第6章  掘削作業等における危険の防止

第6章  掘削作業等における危険の防止

    第一節 明り掘削の作業

     第一款 掘削の時期及び順序等

(作業箇所等の調査)

第三百五十五条  事業者は、地山の掘削の作業を行う場合において、地山の崩壊、埋設物等の損壊等により労働者に危険を及ぼすおそれのあるときは、あらかじめ、作業箇所及びその周辺の地山について次の事項をボーリングその他適当な方法により調査し、これらの事項について知り得たところに適応する掘削の時期及び順序を定めて、当該定めにより作業を行わなければならない。

一  形状、地質及び地層の状態

二  き裂、含水、湧水及び凍結の有無及び状態

三  埋設物等の有無及び状態

四  高温のガス及び蒸気の有無及び状態

(掘削面のこう配の基準)

第三百五十六条  事業者は、手掘り(パワー・シヨベル、トラクター・シヨベル等の掘削機械を用いないで行なう掘削の方法をいう。以下次条において同じ。)により地山(崩壊又は岩石の落下の原因となるき裂がない岩盤からなる地山、砂からなる地山及び発破等により崩壊しやすい状態になつている地山を除く。以下この条において同じ。)の掘削の作業を行なうときは、掘削面(掘削面に奥行きが二メートル以上の水平な段があるときは、当該段により区切られるそれぞれの掘削面をいう。以下同じ。)のこう配を、次の表の上欄に掲げる地山の種類及び同表の中欄に掲げる掘削面の高さに応じ、それぞれ同表の下欄に掲げる値以下としなければならない。

地山の種類 掘削面の高さ(単位 メートル) 掘削面のこう配(単位 度)

岩盤又は堅い粘土からなる地山 五未満 九十

五以上 七十五

その他の地山 二未満 九十

二以上五未満 七十五

五以上 六十

2  前項の場合において、掘削面に傾斜の異なる部分があるため、そのこう配が算定できないときは、当該掘削面について、同項の基準に従い、それよりも崩壊の危険が大きくないように当該各部分の傾斜を保持しなければならない。

第三百五十七条  事業者は、手掘りにより砂からなる地山又は発破等により崩壊しやすい状態になつている地山の掘削の作業を行なうときは、次に定めるところによらなければならない。

一  砂からなる地山にあつては、掘削面のこう配を三十五度以下とし、又は掘削面の高さを五メートル未満とすること。

二  発破等により崩壊しやすい状態になつている地山にあつては、掘削面のこう配を四十五度以下とし、又は掘削面の高さを二メートル未満とすること。

2  前条第二項の規定は、前項の地山の掘削面に傾斜の異なる部分があるため、そのこう配が算定できない場合について、準用する。

(点検)

第三百五十八条  事業者は、明り掘削の作業を行なうときは、地山の崩壊又は土石の落下による労働者の危険を防止するため、次の措置を講じなければならない。

一  点検者を指名して、作業箇所及びその周辺の地山について、その日の作業を開始する前、大雨の後及び中震以上の地震の後、浮石及びき裂の有無及び状態並びに含水、湧水及び凍結の状態の変化を点検させること。

二  点検者を指名して、発破を行なつた後、当該発破を行なつた箇所及びその周辺の浮石及びき裂の有無及び状態を点検させること。

(地山の掘削作業主任者の選任)

第三百五十九条  事業者は、令第六条第九号 の作業については、地山の掘削及び土止め支保工作業主任者技能講習を修了した者のうちから、地山の掘削作業主任者を選任しなければならない。

(地山の掘削作業主任者の職務)

第三百六十条  事業者は、地山の掘削作業主任者に、次の事項を行なわせなければならない。

一  作業の方法を決定し、作業を直接指揮すること。

二  器具及び工具を点検し、不良品を取り除くこと。

三  安全帯等及び保護帽の使用状況を監視すること。

(地山の崩壊等による危険の防止)

第三百六十一条  事業者は、明り掘削の作業を行なう場合において、地山の崩壊又は土石の落下により労働者に危険を及ぼすおそれのあるときは、あらかじめ、土止め支保工を設け、防護網を張り、労働者の立入りを禁止する等当該危険を防止するための措置を講じなければならない。

(埋設物等による危険の防止)

第三百六十二条  事業者は、埋設物等又はれんが壁、コンクリートブロツク塀、擁壁等の建設物に近接する箇所で明り掘削の作業を行なう場合において、これらの損壊等により労働者に危険を及ぼすおそれのあるときは、これらを補強し、移設する等当該危険を防止するための措置が講じられた後でなければ、作業を行なつてはならない。

