建設機械の騒音及び振動の測定値の測定方法

参考資料

国土交通省.ホームページ

 

 

建設機械の騒音及び振動の測定値の測定方法

低騒音型・低振動型建設機械の指定に関する規程(平成九年建設省告示千五百三十六号)第二条第三項の規定に基づき、建設機械の騒音及び振動の測定値の測定の方法を次のように定める。

平成九年七月三十一日 建設省告示第千五百三十七号 建設大臣 亀井 静香
改正 平成十二年十二月二十二日 建設省告示第二千四百三十九号 建設大臣 林 寛子
改正 平成十三年四月九日 国土交通省告示第四百八十八号 国土交通大臣 林 寛子

建設機械の騒音及び振動の測定値の測定方法

 低騒音型・低振動型建設機械の指定に関する規程(平成九年建設省告示千五百三十六号)第二条第三項の建設機械の騒音及び振動の測定値の測定の方法は、別表のとおりとする。

別表

建設機械の騒音及び振動の測定値の測定方法

第1 騒音の測定値の測定方法

1 . 用語および記号

 この測定方法で用いる用語の意味は、次によるほかJIS Z 8106(音響用語(一般))、JIS Z 8107(音響用語(機器))による。

(1)騒音レベル,LA

 音圧実効値に計量単位規則第6条で定める聴感補正を行って得られた値を基準の音圧(20μPa)で除した値の常用対数を20倍して求まる音圧レベル。単位はデシベル、単位記号はdB。

(2)等価騒音レベル,LAeq,T

 騒音レベルが時間とともに変化する場合、測定時間内でこれと等しい平均二乗音圧を与える連続定常音の騒音レベル。単位はデシベル、単位記号はdB。

(3)音響パワーレベル,LwA

 音源から放射される全音響パワー(音響出力ともいう。)を基準の音響パワー(1pW)で除した値の常用対数の10倍。単位はデシベル、単位記号はdB。特に、この測定方法では、計量単位規則第6条で定める聴感補正を行った音響パワーを対象とする。

(4)測定面

 測定対象音源を取り囲み、その上にマイクロホンが配置される仮想表面。

(5)暗騒音

 測定音場における測定対象音源が発生する音以外のすべての音。

2 . 騒音の測定値

 建設機械の型式の騒音の測定値は、当該型式に係る一の建設機械から発生する騒音の音響パワーレベルとする。

3 . 測定環境

3-1 測定場所地表面の種類と適用機械

 測定場所の地表面は原則として次の3種類とする。

(1)コンクリートまたはアスファルト舗装

 コンクリートまたはアスファルト舗装は、3-1(2)の地表面を適用する機械を除く機械の測定に使用する。

(2)コンクリートまたはアスファルト舗装と砂の組み合わせ

 供試機械の走行路部分を砂で構成し、供試機械とマイクロホンの間の地表面はコンクリートまたはアスファルト舗装とする。砂は、粒径2mm以下の湿った砂とし、最小深さは0.3mとする。もし、砂の深さが0.3mでは履帯の走行に不十分な場合は、適宜増やしてよい。

 この地表面は、ブルドーザー及び履帯式トラクターショベルの走行モード、さく岩機(コンクリートブレーカー)の測定に使用する。

(3)砂

 ブルドーザー及び履帯式トラクターショベルの走行モードと定置油圧動作モードの試験は、全面が砂の地表面とすることもできる。砂は、3-1(2)で規定する砂とする。

3-2 測定場所の広さ

 測定場所は、音源中心から測定距離(測定面の半径)の3倍の距離の範囲内に音の反射物がないものとする。また、3-1(1)及び(2)で規定したコンクリート又はアスファルト舗装は、少なくとも測定面の地上への投影面をカバーしていなければならない。

3-3 音場補正値,K

 測定面の地上への投影面が3-1(1)及び(2)以外の場合はJIS A8305-1988の附属書1に規定する音場補正値Kを測定する。125Hzから8000Hzの測定周波数帯域での音場補正値Kは3.5dB未満であること。音場補正値Kが0.5dBを超えるときは、音響パワーレベルの算出の際に補正が必要である。

