第3章  型わく支保工

第3章  型わく支保工

    第一節 材料等

(材料)

第二百三十七条  事業者は、型わく支保工の材料については、著しい損傷、変形又は腐食があるものを使用してはならない。

(主要な部分の鋼材)

第二百三十八条  事業者は、型わく支保工に使用する支柱、はり又ははりの支持物の主要な部分の鋼材については、日本工業規格G三一〇一(一般構造用圧延鋼材)、日本工業規格G三一〇六(溶接構造用圧延鋼材)、日本工業規格G三四四四(一般構造用炭素鋼鋼管)若しくは日本工業規格G三三五〇(建築構造用冷間成形軽量形鋼)に定める規格に適合するもの又は日本工業規格Z二二四一(金属材料引張試験方法)に定める方法による試験において、引張強さの値が三百三十ニュートン毎平方ミリメートル以上で、かつ、伸びが次の表の上欄に掲げる鋼材の種類及び同表の中欄に掲げる引張強さの値に応じ、それぞれ同表の下欄に掲げる値となるものでなければ、使用してはならない。

鋼材の種類 引張強さ(単位 ニュートン毎平方ミリメートル) 伸び(単位 パーセント)

鋼管 三百三十以上四百未満 二十五以上

四百以上四百九十未満 二十以上

四百九十以上 十以上

鋼板、形鋼、平鋼又は軽量形鋼 三百三十以上四百未満 二十一以上

四百以上四百九十未満 十六以上

四百九十以上五百九十未満 十二以上

五百九十以上 八以上

棒鋼 三百三十以上四百未満 二十五以上

四百以上四百九十未満 二十以上

四百九十以上 十八以上

(型わく支保工の構造)

第二百三十九条  事業者は、型わく支保工については、型わくの形状、コンクリートの打設の方法等に応じた堅固な構造のものでなければ、使用してはならない。

    第二節 組立て等の場合の措置

(組立図)

第二百四十条  事業者は、型わく支保工を組み立てるときは、組立図を作成し、かつ、当該組立図により組み立てなければならない。

2  前項の組立図は、支柱、はり、つなぎ、筋かい等の部材の配置、接合の方法及び寸法が示されているものでなければならない。

3  第一項の組立図に係る型枠支保工の設計は、次に定めるところによらなければならない。

一  支柱、はり又ははりの支持物(以下この条において「支柱等」という。)が組み合わされた構造のものでないときは、設計荷重(型枠支保工が支える物の重量に相当する荷重に、型枠一平方メートルにつき百五十キログラム以上の荷重を加えた荷重をいう。以下この条において同じ。)により当該支柱等に生ずる応力の値が当該支柱等の材料の許容応力の値を超えないこと。

二  支柱等が組み合わされた構造のものであるときは、設計荷重が当該支柱等を製造した者の指定する最大使用荷重を超えないこと。

三  鋼管枠を支柱として用いるものであるときは、当該型枠支保工の上端に、設計荷重の百分の二・五に相当する水平方向の荷重が作用しても安全な構造のものとすること。

四  鋼管枠以外のものを支柱として用いるものであるときは、当該型枠支保工の上端に、設計荷重の百分の五に相当する水平方向の荷重が作用しても安全な構造のものとすること。

(許容応力の値)

第二百四十一条  前条第三項第一号の材料の許容応力の値は、次に定めるところによる。

一  鋼材の許容曲げ応力及び許容圧縮応力の値は、当該鋼材の降伏強さの値又は引張強さの値の四分の三の値のうちいずれか小さい値の三分の二の値以下とすること。

二  鋼材の許容せん断応力の値は、当該鋼材の降伏強さの値又は引張強さの値の四分の三の値のうちいずれか小さい値の百分の三十八の値以下とすること。

三  鋼材の許容座屈応力の値は、次の式により計算を行つて得た値以下とすること。

l÷i≦Λの場合

 бc=〔〔1−0.4{(l÷i)÷Λ}2〕÷ν〕F

l÷i>Λの場合

 бc=〔0.29÷〔{(l÷i)÷Λ}2〕〕F

 (これらの式において、l、i、Λ、бc、ν及びFは、それぞれ次の値を表すものとする。

l 支柱の長さ(支柱が水平方向の変位を拘束されているときは、拘束点間の長さのうちの最大の長さ)(単位 センチメートル)

i 支柱の最小断面二次半径(単位 センチメートル)