2  明り掘削の作業により露出したガス導管の損壊により労働者に危険を及ぼすおそれのある場合の前項の措置は、つり防護、受け防護等による当該ガス導管についての防護を行ない、又は当該ガス導管を移設する等の措置でなければならない。

3  事業者は、前項のガス導管の防護の作業については、当該作業を指揮する者を指名して、その者の直接の指揮のもとに当該作業を行なわせなければならない。

(掘削機械等の使用禁止)

第三百六十三条  事業者は、明り掘削の作業を行なう場合において、掘削機械、積込機械及び運搬機械の使用によるガス導管、地中電線路その他地下に存する工作物の損壊により労働者に危険を及ぼすおそれのあるときは、これらの機械を使用してはならない。

(運搬機械等の運行の経路等)

第三百六十四条  事業者は、明り掘削の作業を行うときは、あらかじめ、運搬機械、掘削機械及び積込機械(車両系建設機械及び車両系荷役運搬機械等を除く。以下この章において「運搬機械等」という。)の運行の経路並びにこれらの機械の土石の積卸し場所への出入の方法を定めて、これを関係労働者に周知させなければならない。

(誘導者の配置)

第三百六十五条  事業者は、明り掘削の作業を行なう場合において、運搬機械等が、労働者の作業箇所に後進して接近するとき、又は転落するおそれのあるときは、誘導者を配置し、その者にこれらの機械を誘導させなければならない。

2  前項の運搬機械等の運転者は、同項の誘導者が行なう誘導に従わなければならない。

(保護帽の着用)

第三百六十六条  事業者は、明り掘削の作業を行なうときは、物体の飛来又は落下による労働者の危険を防止するため、当該作業に従事する労働者に保護帽を着用させなければならない。

2  前項の作業に従事する労働者は、同項の保護帽を着用しなければならない。

(照度の保持)

第三百六十七条  事業者は、明り掘削の作業を行なう場所については、当該作業を安全に行なうため必要な照度を保持しなければならない。

     第二款 土止め支保工

(材料)

第三百六十八条  事業者は、土止め支保工の材料については、著しい損傷、変形又は腐食があるものを使用してはならない。

(構造)

第三百六十九条  事業者は、土止め支保工の構造については、当該土止め支保工を設ける箇所の地山に係る形状、地質、地層、き裂、含水、湧水、凍結及び埋設物等の状態に応じた堅固なものとしなければならない。

(組立図)

第三百七十条  事業者は、土止め支保工を組み立てるときは、あらかじめ、組立図を作成し、かつ、当該組立図により組み立てなければならない。

2  前項の組立図は、矢板、くい、背板、腹おこし、切りばり等の部材の配置、寸法及び材質並びに取付けの時期及び順序が示されているものでなければならない。

(部材の取付け等)

第三百七十一条  事業者は、土止め支保工の部材の取付け等については、次に定めるところによらなければならない。

一  切りばり及び腹おこしは、脱落を防止するため、矢板、くい等に確実に取り付けること。

二  圧縮材(火打ちを除く。)の継手は、突合せ継手とすること。

三  切りばり又は火打ちの接続部及び切りばりと切りばりとの交さ部は、当て板をあててボルトにより緊結し、溶接により接合する等の方法により堅固なものとすること。

四  中間支持柱を備えた土止め支保工にあつては、切りばりを当該中間支持柱に確実に取り付けること。

五  切りばりを建築物の柱等部材以外の物により支持する場合にあつては、当該支持物は、これにかかる荷重に耐えうるものとすること。

(切りばり等の作業)

第三百七十二条  事業者は、令第六条第十号 の作業を行なうときは、次の措置を講じなければならない。

一  当該作業を行なう箇所には、関係労働者以外の労働者が立ち入ることを禁止すること。

二  材料、器具又は工具を上げ、又はおろすときは、つり綱、つり袋等を労働者に使用させること。

(点検)

第三百七十三条  事業者は、土止め支保工を設けたときは、その後七日をこえない期間ごと、中震以上の地震の後及び大雨等により地山が急激に軟弱化するおそれのある事態が生じた後に、次の事項について点検し、異常を認めたときは、直ちに、補強し、又は補修しなければならない。

一  部材の損傷、変形、腐食、変位及び脱落の有無及び状態

二  切りばりの緊圧の度合

三  部材の接続部、取付け部及び交さ部の状態

(土止め支保工作業主任者の選任)

第三百七十四条  事業者は、令第六条第十号 の作業については、地山の掘削及び土止め支保工作業主任者技能講習を修了した者のうちから、土止め支保工作業主任者を選任しなければならない。

(土止め支保工作業主任者の職務)