3-4 暗騒音の条件

 各マイクロホン位置において、暗騒音と供試機械の騒音とのレベル差は、10dBを超えていなければならない。ただし、原則として静的な運転を試験条件とする機械の場合は、暗騒音と供試機械の騒音とのレベル差が10dB以下であっても、6dBを超えた範囲であれば補正を行うことができるものとする。

3-5 天候の条件

 次の場合、試験を行なうことはできない。

[1] 降雨、降雪、降雹があるとき

[2] 積雪があるとき

[3] 気温−10℃以下、または+35℃以上のとき

[4] 風速が8m/sを超えるとき。

なお、地上2mの高さで測定した風速が1m/sを超える場合はマイクロホンに風防を装着する。この場合には、校正において適正な補償を考慮すること。

4 . 騒音計

 騒音計は計量法(平成4年 法律第51号)第71条の条件に合格したもので積分平均機能を有する精密騒音計(IEC Pub.804のtype1又はJIS C1505-1988の附属書による)とする。

5 . 等価騒音レベルの測定

5-1 測定面の大きさ

 測定面は仮想半球とし、その半径rは供試機械の基本寸法Lに基づき決定する。供試機械の基本寸法のとり方は表−2による。

 測定面の半径rは原則として次のとおりとする。

r= 4m ……… L<1.5m

r= 10m ……… 1.5m ≦L<4m

r= 16m ……… 4m ≦L

5-2 マイクロホンの位置

 マイクロホンは、図−1及び表−1(座標)に示す測定面上の6個所とする。

 ただし、少なくとも3個のマイクロホンを用いて供試機械の片側ずつ測定することもできる。この場合は、供試機械を反対向きにして同じ運転状態にするか、または、マイクロホンの位置を反対側の測点に移動させる。

5-3 等価騒音レベルの測定

 図−1に示す6個所の測点において、供試機械が表−3、4に示す運転状態で運転する時間,Tの間について等価騒音レベルを測定する。

6 . 機械の配置と運転

6-1 一般事項

 原則として、供試機械は作業に必要な装置を取り付けた運転質量状態とし、運転室の窓、扉などの開閉部分は閉じた状態とする。

6-2 供試機械の配置と運転状態

(1)定置ハイアイドルの測定を行う機械

   供試機械の基本寸法の中点を図−1のCと一致させる。供試機械の長軸方向中心線をx軸に合わせる。

(2)走行モードの測定を行う機械

   走行モードは、図−1中に示すAB間を測定区間とする。供試機械の走行は車体中心線をx軸に一致させて行う。

   等価騒音レベルは供試機械の中心点が図−1のAとBの間を通過する間について測定する。供試機械の前進走行はAからBへ、後進走行はBからAの方向に行う。

(3)バックホウの配置

   バックホウは上部旋回体の中心を図−1のCと一致させる。機械の運転状態は表−3による。

(4)トラクターショベルの定置油圧動作モード

   供試機械の長軸方向中心線をx軸に合わせ、機械の前方をBの方向に向ける。供試機械の基本寸法Lの中点を図−1のCに合わせる。機械の運転状態は表−3による。

7. 音響パワーレベルの決定

7-1 平均等価騒音レベルの算出

 各マイクロホン位置における等価騒音レベルの測定値をもとに、次式により測定半球面上の平均等価騒音レベルを求める。

    __

   LAeq,T=10log10{(1/N)Σ100.1LAeqi}

ここで、

LAeqi:i番目のマイクロホンによる等価騒音レベルの測定値 (dB)

N:マイクロホンの総数

T:別表−2で規定する測定時間 (s)

7-2 音響パワーレベルの算出

 音響パワーレベルは次式により求める。

      __

   LwA=LAeq,T−K+10log10(S/S0)