Λ 限界細長比=√(π2E÷0.6F)

 ただし、π 円周率

 E 当該鋼材のヤング係数(単位 ニュートン毎平方センチメートル)

 бc 許容座屈応力の値(単位 ニュートン毎平方センチメートル)

ν 安全率=1.5+0.57{(l÷i)÷Λ}2

 F 当該鋼材の降伏強さの値又は引張強さの値の四分の三の値のうちのいずれか小さい値(単位 ニュートン毎平方センチメートル)

四  木材の繊維方向の許容曲げ応力、許容圧縮応力及び許容せん断応力の値は、次の表の上欄に掲げる木材の種類に応じ、それぞれ同表の下欄に掲げる値以下とすること。

木材の種類 許容応力の値(単位 ニュートン毎平方センチメートル)

曲げ 圧縮 せん断

あかまつ、くろまつ、からまつ、ひば、ひのき、つが、べいまつ又はべいひ 一、三二〇 一、一八〇 一〇三

すぎ、もみ、えぞまつ、とどまつ、べいすぎ又はべいつが 一、〇三〇 八八〇 七四

かし 一、九一〇 一、三二〇 二一〇

くり、なら、ぶな又はけやき 一、四七〇 一、〇三〇 一五〇

五  木材の繊維方向の許容座屈応力の値は、次の式により計算を行つて得た値以下とすること。

 lk÷i≦100の場合 fk=fc{1−0.007(lk÷i)}

 (lk÷i)>100の場合 fk=0.3fc÷{(lk÷100i)2}

 これらの式において、lk 、i、fc及びfk は、それぞれ次の値を表すものとする。

lk 支柱の長さ(支柱が水平方向の変位を拘束されているときは、拘束点間の長さのうち最大の長さ)(単位 センチメートル)

 i 支柱の最小断面二次半径(単位 センチメートル)

 fc 許容圧縮応力の値(単位 ニュートン毎平方センチメートル)

 fk 許容座屈応力の値(単位 ニュートン毎平方センチメートル)

(型枠支保工についての措置等)

第二百四十二条  事業者は、型枠支保工については、次に定めるところによらなければならない。

一  敷角の使用、コンクリートの打設、くいの打込み等支柱の沈下を防止するための措置を講ずること。

二  支柱の脚部の固定、根がらみの取付け等支柱の脚部の滑動を防止するための措置を講ずること。

三  支柱の継手は、突合せ継手又は差込み継手とすること。

四  鋼材と鋼材との接続部及び交差部は、ボルト、クランプ等の金具を用いて緊結すること。

五  型枠が曲面のものであるときは、控えの取付け等当該型枠の浮き上がりを防止するための措置を講ずること。

五の二  H型鋼又はI型鋼(以下この号において「H型鋼等」という。)を大引き、敷角等の水平材として用いる場合であつて、当該H型鋼等と支柱、ジャッキ等とが接続する箇所に集中荷重が作用することにより、当該H型鋼等の断面が変形するおそれがあるときは、当該接続する箇所に補強材を取り付けること。

