第1章  有害な作業環境

第1章  有害な作業環境

(有害原因の除去)

第五百七十六条  事業者は、有害物を取り扱い、ガス、蒸気又は粉じんを発散し、有害な光線又は超音波にさらされ、騒音又は振動を発し、病原体によつて汚染される等有害な作業場においては、その原因を除去するため、代替物の使用、作業の方法又は機械等の改善等必要な措置を講じなければならない。

(ガス等の発散の抑制等)

第五百七十七条  事業者は、ガス、蒸気又は粉じんを発散する屋内作業場においては、当該屋内作業場における空気中のガス、蒸気又は粉じんの含有濃度が有害な程度にならないようにするため、発散源を密閉する設備、局所排気装置又は全体換気装置を設ける等必要な措置を講じなければならない。

(内燃機関の使用禁止)

第五百七十八条  事業者は、坑、井筒、潜函、タンク又は船倉の内部その他の場所で、自然換気が不十分なところにおいては、内燃機関を有する機械を使用してはならない。ただし、当該内燃機関の排気ガスによる健康障害を防止するため当該場所を換気するときは、この限りでない。

(排気の処理)

第五百七十九条  事業者は、有害物を含む排気を排出する局所排気装置その他の設備については、当該有害物の種類に応じて、吸収、燃焼、集じんその他の有効な方式による排気処理装置を設けなければならない。

(排液の処理)

第五百八十条  事業者は、有害物を含む排液については、当該有害物の種類に応じて、中和、沈でん、ろ過その他の有効な方式によつて処理した後に排出しなければならない。

(病原体の処理)

第五百八十一条  事業者は、病原体により汚染された排気、排液又は廃棄物については、消毒、殺菌等適切な処理をした後に、排出し、又は廃棄しなければならない。

(粉じんの飛散の防止)

第五百八十二条  事業者は、粉じんを著しく飛散する屋外又は坑内の作業場においては、注水その他の粉じんの飛散を防止するため必要な措置を講じなければならない。

(坑内の炭酸ガス濃度の基準)

第五百八十三条  事業者は、坑内の作業場における炭酸ガス濃度を、一・五パーセント以下としなければならない。ただし、空気呼吸器、酸素呼吸器又はホースマスクを使用して、人命救助又は危害防止に関する作業をさせるときは、この限りでない。

(騒音を発する場所の明示等)

第五百八十三条の二  事業者は、強烈な騒音を発する屋内作業場における業務に労働者を従事させるときは、当該屋内作業場が強烈な騒音を発する場所であることを労働者が容易に知ることができるよう、標識によつて明示する等の措置を講ずるものとする。

(騒音の伝ぱの防止)

第五百八十四条  事業者は、強烈な騒音を発する屋内作業場においては、その伝ぱを防ぐため、隔壁を設ける等必要な措置を講じなければならない。

(立入禁止等)

第五百八十五条  事業者は、次の場所には、関係者以外の者が立ち入ることを禁止し、かつ、その旨を見やすい箇所に表示しなければならない。

一  多量の高熱物体を取り扱う場所又は著しく暑熱な場所

二  多量の低温物体を取り扱う場所又は著しく寒冷な場所

三  有害な光線又は超音波にさらされる場所

四  炭酸ガス濃度が一・五パーセントを超える場所、酸素濃度が十八パーセントに満たない場所又は硫化水素濃度が百万分の十を超える場所

五  ガス、蒸気又は粉じんを発散する有害な場所

六  有害物を取り扱う場所

七  病原体による汚染のおそれの著しい場所

2  労働者は、前項の規定により立入りを禁止された場所には、みだりに立ち入つてはならない。

(表示等)

第五百八十六条  事業者は、有害物若しくは病原体又はこれらによつて汚染された物を、一定の場所に集積し、かつ、その旨を見やすい箇所に表示しなければならない。

(作業環境測定を行うべき作業場)

第五百八十七条  令第二十一条第二号 の厚生労働省令で定める暑熱、寒冷又は多湿の屋内作業場は、次のとおりとする。

一  溶鉱炉、平炉、転炉又は電気炉により鉱物又は金属を製錬し、又は精錬する業務を行なう屋内作業場

二  キユポラ、るつぼ等により鉱物、金属又はガラスを溶解する業務を行なう屋内作業場

三  焼鈍炉、均熱炉、焼入炉、加熱炉等により鉱物、金属又はガラスを加熱する業務を行なう屋内作業場

四  陶磁器、レンガ等を焼成する業務を行なう屋内作業場

五  鉱物の焙焼又は焼結の業務を行なう屋内作業場

六  加熱された金属の運搬又は圧延、鍛造、焼入、伸線等の加工の業務を行なう屋内作業場

七  溶融金属の運搬又は鋳込みの業務を行なう屋内作業場

八  溶融ガラスからガラス製品を成型する業務を行なう屋内作業場

九  加硫がまによりゴムを加硫する業務を行なう屋内作業場

十  熱源を用いる乾燥室により物を乾燥する業務を行なう屋内作業場

十一  多量の液体空気、ドライアイス等を取り扱う業務を行なう屋内作業場

十二  冷蔵庫、製氷庫、貯氷庫又は冷凍庫等で、労働者がその内部で作業を行なうもの

十三  多量の蒸気を使用する染色槽により染色する業務を行なう屋内作業場

十四  多量の蒸気を使用する金属又は非金属の洗浄又はめつきの業務を行なう屋内作業場

十五  紡績又は織布の業務を行なう屋内作業場で、給湿を行なうもの

十六  前各号に掲げるもののほか、厚生労働大臣が定める屋内作業場

第五百八十八条  令第二十一条第三号 の厚生労働省令で定める著しい騒音を発する屋内作業場は、次のとおりとする。

一  鋲打ち機、はつり機、鋳物の型込機等圧縮空気により駆動される機械又は器具を取り扱う業務を行なう屋内作業場

二  ロール機、圧延機等による金属の圧延、伸線、ひずみ取り又は板曲げの業務(液体プレスによるひずみ取り及び板曲げ並びにダイスによる線引きの業務を除く。)を行なう屋内作業場