7-3 音響パワーレベルの決定
測定は3回繰り返して行い、3個の音響パワーレベルを求める。もし、3個のうちの2個の数値に1dBを超える差がある場合は、2個の数値の差がそれぞれ1dB以内となる結果が得られるまで測定を追加する。音響パワーレベルは、それぞれ1dB以内の差となる数値のうち大きい方の2個の数値の算術平均とする。

 音響パワーレベルは小数点以下第一位を四捨五入した整数値とする。

第2 振動の測定値の測定方法

1. 用語および記号

 この測定方法で用いる用語の意味は、次による。

(1) 振動レベル,Lv

 計量単位規則第7条に定める感覚補正を行って得られた振動加速度の実効値と基準の加速度(1×10^-5m/s^2)の比の常用対数を20倍して求まる振動加速度レベル。単位はデシベル。単位記号はdB。

(2) 振動評価値,Lv,(15m)

 対象の建設機械が発生する振動の評価に用いる値で、測定によって得られた振動レベルの距離に関する減衰特性に基づいて統計的に算出した建設機械から15mの地点における振動レベル。単位はデシベル。単位記号はdB。

(3) 暗振動

 振動測定地点における測定対象機械が発生する振動以外の全ての振動。

2. 振動の測定値

 建設機械の型式の振動の測定値は、当該型式に係る一の建設機械から発生する振動の振動レベルとする。

3. 測定環境

3-1 測定場所

 振動測定は独立行政法人土木研究所建設機械屋外試験場で行う。

3-2 地表面の状態

 地表面は平滑に整地された状態とする。

3-3 暗振動の条件

 各振動測定点において、暗振動と供試機械との振動レベルのレベル差は10dBを超えていなければならない。

4. 振動レベル計

 振動レベルの測定は計量法(平成4年 法律第51号)第71条の条件に合格した振動レベル計(JIS C1510)を使用して行う。

5. 測定点の配置

 振動ピックアップの設置個所は、原則として建設機械の中心から、2方向(挟角90゜とする)に4m,7m,15m,30m離れた4地点、計8点とする(図−2、図−3)。

6. 機械の設置と運転

6-1 バイブロハンマー

 バイブロハンマーは、鋼矢板(最大起振力245kN以上においては2)型、長さ6m)を取り付けてクレーンで吊り下げ、鋼矢板を鉛直に保ちその先端を図−2に示す位置に合わせる。鋼矢板を深さ5mまで単杭で打ち込み、この状態で停止後、再び、起振し引き抜く操作を1サイクルとする。

 打ち込み位置をずらしながらこの操作を3サイクル繰り返し行う。停止時および再起振時の過渡振動計測のため、打ち込み時のみ深さ1mおよび打止め時(深さ5m)において供試機械の停止・再起振を行う。

 動力源またはバイブロハンマー運転条件の設定の差違により発生する振動の大きさが変化する建設機械については、出力を定格最大に設定した上で、振動が最小となるように設定する。

 なお、バイブロハンマーの最大起振力245kN(25tf)未満の場合は、使用可能な種類、長さの鋼矢板を用い、上記の運転条件、測定方法を準用する。

6-2 バックホウ

 バックホウは図−3に示す位置に合わせて設置する。図−4に示すとおり、アームの運転室側の面を垂直、バケット上面を水平にした状態で、アームトップピンとブームフートピンが水平になるようにブーム仰角を決める。この姿勢を基本姿勢として図−5の(a)、(b)、(c)に示すブーム動作、アーム動作、バケット動作を行う。操作レバーは、中立→フルストローク及びフルストローク→中立の切り替えを約0.1秒で動作(ブーム上げ←→下げ、アーム伸し←→引き、バケット掘削←→排土)する操作レバー切り替え装置により高速で切り替える。操作レバーの切り替えパターンを図−6に示す。

 エンジン出力等のオペレータが作業時に自由に設定できる要素によって建設機械から発生する振動の大きさが変化するものについては、出力、油圧、流量を定格最大に設定することによって、ブーム、アーム、バケットの各シリンダの動作スピードのピーク値を最大に設定した上で、振動が最小になるように設定する。