六  鋼管(パイプサポートを除く。以下この条において同じ。)を支柱として用いるものにあつては、当該鋼管の部分について次に定めるところによること。

イ 高さ二メートル以内ごとに水平つなぎを二方向に設け、かつ、水平つなぎの変位を防止すること。

ロ はり又は大引きを上端に載せるときは、当該上端に鋼製の端板を取り付け、これをはり又は大引きに固定すること。

七  パイプサポートを支柱として用いるものにあつては、当該パイプサポートの部分について次に定めるところによること。

イ パイプサポートを三以上継いで用いないこと。

ロ パイプサポートを継いで用いるときは、四以上のボルト又は専用の金具を用いて継ぐこと。

ハ 高さが三・五メートルを超えるときは、前号イに定める措置を講ずること。

八  鋼管枠を支柱として用いるものにあつては、当該鋼管枠の部分について次に定めるところによること。

イ 鋼管枠と鋼管枠との間に交差筋かいを設けること。

ロ 最上層及び五層以内ごとの箇所において、型枠支保工の側面並びに枠面の方向及び交差筋かいの方向における五枠以内ごとの箇所に、水平つなぎを設け、かつ、水平つなぎの変位を防止すること。

ハ 最上層及び五層以内ごとの箇所において、型枠支保工の枠面の方向における両端及び五枠以内ごとの箇所に、交差筋かいの方向に布枠を設けること。

ニ 第六号ロに定める措置を講ずること。

九  組立て鋼柱を支柱として用いるものにあつては、当該組立て鋼柱の部分について次に定めるところによること。

イ 第六号ロに定める措置を講ずること。

ロ 高さが四メートルを超えるときは、高さ四メートル以内ごとに水平つなぎを二方向に設け、かつ、水平つなぎの変位を防止すること。

九の二  H型鋼を支柱として用いるものにあつては、当該H型鋼の部分について第六号ロに定める措置を講ずること。

十  木材を支柱として用いるものにあつては、当該木材の部分について次に定めるところによること。

イ 第六号イに定める措置を講ずること。

ロ 木材を継いで用いるときは、二個以上の添え物を用いて継ぐこと。

ハ はり又は大引きを上端に載せるときは、添え物を用いて、当該上端をはり又は大引きに固定すること。

十一  はりで構成するものにあつては、次に定めるところによること。

イ はりの両端を支持物に固定することにより、はりの滑動及び脱落を防止すること。

ロ はりとはりとの間につなぎを設けることにより、はりの横倒れを防止すること。

(段状の型わく支保工)

第二百四十三条  事業者は、敷板、敷角等をはさんで段状に組み立てる型わく支保工については、前条各号に定めるところによるほか、次に定めるところによらなければならない。

一  型わくの形状によりやむを得ない場合を除き、敷板、敷角等を二段以上はさまないこと。

二  敷板、敷角等を継いで用いるときは、当該敷板、敷角等を緊結すること。

三  支柱は、敷板、敷角等に固定すること。

(コンクリートの打設の作業)

第二百四十四条  事業者は、コンクリートの打設の作業を行なうときは、次に定めるところによらなければならない。

一  その日の作業を開始する前に、当該作業に係る型わく支保工について点検し、異状を認めたときは、補修すること。

二  作業中に型わく支保工に異状が認められた際における作業中止のための措置をあらかじめ講じておくこと。

(型わく支保工の組立て等の作業)

第二百四十五条  事業者は、型わく支保工の組立て又は解体の作業を行なうときは、次の措置を講じなければならない。

一  当該作業を行なう区域には、関係労働者以外の労働者の立ち入りを禁止すること。

二  強風、大雨、大雪等の悪天候のため、作業の実施について危険が予想されるときは、当該作業に労働者を従事させないこと。

三  材料、器具又は工具を上げ、又はおろすときは、つり綱、つり袋等を労働者に使用させること。

(型枠支保工の組立て等作業主任者の選任)

第二百四十六条  事業者は、令第六条第十四号 の作業については、型枠支保工の組立て等作業主任者技能講習を修了した者のうちから、型枠支保工の組立て等作業主任者を選任しなければならない。

(型枠支保工の組立て等作業主任者の職務)

第二百四十七条  事業者は、型枠支保工の組立て等作業主任者に、次の事項を行わせなければならない。

一  作業の方法を決定し、作業を直接指揮すること。

二  材料の欠点の有無並びに器具及び工具を点検し、不良品を取り除くこと。

三  作業中、安全帯等及び保護帽の使用状況を監視すること。