらない場合は、尾根筋か川に近い尾根の先端部を選ぶこと。

b.林相、樹令5〜6年以上の立木で、1.5m程度の間隔で生育している山林の場合、なだれ発生の防止に効果をあげているが、林相を十分見極めること。

c.春先は、なだれによって川が堰き止められ、水位が急に上昇し、流水が鉄砲水となって洪水を起すことがあるため十分注意すること。

B 建設物の配置及び構造については、次の事項に留意すること。

a.建物の配置

(ア) 積雪地での宿舎を1箇所にまとめて建てられない場合は、連絡通路の確保・食料貯蔵庫の設置・水道の凍結防止に留意すること。

(イ) 火薬庫は、坑外又は別坑道に設けること。

(ウ) なだれの危険がある箇所を通過する必要のある場合は、ずい道等を設けること。

b.建物の種類及び構造については、次の事項に留意すること。

(ア) なだれのおそれがある場所に木造建築物を設ける場合は、十分ななだれ防止工をすること。

(イ) 木造建築物は、丈夫な部材を使用し、数量・接手方法等を積雪地特有の条件に合うものとすること。

(3) 積雪期は、次の事項に留意し対策を立てること。

@ 降雪初期の工事打切り及び引揚げについては、降雪初期に期日を定めて工事を打切り、全員が引揚げること。

(例えば、降雪の気配がなくても、予定通りの行動をとること。)

A 融雪期における乗込みは、期日を定めるとともに、ヘリコプターあるいは調査班の派遣により実施調査を行って、危険な箇所のなだれが起きたことを確認してから行動すること。

B 積雪が異常であり、なだれの危険があると判断される場合は、直ちに退避させること。

C 越冬する場合は、常に滞在人員名簿を備え毎日定時に点呼し、次の事項について確認すること。

a.総人員数(男女別)

b.当日の出入人員数

c.傷病人員数

d.翌日の登山人員数とその出発到着時刻など

D 村落から離れた場合は、登下山の安全通路の指示、中継所の設置、通信装置の整備などを行い、登下山者の数・発着時刻・進行状況を把握しておくこと。

E 積雪量・天候等による退避基準及び作業中止基準を定めておくこと。

F 越冬中は、特に火気の管理を厳重にすること。

G なだれが発生するおそれのある斜面には、積雪を利用して堤を築造すること。

H なだれの原因となる雪庇は、発達しないうちに人力で切崩し、特に風上側の除雪を行うこと。

I なだれ防止を設けてある斜面で、積雪が15〜20cm 毎に雪踏みを行うこと。

J 構造物・橋梁・道路等の除雪作業にあたる作業員及び機械等の配置は、降積期の前に計画し、路肩・危険箇所あるいは車両退避所等には、竹等による目印を初雪前に設けること。

K 除雪は水道栓・消火栓の箇所を優先させ、雪捨ての場所を決めておくこと。

L ブルドーザで除雪する場合は、特に路肩・法肩に乗って崩落を起さないようにすること。

M 融雪を促進する必要のある場合は、土・炭殻・黒鉛・カーボンブラックの散布又は薬品によって行うこと。

N 崩壊する危険がある雪の層がある場合は、発破・散水等によって除去すること。

(4) 寄宿舎から作業現場への往復通路は、沢・谷・急斜面を避け、迂回路・ずい道・スノーシェッド等を設けて通路を確保すること。

また、次の場合はなだれが発生するおそれがあるので、指定された安全な通路以外の通行は禁止すること。

@ 乾燥し、かつ、低温に達した地表に初雪が多量に積ったとき。

A 旧雪の上にかなりの新雪が積ったとき。

B 旧雪が日中溶けて夜間凍結し、その上に新雪が積ったとき。