 なお、バケットには土砂平積状態と同重量のバラストを固定することとする。

 ただし、バラストの密度が土砂の密度(1.8t/m3)と著しく異なる場合は、バラスト固定時のバケットの重心位置が土砂平積み時のバケットの重心位置と概ね同一となるように配慮しなければならない。

(a)ブーム動作

 基本姿勢からブームシリンダ残りストロークの1/2までの上げ動作、基本姿勢までの下げ動作を1サイクルとする。同一場所で、3サイクル繰返す。この一連の動作を供試建設機械の位置をずらしながら3回繰返す。

(b)アーム動作

 基本姿勢からアームシリンダ残りストロークの1/2までの伸し動作、基本姿勢までの引き動作を1サイクルとする。同一場所で、3サイクル繰返す。この一連の動作を供建設機械の位置をずらしながら3回繰返す。

(c)バケット動作

 基本姿勢からバケットシリンダ最小ストローク(シリンダ最縮小)までの排土動作、基本姿勢までの掘削動作を1サイクルとする。同一場所で、3サイクル繰返す。この一連の動作を供試建設機械の位置をずらしながら3回繰返す。

7. 振動レベルの測定と振動評価値の決定

7-1 一般事項

 振動レベルの読みとりは表−5に示す方法とする。振動レベルは小数点以下1桁まで読みとるものとする。

7-2 バイブロハンマー

(1)鋼矢板打ち込み時

 [1] 1サイクル毎に1m,2m,3m,4m,5mに達した時の前後約10秒間の振動レベルのパワー平均値を測定する。

 [2] 深さ1m,2m,3m,4m,5m、5つのパワー平均値のパワー平均値を求める

 [3] 8つの測定地点にてそれぞれパワー平均値を求める。

 [4] 打ち込み位置をずらし、同様に3サイクル(鋼矢板3枚)測定を行い、24点のデータを得る。

 [5] [x軸:起振点からの距離] [y軸:エネルギー平均値]のグラフに24点のデータをプロットし、最小二乗法でy=f(x)=A・log(x)+Bx+Cの近似式の係数A,BおよびCを決定し、この近似式による15m地点での振動レベルLv,(15m)を振動評価に用いる値とする。図−7に振動評価値の決定方法を示す。

(2)起振時・停止時

 [1] 深さ1m,5m(打止時)の振動を計測した直後、供試建設機械を停止する。

 [2] 完全に供試建設機械が停止するまでの間の振動レベルのピーク値を読む。

 [3] 10秒間のインターバルの後に再起振を行う。

 [4] 再起振時の振動レベルのピーク値を読む。

 [5] 8つの測定地点毎に深さ1m,5m(打止時)の2つの停止時振動レベルのピーク値のパワー平均値を求める。

 [6] 7-2(1)と同様に24点のデータをプロットし、近似式で15m地点の振動レベルLv,(15m)を求め振動評価に用いる値とする。

 [7] 8つの測定地点毎に深さ1m,5m(打止時)の2つの再起振時振動レベルのピーク値のパワー平均値を求める。

 [8] 7-2(1)と同様に3サイクル分、24点のデータをプロットし、近似式で15m地点の振動レベルLv,(15m)を求め振動評価に用いる値とする。

 (注) 最大起振力245kN(25tf)未満の場合は使用可能な種類、長さの鋼矢板を用い、上記の運転条件、測定方法および振動評価値の決定方法を準用する。

7-3 バックホウ

(1)ブーム動作時

 8つの測定地点毎に3サイクル分のブーム上げ動作、下げ動作時の振動レベルのピーク値を読みとり、これらのパワー平均値を求め、これを1測定地点のブーム動作の振動レベルとする。

 供試建設機械の位置をずらして3回繰り返して得た24点のデータを[x軸:起振点からの距離][y軸:エネルギー平均値]のグラフにプロットし、最小二乗法でy=f(x)=Alog・)+Bx+Cの近似式の係数A,BおよびCを決定し、この近似式による15m地点での振動レベルLv,(15m)を振動評価に用いる値とする。