第三百七十五条  事業者は、土止め支保工作業主任者に、次の事項を行なわせなければならない。

一  作業の方法を決定し、作業を直接指揮すること。

二  材料の欠点の有無並びに器具及び工具を点検し、不良品を取り除くこと。

三  安全帯等及び保護帽の使用状況を監視すること。

     第三款 潜函内作業等

(沈下関係図等)

第三百七十六条  事業者は、潜函又は井筒の内部で明り掘削の作業を行うときは、潜函又は井筒の急激な沈下による労働者の危険を防止するため、次の措置を講じなければならない。

一  沈下関係図に基づき、掘削の方法、載荷の量等を定めること。

二  刃口から天井又ははりまでの高さは、一・八メートル以上とすること。

(潜函等の内部における作業)

第三百七十七条  事業者は、潜函、井筒、たて坑、井戸その他これらに準ずる建設物又は設備(以下「潜函等」という。)の内部で明り掘削の作業を行うときは、次の措置を講じなければならない。

一  酸素が過剰になるおそれのあるときは、酸素の濃度を測定する者を指名して測定を行わせること。

二  労働者が安全に昇降するための設備を設けること。

三  掘下げの深さが二十メートルを超えるときは、当該作業を行う箇所と外部との連絡のための電話、電鈴等の設備を設けること。

2  事業者は、前項の場合において、同項第一号の測定の結果等により酸素の過剰を認めたとき、又は掘下げの深さが二十メートルをこえるときは、送気のための設備を設け、これにより必要な量の空気を送給しなければならない。

(作業の禁止)
第三百七十八条  事業者は、次の各号のいずれかに該当するときは、潜函等の内部で明り掘削の作業を行なつてはならない。
一  前条第一項第二号若しくは第三号又は同条第二項の設備が故障しているとき。

二  潜函等の内部へ多量の水が浸入するおそれのあるとき。

    第二節 ずい道等の建設の作業等

     第一款 調査等

(調査及び記録)

第三百七十九条  事業者は、ずい道等の掘削の作業を行うときは、落盤、出水、ガス爆発等による労働者の危険を防止するため、あらかじめ、当該掘削に係る地山の形状、地質及び地層の状態をボーリングその他適当な方法により調査し、その結果を記録しておかなければならない。

(施工計画)

第三百八十条  事業者は、ずい道等の掘削の作業を行なうときは、あらかじめ、前条の調査により知り得たところに適応する施工計画を定め、かつ、当該施工計画により作業を行なわなければならない。

2  前項の施工計画は、次の事項が示されているものでなければならない。

一  掘削の方法

二  ずい道支保工の施工、覆工の施工、湧水若しくは可燃性ガスの処理、換気又は照明を行う場合にあつては、これらの方法

(観察及び記録)

第三百八十一条  事業者は、ずい道等の掘削の作業を行うときは、落盤、出水、ガス爆発等による労働者の危険を防止するため、毎日、掘削箇所及びその周辺の地山について、次の事項を観察し、その結果を記録しておかなければならない。

一  地質及び地層の状態

二  含水及び湧水の有無及び状態

三  可燃性ガスの有無及び状態

四  高温のガス及び蒸気の有無及び状態

2  前項第三号の事項に係る観察は、掘削箇所及びその周辺の地山を機械で覆う方法による掘削の作業を行う場合においては、測定機器を使用して行わなければならない。

(点検)

第三百八十二条  事業者は、ずい道等の建設の作業(ずい道等の掘削の作業又はこれに伴うずり、資材等の運搬、覆工のコンクリートの打設等の作業(当該ずい道等の内部又は当該ずい道等に近接する場合において行なわれるものに限る。)をいう。以下同じ。)を行なうときは、落盤又は肌落ちによる労働者の危険を防止するため、次の措置を講じなければならない。

一  点検者を指名して、ずい道等の内部の地山について、毎日及び中震以上の地震の後、浮石及びき裂の有無及び状態並びに含水及び湧水の状態の変化を点検させること。

二  点検者を指名して、発破を行なつた後、当該発破を行なつた箇所及びその周辺の浮石及びき裂の有無及び状態を点検させること。

(可燃性ガスの濃度の測定等)

第三百八十二条の二  事業者は、ずい道等の建設の作業を行う場合において、可燃性ガスが発生するおそれのあるときは、爆発又は火災を防止するため、可燃性ガスの濃度を測定する者を指名し、その者に、毎日作業を開始する前、中震以上の地震の後及び当該可燃性ガスに関し異常を認めたときに、当該可燃性ガスが発生し、又は停滞するおそれがある場所について、当該可燃性ガスの濃度を測定させ、その結果を記録させておかなければならない。

(自動警報装置の設置等)