三  動力により駆動されるハンマーを用いる金属の鍛造又は成型の業務を行なう屋内作業場

四  タンブラーによる金属製品の研ま又は砂落しの業務を行なう屋内作業場

五  動力によりチエーン等を用いてドラムかんを洗浄する業務を行なう屋内作業場

六  ドラムバーカーにより、木材を削皮する業務を行なう屋内作業場

七  チツパーによりチツプする業務を行なう屋内作業場

八  多筒抄紙機により紙を抄く業務を行なう屋内作業場

九  前各号に掲げるもののほか、厚生労働大臣が定める屋内作業場

第五百八十九条  令第二十一条第四号 の厚生労働省令で定める坑内の作業場は、次のとおりとする。

一  炭酸ガスが停滞し、又は停滞するおそれのある坑内の作業場

二  気温が二十八度をこえ、又はこえるおそれのある坑内の作業場

三  通気設備が設けられている坑内の作業場

(騒音の測定等)

第五百九十条  事業者は、第五百八十八条に規定する著しい騒音を発する屋内作業場について、六月以内ごとに一回、定期に、等価騒音レベルを測定しなければならない。

2  事業者は、前項の規定による測定を行つたときは、その都度、次の事項を記録して、これを三年間保存しなければならない。

一  測定日時

二  測定方法

三  測定箇所

四  測定条件

五  測定結果

六  測定を実施した者の氏名

七  測定結果に基づいて改善措置を講じたときは、当該措置の概要

第五百九十一条  事業者は、第五百八十八条に規定する著しい騒音を発する屋内作業場の施設若しくは設備を変更し、又は当該屋内作業場における作業工程若しくは作業方法を変更した場合には、遅滞なく、等価騒音レベルを測定しなければならない。

2  前条第二項の規定は、前項の規定による測定を行つた場合について準用する。

(坑内の炭酸ガス濃度の測定等)

第五百九十二条  事業者は、第五百八十九条第一号の坑内の作業場について、一月以内ごとに一回、定期に、炭酸ガス濃度を測定しなければならない。

2  第五百九十条第二項の規定は、前項の規定による測定を行つた場合について準用する。

   第一章の二 廃棄物の焼却施設に係る作業

(ダイオキシン類の濃度及び含有率の測定)

第五百九十二条の二  事業者は、第三十六条第三十四号及び第三十五号に掲げる業務を行う作業場について、六月以内ごとに一回、定期に、当該作業場における空気中のダイオキシン類(ダイオキシン類対策特別措置法 (平成十一年法律第百五号)第二条第一項 に規定するダイオキシン類をいう。以下同じ。)の濃度を測定しなければならない。

2  事業者は、第三十六条第三十六号に掲げる業務に係る作業を行うときは、当該作業を開始する前に、当該作業に係る設備の内部に付着した物に含まれるダイオキシン類の含有率を測定しなければならない。

(付着物の除去)

第五百九十二条の三  事業者は、第三十六条第三十六号に規定する解体等の業務に係る作業を行うときは、当該作業に係る設備の内部に付着したダイオキシン類を含む物を除去した後に作業を行わなければならない。

(ダイオキシン類を含む物の発散源の湿潤化)

第五百九十二条の四  事業者は、第三十六条第三十四号及び第三十六号に掲げる業務に係る作業に労働者を従事させるときは、当該作業を行う作業場におけるダイオキシン類を含む物の発散源を湿潤な状態のものとしなければならない。ただし、当該発散源を湿潤な状態のものとすることが著しく困難なときは、この限りでない。

(保護具)

第五百九十二条の五  事業者は、第三十六条第三十四号から第三十六号までに掲げる業務に係る作業に労働者を従事させるときは、第五百九十二条の二第一項及び第二項の規定によるダイオキシン類の濃度及び含有率の測定の結果に応じて、当該作業に従事する労働者に保護衣、保護眼鏡、呼吸用保護具等適切な保護具を使用させなければならない。ただし、ダイオキシン類を含む物の発散源を密閉する設備の設置等当該作業に係るダイオキシン類を含む物の発散を防止するために有効な措置を講じたときは、この限りでない。

2  労働者は、前項の規定により保護具の使用を命じられたときは、当該保護具を使用しなければならない。

(作業指揮者)

第五百九十二条の六  事業者は、第三十六条第三十四号から第三十六号までに掲げる業務に係る作業を行うときは、当該作業の指揮者を定め、その者に当該作業を指揮させるとともに、前三条の措置がこれらの規定に適合して講じられているかどうかについて点検させなければならない。

(特別の教育)

第五百九十二条の七  事業者は、第三十六条第三十四号から第三十六号までに掲げる業務に労働者を就かせるときは、当該労働者に対し、次の科目について、特別の教育を行わなければならない。

一  ダイオキシン類の有害性

二  作業の方法及び事故の場合の措置

三  作業開始時の設備の点検

四  保護具の使用方法

五  前各号に掲げるもののほか、ダイオキシン類のばく露の防止に関し必要な事項