(2)アーム動作時

 7-3(1)と同様に3サイクル分のアーム伸し動作、引き動作の振動レベルのピーク値を読みとり、それらのパワー平均値を求め、これを1測定地点のアーム動作の振動レベルとする。7-3(1)と同様に近似式で振動評価に用いる値を求める。

(3)バケット動作時

 7-3(1)と同様に3サイクル分のバケット掘削動作、排土動作の振動レベルのピーク値を読みとり、そのパワー平均値を求め、これを1測定地点のバケット動作の振動レベルとする。7-3(1)と同様に近似式で振動評価に用いる値を求める。

7-4 振動評価値の決定

 振動評価値は、7-2または7-3で得られる3個の振動評価に用いる値Lv,(15m)のうちの最大値とする。


建設工事に伴う騒音振動対策技術指針

1).総 論

第1章 目 的

1.本指針は,建設工事に伴う騒音,振動の発生をできる限り防止することにより,生活環境の保全と円滑な工事の施工を図ることを目的とする。

2.本指針は,建設工事に伴う騒音,振動の防止について,技術的な対策を示すものとする。

第2章 適用範囲

1.本指針は,騒音,振動を防止することにより,住民の生活環境を保全する必要があると認められる以下に示す区域におけるすべての建設工事に適用することを原則とする。ただし,災害その他の事由により緊急を要する場合はこの限りではない。

(1) 良好な住居の環境を保全するため,特に静穏の保持を必要とする区域

(2) 住居の用に供されているため,静穏の保持を必要とする区域

(3) 住居の用にあわせて商業,工業等の用に供されている区域であって相当数の住居が集合しているため,騒音,振動の発生を防止する必要がある区域

(4) 学校・保育所,病院,診療所,図書館,老人ホーム等の敷地の周囲おおむね80mの区域

(5) 家畜飼育場,精密機械工場,電子計算機設置事業場等の施設の周辺等,騒音,振動の影響が予想される区域

第3章 現行法令

1.騒音,振動対策の計画,実施にあたっては,公害対策基本法,騒音規制法及び振動規制法について十分理解しておかなければならない。

2.地方公共団体によっては,騒音規制法及び振動規制法に定めた特定建設作業以外の作業についても条例等により,規制,指導を行っているので,対象地域における条例等の内容を充分把握しておかなければならない。

第4章 対策の基本事項

1.騒音,振動対策の計画,設計,施工にあたっては,施工法,建設機械の騒音,振動の大きさ,発生実態,発生機構等について,十分理解しておかなければならない。

2.騒音,振動対策については,騒音,振動の大きさを下げるほか,発生期間を短縮するなど全体的に影響の小さくなるように検討しなければならない。

3.建設工事の設計にあたっては,工事現場周辺の立地条件を調査し,全体的に騒音,振動を低減するよう次の事項について検討しなければならない。

(1) 低騒音,低振動の施工法の選択

(2) 低騒音型建設機械の選択

(3) 作業時間帯,作業工程の設定

(4) 騒音,振動源となる建設機械の配置

(5) 遮音施設等の設置

4.建設工事の施工にあたっては,設計時に考慮された騒音,振動対策をさらに検討し,確実に実施しなければならない。なお,建設機械の運転についても以下に示す配慮が必要である。

(1) 工事の円滑を図るとともに現場管理等に留意し,不必要な騒音,振動を発生させない。

(2) 建設機械等は,整備不良による騒音,振動が発生しないように点検,整備を十分に行う。

(3) 作業待ち時には,建設機械等のエンジンをできる限り止めるなど騒音,振動を発生させない。

5.建設工事の実施にあたっては,必要に応じ工事の目的,内容等について,事前に地域住民に対して説明を行い,工事の実施に協力を得られるように努めるものとする。

6.騒音,振動対策として施工法,建設機械,作業時間帯を指定する場合には,仕様書に明記しなければならない。
7.騒音,振動対策に要する費用については,適正に積算,計上しなければならない。