第三百八十二条の三  事業者は、前条の測定の結果、可燃性ガスが存在して爆発又は火災が生ずるおそれのあるときは、必要な場所に、当該可燃性ガスの濃度の異常な上昇を早期には握するために必要な自動警報装置を設けなければならない。この場合において、当該自動警報装置は、その検知部の周辺において作業を行つている労働者に当該可燃性ガスの濃度の異常な上昇を速やかに知らせることのできる構造としなければならない。

2  事業者は、前項の自動警報装置については、その日の作業を開始する前に、次の事項について点検し、異常を認めたときは、直ちに補修しなければならない。

一  計器の異常の有無

二  検知部の異常の有無

三  警報装置の作動の状態

(施工計画の変更)

第三百八十三条  事業者は、ずい道等の掘削の作業を行う場合において、第三百八十条第一項の施工計画が第三百八十一条第一項の規定による観察、第三百八十二条の規定による点検、第三百八十二条の二の規定による測定等により知り得た地山の状態に適応しなくなつたときは、遅滞なく、当該施工計画を当該地山の状態に適応するよう変更し、かつ、変更した施工計画によつて作業を行わなければならない。

(ずい道等の掘削等作業主任者の選任)

第三百八十三条の二  事業者は、令第六条第十号の二 の作業については、ずい道等の掘削等作業主任者技能講習を修了した者のうちから、ずい道等の掘削等作業主任者を選任しなければならない。

(ずい道等の掘削等作業主任者の職務)

第三百八十三条の三  事業者は、ずい道等の掘削等作業主任者に、次の事項を行わせなければならない。

一  作業の方法及び労働者の配置を決定し、作業を直接指揮すること。

二  器具、工具、安全帯等及び保護帽の機能を点検し、不良品を取り除くこと。

三  安全帯等及び保護帽の使用状況を監視すること。

(ずい道等の覆工作業主任者の選任)

第三百八十三条の四  事業者は、令第六条第十号の三 の作業については、ずい道等の覆工作業主任者技能講習を修了した者のうちから、ずい道等の覆工作業主任者を選任しなければならない。

(ずい道等の覆工作業主任者の職務)

第三百八十三条の五  事業者は、ずい道等の覆工作業主任者に、次の事項を行わせなければならない。

一  作業の方法及び労働者の配置を決定し、作業を直接指揮すること。

二  器具、工具、安全帯等及び保護帽の機能を点検し、不良品を取り除くこと。

三  安全帯等及び保護帽の使用状況を監視すること。

     第一款の二 落盤、地山の崩壊等による危険の防止

(落盤等による危険の防止)

第三百八十四条  事業者は、ずい道等の建設の作業を行なう場合において、落盤又は肌落ちにより労働者に危険を及ぼすおそれのあるときは、ずい道支保工を設け、ロツクボルトを施し、浮石を落す等当該危険を防止するための措置を講じなければならない。

(出入口附近の地山の崩壊等による危険の防止)

第三百八十五条  事業者は、ずい道等の建設の作業を行なう場合において、ずい道等の出入口附近の地山の崩壊又は土石の落下により労働者に危険を及ぼすおそれのあるときは、土止め支保工を設け、防護網を張り、浮石を落す等当該危険を防止するための措置を講じなければならない。

(立入禁止)

第三百八十六条  事業者は、次の箇所に関係労働者以外の労働者を立ち入らせてはならない。

一  浮石落しが行なわれている箇所又は当該箇所の下方で、浮石が落下することにより労働者に危険を及ぼすおそれのあるところ

二  ずい道支保工の補強作業又は補修作業が行なわれている箇所で、落盤又は肌落ちにより労働者に危険を及ぼすおそれのあるところ

(視界の保持)

第三百八十七条  事業者は、ずい道等の建設の作業を行なう場合において、ずい道等の内部における視界が排気ガス、粉じん等により著しく制限される状態にあるときは、換気を行ない、水をまく等当該作業を安全に行なうため必要な視界を保持するための措置を講じなければならない。

(準用)

第三百八十八条  第三百六十四条から第三百六十七条までの規定は、ずい道等の建設の作業について準用する。

     第一款の三 爆発、火災等の防止

(発火具の携帯禁止等)

第三百八十九条  事業者は、第三百八十二条の二の規定による測定の結果、可燃性ガスが存在するときは、作業の性質上やむを得ない場合を除き、火気又はマッチ、ライターその他発火のおそれのある物をずい道等の内部に持ち込むことを禁止し、かつ、その旨をずい道等の出入口付近の見やすい場所に掲示しなければならない。

(自動警報装置が作動した場合の措置)

第三百八十九条の二  事業者は、第三百八十二条の三の自動警報装置が作動した場合に関係労働者が可燃性ガスによる爆発又は火災を防止するために講ずべき措置をあらかじめ定め、これを当該労働者に周知させなければならない。

