第2章  石綿等を取り扱う業務等に係る措置

   第二章 石綿等を取り扱う業務等に係る措置

    第一節 解体等の業務に係る措置

(事前調査)

第三条  事業者は、次に掲げる作業を行うときは、石綿等による労働者の健康障害を防止するため、あらかじめ、当該建築物、工作物又は船舶(鋼製の船舶に限る。以下同じ。)について、石綿等の使用の有無を目視、設計図書等により調査し、その結果を記録しておかなければならない。

一  建築物、工作物又は船舶の解体、破砕等の作業(吹き付けられた石綿等の除去の作業を含む。以下「解体等の作業」という。)

二  第十条第一項の規定による石綿等の封じ込め又は囲い込みの作業

2  事業者は、前項の調査を行ったにもかかわらず、当該建築物、工作物又は船舶について石綿等の使用の有無が明らかとならなかったときは、石綿等の使用の有無を分析により調査し、その結果を記録しておかなければならない。ただし、当該建築物、工作物又は船舶について石綿等が吹き付けられていないことが明らかである場合において、事業者が、当該建築物、工作物又は船舶について石綿等が使用されているものとみなして労働安全衛生法 (以下「法」という。)及びこれに基づく命令に規定する措置を講ずるときは、この限りでない。

3  事業者は、第一項各号に掲げる作業を行う作業場には、次の事項を、作業に従事する労働者が見やすい箇所に掲示しなければならない。

一  第一項の調査(前項の調査を行った場合にあっては、前二項の調査。次号において同じ。)を終了した年月日

二  第一項の調査の方法及び結果の概要

(作業計画)

第四条  事業者は、次に掲げる作業を行うときは、石綿等による労働者の健康障害を防止するため、あらかじめ、作業計画を定め、かつ、当該作業計画により作業を行わなければならない。

一  石綿等が使用されている建築物、工作物又は船舶の解体等の作業

二  第十条第一項の規定による石綿等の封じ込め又は囲い込みの作業

2  前項の作業計画は、次の事項が示されているものでなければならない。

一  作業の方法及び順序

二  石綿等の粉じんの発散を防止し、又は抑制する方法

三  作業を行う労働者への石綿等の粉じんのばく露を防止する方法

3  事業者は、第一項の作業計画を定めたときは、前項各号の事項について関係労働者に周知させなければならない。

(作業の届出)

第五条  事業者は、次に掲げる作業を行うときは、あらかじめ、様式第一号による届書に当該作業に係る建築物、工作物又は船舶の概要を示す図面を添えて、当該事業場の所在地を管轄する労働基準監督署長(以下「所轄労働基準監督署長」という。)に提出しなければならない。

一  壁、柱、天井等に石綿等が使用されている保温材、耐火被覆材(耐火性能を有する被覆材をいう。以下同じ。)等が張り付けられた建築物、工作物又は船舶の解体等の作業(石綿等の粉じんを著しく発散するおそれがあるものに限る。)を行う場合における当該保温材、耐火被覆材等を除去する作業

二  第十条第一項の規定による石綿等の封じ込め又は囲い込みの作業

三  前二号に掲げる作業に類する作業

2  前項の規定は、法第八十八条第四項 の規定による届出をする場合にあっては、適用しない。

(吹き付けられた石綿等の除去等に係る措置)

第六条  事業者は、次の各号のいずれかの作業に労働者を従事させるときは、次項に定める措置を講じなければならない。ただし、当該措置と同等以上の効果を有する措置を講じたときは、この限りでない。

一  壁、柱、天井等に石綿等が吹き付けられた建築物又は船舶の解体等の作業を行う場合における当該石綿等を除去する作業

二  前条第一項第一号に掲げる作業(第十三条第一項第一号に掲げる作業を伴うものに限る。)

三  第十条第一項の規定による石綿等の封じ込め又は囲い込みの作業(囲い込みの作業にあっては、第十三条第一項第一号に掲げる作業を伴うものに限る。)

2  事業者が講ずる前項本文の措置は、次の各号に掲げるものとする。

一  前項各号に掲げる作業を行う作業場所(以下この項において「石綿等の除去等を行う作業場所」という。)を、それ以外の作業を行う作業場所から隔離すること。

二  石綿等の除去等を行う作業場所の排気にろ過集じん方式の集じん・排気装置を使用すること。

三  石綿等の除去等を行う作業場所を負圧に保つこと。

四  石綿等の除去等を行う作業場所の出入口に前室を設置すること。

3  事業者は、前項第一号の規定により隔離を行ったときは、隔離を行った作業場所内の石綿等の粉じんを処理するとともに、第一項第一号又は第二号に掲げる作業を行った場合にあっては、吹き付けられた石綿等又は張り付けられた前条第一項第一号に規定する保温材、耐火被覆材等を除去した部分を湿潤化した後でなければ、隔離を解いてはならない。