8.起業者,施工者は,騒音,振動対策を効果的に実施できるように協力しなければならない。

第5章 現地認査

1.建設工事の設計,施工にあたっては,工事現場及び現場周辺の状況について,施工前調査,施工時調査等を原則として実施するものとする。

2.施行前調査は,建設工事による騒音,振動対策を検討し,工事着手前の状況を把握するために,次の項目について行うものである。

(1) 現場周辺状況

 工事現場周辺について,家屋,施設等の有無,規模,密集度,地質,土質及び騒音 又は振動源と家屋等の距離等を調査し,必要に応じ騒音,振動の影響についても検討する。

(2) 暗騒音,暗振動

 工事現場の周辺において,作業時間帯に応じた階騒音,暗振動を必要に応じ測定する。

(3) 建造物等

 工事現場の周辺において,建設工事による振動の影響が予想される建造物等について工事施工前の状況を調査する。

3.施行時調査は,建設工事の施行時において,必要に応じ騒音,振動を測定し,工事現場の周辺の状況,建造物等の状態を把握するものである。

 なお,施工直後においても必要に応じ建造物等の状態を把握するものとする。

2)各論

第6章 土 工

(掘削,積込み作業)

1.掘削,積込み作業にあたっては,低騒音型建設機械の使用を原則とする。
2.掘削はできる限り衝撃力による施工を避け,無理な負荷をかけないようにし,不必要な高速運転やむだな空ぶかしを避けて,ていねいに運転しなければならない。

3.掘削積込機から直接トラック等に積込む場合,不必要な騒音,振動の発生を避けて,ていねいに行わなければならない。

 ホッパーにとりだめして積込む場合も同様とする。

(ブルドーザ作業)

4.ブルドーザを用いて掘削押し土を行う場合,無理な負荷をかけないようにし,後進時の高速走行を避けて,ていねいに運転しなければならない。

(締固め作業)

5.締固め作業にあたっては,低騒音型建設機械の使用を原則とする。

6.振動,衝撃力によって締固めを行う場合,建設機械の機種の選定,作業時間帯の設定等について十分留意しなければならない。

第7章 運搬工

(運搬の計画)

1.運搬の計画にあたっては,交通安全に留意するとともに,運搬に伴って発生する騒音,振動について配慮しなければならない。

(運搬路の選定)

2.運搬路の選定にあたっては,あらかじめ道路及び付近の状況について十分調査し,下記事項に留意しなければならない。なお,事前に道路管理者,公安委員会(警察)等と協議することが望ましい。

(1) 通勤,通学,買物等で特に歩行者が多く歩車道の区別のない道路はできる限り避ける。

(2) 必要に応じ往路,復路を別経路にする。

(3) できる限り舗装道路や幅員の広い道路を選ぶ。

(4) 急な縦断勾配や,急カーブの多い道路は避ける。

(運搬路の稚特)

3.運搬路は点検を十分に行い,特に必要がある場合は維持補修を工事計画に組込むなど対策に努めなければならない。

(走 行)

4.運搬車の走行速度は,道路及び付近の状況によって必要に応じ制限を加えるように計画,実施するものとする。なお,運搬車の運転は,不必要な急発進,急停止,空ぶかしなどを避けて,ていねいに行わなければならない。

(運搬車)

5.運搬車の選定にあたっては,運搬量,投入台数,走行頻度,走行速度等を十分検討し,できる限り騒音の小さい車両の使用に努めなければならない。

第8章 岩石掘削工

(岩石掘削の計画)

1.岩石掘削の計画にあっては,リッパ工法,発破リッパ工法,発破工法等の工法について比較検討し,総体的に騒音,振動の影響が小さい工法を採用しなければならない。

(せん孔)

2.さく岩機によりせん孔を行う場合,必要に応じ防音対策を講じた機械の使用について検討するものとする。

(発 破)

3.発破掘削を行う場合,必要に応じ低爆速火薬等の特殊火薬や,遅発電気雷管等の使用について検討するものとする。

第9章 基礎工

(基礎工法の選定)