(ガス抜き等の措置)

第三百八十九条の二の二  事業者は、ずい道等の掘削の作業を行う場合において、可燃性ガスが突出するおそれのあるときは、当該可燃性ガスによる爆発又は火災を防止するため、ボーリングによるガス抜きその他可燃性ガスの突出を防止するため必要な措置を講じなければならない。

(ガス溶接等の作業を行う場合の火災防止措置)

第三百八十九条の三  事業者は、ずい道等の建設の作業を行う場合において、当該ずい道等の内部で、可燃性ガス及び酸素を用いて金属の溶接、溶断又は加熱の作業を行うときは、火災を防止するため、次の措置を講じなければならない。

一  付近にあるぼろ、木くず、紙くずその他の可燃性の物を除去し、又は当該可燃性の物に不燃性の物による覆いをし、若しくは当該作業に伴う火花等の飛散を防止するための隔壁を設けること。

二  第二百五十七条の指揮者に、同条各号の事項のほか、次の事項を行わせること。

イ 作業に従事する労働者に対し、消火設備の設置場所及びその使用方法を周知させること。

ロ 作業の状況を監視し、異常を認めたときは、直ちに必要な措置をとること。

ハ 作業終了後火花等による火災が生ずるおそれのないことを確認すること。

(防火担当者)

第三百八十九条の四  事業者は、ずい道等の建設の作業を行うときは、当該ずい道等の内部の火気又はアークを使用する場所(前条の作業を行う場所を除く。)について、防火担当者を指名し、その者に、火災を防止するため、次の事項を行わせなければならない。

一  火気又はアークの使用の状況を監視し、異常を認めたときは、直ちに必要な措置をとること。

二  残火の始末の状況について確認すること。

(消火設備)

第三百八十九条の五  事業者は、ずい道等の建設の作業を行うときは、当該ずい道等の内部の火気若しくはアークを使用する場所又は配電盤、変圧器若しくはしや断器を設置する場所には、適当な箇所に、予想される火災の性状に適応する消火設備を設け、関係労働者に対し、その設置場所及び使用方法を周知させなければならない。

(たて坑の建設の作業)

第三百八十九条の六  前三条の規定は、たて坑の建設の作業について準用する。

     第一款の四 退避等

(退避)

第三百八十九条の七  事業者は、ずい道等の建設の作業を行う場合において、落盤、出水等による労働災害発生の急迫した危険があるときは、直ちに作業を中止し、労働者を安全な場所に退避させなければならない。

第三百八十九条の八  事業者は、ずい道等の建設の作業を行う場合であつて、当該ずい道等の内部における可燃性ガスの濃度が爆発下限界の値の三十パーセント以上であることを認めたときは、直ちに、労働者を安全な場所に退避させ、及び火気その他点火源となるおそれのあるものの使用を停止し、かつ、通風、換気等の措置を講じなければならない。

2  事業者は、前項の場合において、当該ずい道等の内部における可燃性ガスの濃度が爆発下限界の値の三十パーセント未満であることを確認するまでの間、当該ずい道等の内部に関係者以外の者が立ち入ることを禁止し、かつ、その旨を見やすい箇所に表示しなければならない。

(警報設備等)

第三百八十九条の九  事業者は、ずい道等の建設の作業を行うときは、落盤、出水、ガス爆発、火災その他非常の場合に関係労働者にこれを速やかに知らせるため、次の各号の区分に応じ、当該各号に掲げる設備等を設け、関係労働者に対し、その設置場所を周知させなければならない。

一  出入口から切羽までの距離(以下この款において「切羽までの距離」という。)が百メートルに達したとき(次号に掲げる場合を除く。) サイレン、非常ベル等の警報用の設備(以下この条において「警報設備」という。)

二  切羽までの距離が五百メートルに達したとき 警報設備及び電話機等の通話装置(坑外と坑内の間において通話することができるものに限る。以下この条において「通話装置」という。)

2  事業者は、前項の警報設備及び通話装置については、常時、有効に作動するように保持しておかなければならない。

3  事業者は、第一項の警報設備及び通話装置に使用する電源については、当該電源に異常が生じた場合に直ちに使用することができる予備電源を備えなければならない。

(避難用器具)

第三百八十九条の十  事業者は、ずい道等の建設の作業を行うときは、落盤、出水、ガス爆発、火災その他非常の場合に労働者を避難させるため、次の各号の区分に応じ、当該各号に掲げる避難用器具を適当な箇所に備え、関係労働者に対し、その備付け場所及び使用方法を周知させなければならない。