1.基礎工法の選定にあたっては,既製ぐい工法,場所打ぐい工法,ケーソン工法等について,総合的な検討を行い,騒音,振動の影響の小さい工法を採用しなければならない。

(既製ぐい工法)

2.既製ぐいを施工する場合には,中堀工法,ブレボーリング工法等を原則とし,次のような騒音,振動対策を検討しなければならない。

(1) 作業時間帯

(2) 低騒音型建設機械の使用

3.既製ぐいの積み卸し,吊り込み作業等は不心要な騒音,振動の発生を避けて,ていねいに行わなければならない。

(場所打ぐい工法)

4.場所打ぐい工法には,多くの種類の掘削工法があり,それらの騒音,振動の程度,発生機構も異なるので留意しておく必要がある。

5.場所打ぐい工法では,土砂搬出,コンクリート打設等による騒音,振動の低減について配慮しておかなければならない。

 また,各くいが連続作業で施工されることから作業工程と作業時間帯についても留意しておかなければならない。

(ケーソン工法)

6.ニューマチックケーソン工法では,昼夜連続作業で施工されることから,エアーロックの排気音,合図音及び空気圧縮機等の騒音,振動対策を検討しておく必要がある。

第10章 土留工

(土留工法の選定)

1.土留工法の選定にあたっては,鋼矢板土留工法,鋼ぐいと土留板による工法,地下連続壁工法等について,総合的な検討を行い,騒音,振動の小さい工法を採用しなければならない。

(鋼矢板工留工法,鋼ぐいと土留板による工法)

2.鋼矢板,鋼ぐいを施工する場合には,油圧式圧入引抜き工法,多滑車式引抜き工法,アースオーガによる掘削併用圧入工法,油圧式超高周波くい打工法,ウォータジェット工法等を原則とし,次の騒音,振動対策を検討しなければならない。

(1) 作業時間帯

(2) 低騒音型建設機械の使用

3.H鋼,鋼矢板等の取り付け,取り外し作業及び積込み,積卸し作業等は不必要な騒音,振動の発生を避けて,ていねいに行わなければならない。

(地下連続壁工法)

4.地下連続壁工法は,土留部材を本体構造に利用できる場合や工事現場の周辺の地盤沈下に対する制限が厳しい場合には,騒音,振動の低減効果も考慮し採否を検討する。

第11章 コンクリート工

(コンクリートブラント)

1.コンクリートブラントの設置にあたっては,周辺地域への騒音,振動の影響が小さい場所を選び,十分な設置面積を確保するものとする。なお,必要に応じ防音対策を講じるものとする。

2.コンクリートブラント場内で稼働,出入りする関連機械の騒音,振動対策について配慮する必要がある。

(トラックミキサ)

3.コンクリートの打設時には,工事現場内及び付近におけるトラツクミキサの待機場所等について配慮し,また不必要な空ぶかしをしないように留意しなければならない。

(コンクリートボンブ車)

4.コンクリートポンプ車でコンクリート打設を行う場合には,設置場所に留意するとともにコンクリート圧送パイプを常に整備して不必要な空ぶかしなどをしないように留意しなければならない。

第12章 舗装工

(アスファルトブラント)

1.アスファルトブラントの設置にあたっては,周辺地域への騒音,振動の影響ができるだけ小さい場所を選び,十分な設置面積を確保するものとする。なお,必要に応じ防音対策を講じるものとする。

2.アスファルトブラント場内で稼働,出入りする関連機械の騒音,振動対策について配慮する必要がある。

(舗 装)

3.舗装にあたっては,組合せ機械の作業能力をよく検討し,段取り待ちが少なくなるように配慮しなければならない。

(舗装版とりこわし)

4.舗装版とりこわし作業にあたっては,油圧ジャッキ式舗装版破砕機,低騒音型のバックホウの使用を原則とする。また,コンクリートカッタ,ブレーカ等についても,できる限り低騒音の建設機械の使用に努めるものとする。