一  可燃性ガスが存在して爆発又は火災が生ずるおそれのあるずい道等以外のずい道等にあつては、切羽までの距離が百メートルに達したとき(第三号に掲げる場合を除く。) 懐中電灯等の携帯用照明器具(以下この条において「携帯用照明器具」という。)その他避難に必要な器具

二  可燃性ガスが存在して爆発又は火災が生ずるおそれのあるずい道等にあつては、切羽までの距離が百メートルに達したとき(次号に掲げる場合を除く。) 一酸化炭素用自己救命器等の呼吸用保護具(以下この条において「呼吸用保護具」という。)、携帯用照明器具その他避難に必要な器具

三  切羽までの距離が五百メートルに達したとき 呼吸用保護具、携帯用照明器具その他避難に必要な器具

2  事業者は、前項の呼吸用保護具については、同時に就業する労働者(出入口付近において作業に従事する者を除く。次項において同じ。)の人数と同数以上を備え、常時有効かつ清潔に保持しなければならない。

3  事業者は、第一項の携帯用照明器具については、同時に就業する労働者の人数と同数以上を備え、常時有効に保持しなければならない。ただし、同項第一号の場合において、同時に就業する労働者が集団で避難するために必要な照明を確保する措置を講じているときは、この限りでない。

(避難等の訓練)

第三百八十九条の十一  事業者は、切羽までの距離が百メートル(可燃性ガスが存在して爆発又は火災が生ずるおそれのあるずい道等以外のずい道等にあつては、五百メートル)以上となるずい道等に係るずい道等の建設の作業を行うときは、落盤、出水、ガス爆発、火災等が生じたときに備えるため、関係労働者に対し、当該ずい道等の切羽までの距離が百メートルに達するまでの期間内に一回、及びその後六月以内ごとに一回、避難及び消火の訓練(以下「避難等の訓練」という。)を行わなければならない。

2  事業者は、避難等の訓練を行つたときは、次の事項を記録し、これを三年間保存しなければならない。

一  実施年月日

二  訓練を受けた者の氏名

三  訓練の内容

     第二款 ずい道支保工

(材料)

第三百九十条  事業者は、ずい道支保工の材料については、著しい損傷、変形又は腐食があるものを使用してはならない。

2  事業者は、ずい道支保工に使用する木材については、あかまつ、くろまつその他じん性に富み、かつ、強度上の著しい欠点となる割れ、虫食い、節、繊維の傾斜等がないものでなければ、使用してはならない。

(ずい道支保工の構造)

第三百九十一条  事業者は、ずい道支保工の構造については、当該ずい道支保工を設ける箇所の地山に係る地質、地層、含水、湧水、き裂及び浮石の状態並びに掘削の方法に応じた堅固なものとしなければならない。

(標準図)

第三百九十二条  事業者は、ずい道支保工を組み立てるときは、あらかじめ、標準図を作成し、かつ、当該標準図により組み立てなければならない。

2  前項の標準図は、ずい道支保工の部材の配置、寸法及び材質が示されているものでなければならない。

(組立て又は変更)

第三百九十三条  事業者は、ずい道支保工を組み立て、又は変更するときは、次に定めるところによらなければならない。

一  主材を構成する一組の部材は、同一平面内に配置すること。

二  木製のずい道支保工にあつては、当該ずい道支保工の各部材の緊圧の度合が均等になるようにすること。

(ずい道支保工の危険の防止)

第三百九十四条  事業者は、ずい道支保工については、次に定めるところによらなければならない。

一  脚部には、その沈下を防止するため、皿板を用いる等の措置を講ずること。

二  鋼アーチ支保工にあつては、次に定めるところによること。

イ 建込み間隔は、一・五メートル以下とすること。

ロ 主材がアーチ作用を十分に行なうようにするため、くさびを打ち込む等の措置を講ずること。

ハ つなぎボルト及びつなぎばり、筋かい等を用いて主材相互を強固に連結すること。

ニ ずい道等の出入口の部分には、やらずを設けること。

ホ 鋼アーチ支保工のずい道等の縦方向の長さが短い場合その他当該鋼アーチ支保工にずい道等の縦方向の荷重がかかることによりその転倒又はねじれを生ずるおそれのあるときは、ずい道等の出入口の部分以外の部分にもやらずを設ける等その転倒又はねじれを防止するための措置を講ずること。

ヘ 肌落ちにより労働者に危険を及ぼすおそれのあるときは、矢板、矢木、ライナープレート等を設けること。

三  木製支柱式支保工にあつては、次に定めるところによること。

イ 大引きは、変位を防止するため、鼻ばり等により地山に固定すること。

ロ 両端にはやらずを設けること。

ハ 木製支柱式支保工にずい道等の縦方向の荷重がかかることによりその転倒又はねじれを生ずるおそれのあるときは、両端以外の部分にもやらずを設ける等その転倒又はねじれを防止するための措置を講ずること。