5.破砕物等の積込み作業等は,不必要な騒音,振動を避けて,ていねいに行わなければならない。

第13章 鋼構造物工

(接 合)

1.現場における高力ボルトによる鋼材の接合には,電動式レンチ又は油圧式レンチの使用を原則とする。

2.現場における鋼材の穴合わせには,必要に応じドリフトピンを打撃する方法にかえて,油圧式又は電動式の静的方法の採用を検討するものとする。

(クレーン車の選定)

3.クレーン車の選定にあたっては,低騒音型建設機械の採否について検討するものとする。

(架設)

4.架設に使用するクレーン等の運転は,作業時間帯に留意するとともに,無理な負荷をかけないようにていねいに行わなければならない。

第14章 構造物とりこわし工

(とりこわし工法の選定)

1.コンクリート構造物を破砕する場合には,工事現場の周辺の環境を十分考慮し,コンクリート圧砕機,ブレーカ,膨脹剤等による工法から,適切な工法を選定しなければならない。

(小 割)

2.とりこわしに際し小割を必要とする場合には,トラックへ積込み運搬可能な程度にブロック化し,騒音,振動の影響の少ない場所で小割する方法を検討しなければならない。なお,積込み作業等は,不必要な騒音,振動を避けて,ていねいに行わなければならない。

(防音シート等)

3.コンクリート構造物をとりこわす作業現場は,騒音対策,安全対策を考慮して必要に応じ防音シート,防音パネル等の設置を検討しなければならない。

第15章 トンネル工

(掘削工)

1.坑口付近の掘削は,発破等の騒音,振動をできる限り低減させるように配慮しなければならない。

2.トンネル本体掘削時の発破騒音対策として,坑口等に防音壁,防音シート等の設置を検討しなければならない。

3.土かぶりの小さい箇所で発破による掘削を行う場合には,特に振動について配慮しなければならない。

(ずりの運搬,処理)

4.ずりの運搬,処理に用いる建設機械は,ていねいに運転しなければならない。

(換気設備等)

5.換気設備及び空気圧縮機等は,工事現場の周辺の環境を考慮して設置するとともに,必要に応じ騒音,振動を低減させるように配慮しなければならない。

第16章 シールド・推進工

(泥水処理設備等)

1.泥水処理設備,換気設備等は,設備場所に留意するとともに,必要に応じ防音パネル,防振装置等を設置について検討しなければならない。

(掘削)

2.土かぶりの小さい箇所における掘削については,推進に伴う振動に留意しなければならない。

(資機材の運搬)

3.資機材の運搬にあたっては,作業時間帯に留意するとともに,必要に応じ騒音,振動対策を講じなければならない。

第17章 軟弱地盤処理工

(軟弱地盤処理工法の選定)

1.軟弱地盤処理工法の選定にあたっては,対象地盤性状と発生する騒音,振動との関連を考慮の上,総合的な検討を行い,工法を決定しなければならない。

(施 工)

2.軟弱地盤処理工の施工にあたっては,施工法に応じ,騒音,振動を低減させるように配慮しなければならない。

 なお,特に振動が問題になりやすいので留意しなければならない。

第18章 仮設工

(設 置)

1.仮設材の取り付け,取り外し及び精込み,積卸いまていねいに行わなければならない。

(路面技工)

2.額工板の取り付けにあたっては,段差,通行車両によるがたつき,はね上がり等による騒音,振動の防止に留意しなければならない。

第19章 空気圧縮機・発動発電機等

(空気圧縮機,発動発電礎等)

1.可搬式のものは,低騒音型建設機械の使用を原則とする。

2.定置式のものは,騒音,振動対策を講じることを原則とする。

(排水ポンプ)

3.排水ポンプの使用にあたっては,騒音の防止に留意しなければならない。

(設 置)

4.空気圧縮機,発動発電機,排水ポンプ等は,工事現場の周辺の環境を考慮して,騒音,振動の影響の少ない箇所に設置しなければならない。