ニ 部材の接続部はなじみよいものとし、かつ、かすがい等により固定すること。

ホ ころがしは、にない内ばり又はけたつなぎばりを含む鉛直面内に配置しないこと。

ヘ にない内ばり及びけたつなぎばりが、アーチ作用を十分に行なう状態にすること。

四  鋼アーチ支保工及び木製支柱式支保工以外のずい道支保工にあつては、ずい道等の出入口の部分には、やらずを設けること。

(部材の取りはずし)

第三百九十五条  事業者は、荷重がかかつているずい道支保工の部材を取りはずすときは、当該部材にかかつている荷重をずい道型わく支保工等に移す措置を講じた後でなければ、当該部材を取りはずしてはならない。

(点検)

第三百九十六条  事業者は、ずい道支保工を設けたときは、毎日及び中震以上の地震の後、次の事項について点検し、異常を認めたときは、直ちに補強し、又は補修しなければならない。

一  部材の損傷、変形、腐食、変位及び脱落の有無及び状態

二  部材の緊圧の度合

三  部材の接続部及び交さ部の状態

四  脚部の沈下の有無及び状態

     第三款 ずい道型わく支保工

(材料)

第三百九十七条  事業者は、ずい道型わく支保工の材料については、著しい損傷、変形又は腐食があるものを使用してはならない。

(構造)

第三百九十八条  事業者は、ずい道型わく支保工の構造については、当該ずい道型わく支保工にかかる荷重、型わくの形状等に応じた堅固なものとしなければならない。

    第三節 採石作業

     第一款 調査、採石作業計画等

(調査及び記録)

第三百九十九条  事業者は、採石作業(岩石の採取のための掘削の作業、採石場において行なう岩石の小割、加工及び運搬の作業その他これらの作業に伴う作業をいう。以下同じ。)を行なうときは、地山の崩壊、掘削機械の転落等による労働者の危険を防止するため、あらかじめ、当該採石作業に係る地山の形状、地質及び地層の状態を調査し、その結果を記録しておかなければならない。

(採石作業計画)

第四百条  事業者は、採石作業を行なうときは、あらかじめ、前条の規定による調査により知り得たところに適応する採石作業計画を定め、かつ、当該採石作業計画により作業を行なわなければならない。

2  前項の採石作業計画は、次の事項が示されているものでなければならない。

一  露天掘り又は坑内掘りの別及び露天掘りにあつては、階段採掘法、傾斜面掘削法又はグローリホール法の別

二  掘削面の高さ及びこう配

三  掘削面の段の位置及び奥行き

四  坑内における落盤、肌落ち及び側壁の崩壊防止の方法

五  発破の方法

六  岩石の小割の方法

七  岩石の加工の場所

八  土砂又は岩石の積込み及び運搬の方法並びに運搬の経路

九  使用する掘削機械、小割機械、積込機械又は運搬機械の種類及び能力

十  表土又は湧水の処理の方法

(点検)

第四百一条  事業者は、採石作業を行なうときは、地山の崩壊又は土石の落下による労働者の危険を防止するため、次の措置を講じなければならない。

一  点検者を指名して、作業箇所及びその周辺の地山について、その日の作業を開始する前、大雨の後及び中震以上の地震の後、浮石及びき裂の有無及び状態並びに含水、湧水及び凍結の状態の変化を点検させること。

二  点検者を指名して、発破を行なつた後、当該発破を行なつた箇所及びその周辺の浮石及びき裂の有無及び状態を点検させること。

(採石作業計画の変更)

第四百二条  事業者は、採石作業を行なう場合において、第四百条第一項の採石作業計画が前条の規定による点検等により知り得た地山の状態に適応しなくなつたときは、遅滞なく、当該採石作業計画を当該地山の状態に適応するよう変更し、かつ、変更した採石作業計画によつて作業を行なわなければならない。

(採石のための掘削作業主任者の選任)

第四百三条  事業者は、令第六条第十一号 の作業については、採石のための掘削作業主任者技能講習を修了した者のうちから、採石のための掘削作業主任者を選任しなければならない。

(採石のための掘削作業主任者の職務)

第四百四条  事業者は、採石のための掘削作業主任者に、次の事項を行なわせなければならない。

一  作業の方法を決定し、作業を直接指揮すること。

二  材料の欠点の有無並びに器具及び工具を点検し、不良品を取り除くこと。

三  安全帯等及び保護帽の使用状況を監視すること。

四  退避の方法を、あらかじめ、指示すること。

(隣接採石場との連絡の保持)

第四百五条  事業者は、地山の崩壊、土石の飛来等による労働者の危険を防止するため、隣接する採石場で行なわれる発破の時期、浮石落しの方法等必要な事項について当該採石場との間の連絡を保たなければならない。

(照度の保持)

第四百六条  事業者は、採石作業を行なう場所については、当該作業を安全に行なうため必要な照度を保持しなければならない。

     第二款 地山の崩壊等による危険の防止

(掘削面のこう配の基準)

第四百七条  事業者は、岩石の採取のための掘削の作業(坑内におけるものを除く。以下この条において同じ。)を行なうときは、掘削面のこう配を、次の表の上欄に掲げる地山の種類及び同表の中欄に掲げる掘削面の高さに応じ、それぞれ同表の下欄に掲げる値以下としなければならない。ただし、パワー・シヨベル、トラクター・シヨベル等の掘削機械を用いて掘削の作業を行なう場合において、地山の崩壊又は土石の落下により当該機械の運転者に危険を及ぼすおそれのないときは、この限りでない。

地山の種類 掘削面の高さ(単位 メートル) 掘削面のこう配(単位 度)

一 崩壊又は落下の原因となるき裂がない岩盤からなる地山 二十未満 九十

二十以上 七十五

二 前号の岩盤以外の岩盤からなる地山 五未満 九十

五以上 六十

三 前各号に掲げる地山以外の地山 二未満 九十

二以上 四十五

(崩壊等による危険の防止)

第四百八条  事業者は、採石作業(坑内で行なうものを除く。)を行なう場合において、崩壊又は落下により労働者に危険を及ぼすおそれのある土石、立木等があるときは、あらかじめ、これらを取り除き、防護網を張る等当該危険を防止するための措置を講じなければならない。

(落盤等による危険の防止)

第四百九条  事業者は、坑内で採石作業を行なう場合において、落盤、肌落ち又は側壁の崩壊により労働者に危険を及ぼすおそれのあるときは、支柱又は残柱を設け、天井をアーチ状とし、ロツクボルトを施す等当該危険を防止するための措置を講じなければならない。

(掘削箇所附近での作業禁止)

第四百十条  事業者は、掘削箇所の附近で岩石の小割又は加工の作業を行なつてはならない。ただし、当該岩石を移動させることが著しく困難なときは、この限りでない。

(立入禁止)

第四百十一条  事業者は、岩石の採取のための掘削の作業が行なわれている箇所の下方で土石の落下により労働者に危険を及ぼすおそれのあるところには、労働者を立ち入らせてはならない。

(保護帽の着用)

第四百十二条  事業者は、採石作業を行なうときは、物体の飛来又は落下による危険を防止するため、当該作業に従事する労働者に保護帽を着用させなければならない。

2  労働者は、前項の保護帽の着用を命じられたときは、同項の保護帽を着用しなければならない。

     第三款 運搬機械等による危険の防止

(運搬機械等の運行の経路等)

第四百十三条  事業者は、採石作業を行なうときは、あらかじめ、運搬機械等及び小割機械の運行の経路並びに運搬機械等及び小割機械の土石の積卸し場所への出入の方法を定めて、これを関係労働者に周知させなければならない。

2  事業者は、前項の運行の経路については、次の措置を講じなければならない。

一  必要な幅員を保持すること。

二  路肩の崩壊を防止すること。

三  地盤の軟弱化を防止すること。

四  必要な箇所に標識又はさくを設けること。

3  事業者は、第一項の運行の経路について補修その他経路を有効に保持するための作業を行なうときは、監視人を配置し、又は作業中である旨の掲示をしなければならない。

(運行の経路上での作業の禁止)

第四百十四条  事業者は、前条第一項の運行の経路上で、岩石の小割又は加工の作業を行なつてはならない。ただし、やむを得ない場合で、監視人を配置し、作業中である旨の掲示をする等運搬機械等及び小割機械に接触することによる労働者の危険を防止するための措置を講じたときは、この限りでない。

(立入禁止)

第四百十五条  事業者は、採石作業を行なうときは、運転中の運搬機械等及び小割機械に接触することにより労働者に危険を及ぼすおそれのある箇所に、労働者を立ち入らせてはならない。

(誘導者の配置等)

第四百十六条  事業者は、採石作業を行なう場合において、運搬機械等及び小割機械が労働者の作業箇所に後進して接近するとき、又は転落するおそれのあるときは、誘導者を配置し、その者に当該運搬機械等及び小割機械を誘導させなければならない。

2  前項の運搬機械等及び小割機械を運転する労働者は、同項の誘導者が行なう誘導に従わなければならない。