(石綿等が使用されている保温材、耐火被覆材等の除去等に係る措置)

第七条  事業者は、次に掲げる作業に労働者を従事させるときは、当該作業場所に当該作業に従事する労働者以外の者(第十四条に規定する措置が講じられた者を除く。)が立ち入ることを禁止し、かつ、その旨を見やすい箇所に表示しなければならない。

一  第五条第一項第一号に掲げる作業(第十三条第一項第一号に掲げる作業を伴うものを除く。)

二  第十条第一項の規定による石綿等の囲い込みの作業(第十三条第一項第一号に掲げる作業を伴うものを除く。)

2  特定元方事業者(法第十五条第一項 の特定元方事業者をいう。)は、その労働者及び関係請負人(法第十五条第一項 の関係請負人をいう。以下この項において同じ。)の労働者の作業が、前項各号に掲げる作業と同一の場所で行われるときは、当該作業の開始前までに、関係請負人に当該作業の実施について通知するとともに、作業の時間帯の調整等必要な措置を講じなければならない。

(石綿等の使用の状況の通知)

第八条  第三条第一項各号に掲げる作業を行う仕事の発注者(注文者のうち、その仕事を他の者から請け負わないで注文している者をいう。)は、当該仕事の請負人に対し、当該仕事に係る建築物、工作物又は船舶における石綿等の使用状況等を通知するよう努めなければならない。

(建築物の解体工事等の条件)

第九条  第三条第一項各号に掲げる作業を行う仕事の注文者は、石綿等の使用の有無の調査、当該作業等の方法、費用又は工期等について、法及びこれに基づく命令の規定の遵守を妨げるおそれのある条件を付さないように配慮しなければならない。

    第二節 石綿等が吹き付けられた建築物等における業務に係る措置

第十条  事業者は、その労働者を就業させる建築物又は船舶の壁、柱、天井等(次項及び第四項に規定するものを除く。)に吹き付けられた石綿等が損傷、劣化等によりその粉じんを発散させ、及び労働者がその粉じんにばく露するおそれがあるときは、当該石綿等の除去、封じ込め、囲い込み等の措置を講じなければならない。

2  事業者は、その労働者を臨時に就業させる建築物又は船舶の壁、柱、天井等(第四項に規定するものを除く。)に吹き付けられた石綿等が損傷、劣化等によりその粉じんを発散させ、及び労働者がその粉じんにばく露するおそれがあるときは、労働者に呼吸用保護具及び作業衣又は保護衣を使用させなければならない。

3  労働者は、事業者から前項の保護具等の使用を命じられたときは、これを使用しなければならない。

4  法第三十四条 の建築物貸与者は、当該建築物の貸与を受けた二以上の事業者が共用する廊下の壁等に吹き付けられた石綿等が損傷、劣化等によりその粉じんを発散させ、及び労働者がその粉じんにばく露するおそれがあるときは、第一項に規定する措置を講じなければならない。

    第三節 石綿等を取り扱う業務に係るその他の措置

第十一条  削除

(作業に係る設備等)

第十二条  事業者は、石綿等の粉じんが発散する屋内作業場については、当該粉じんの発散源を密閉する設備、局所排気装置又はプッシュプル型換気装置を設けなければならない。ただし、当該粉じんの発散源を密閉する設備、局所排気装置若しくはプッシュプル型換気装置の設置が著しく困難なとき、又は臨時の作業を行うときは、この限りでない。

2  事業者は、前項ただし書の規定により石綿等の粉じんの発散源を密閉する設備、局所排気装置又はプッシュプル型換気装置を設けない場合には、全体換気装置を設け、又は当該石綿等を湿潤な状態にする等労働者の健康障害を予防するため必要な措置を講じなければならない。

(石綿等の切断等の作業に係る措置)

第十三条  事業者は、次の各号のいずれかに掲げる作業(次項及び次条において「石綿等の切断等の作業」という。)に労働者を従事させるときは、石綿等を湿潤な状態のものとしなければならない。ただし、石綿等を湿潤な状態のものとすることが著しく困難なときは、この限りでない。

一  石綿等の切断、穿孔、研磨等の作業

二  石綿等を塗布し、注入し、又は張り付けた物の解体等の作業(石綿等が使用されている建築物、工作物又は船舶の解体等の作業を含む。)

三  第十条第一項の規定による石綿等の封じ込め又は囲い込みの作業

四  粉状の石綿等を容器に入れ、又は容器から取り出す作業

五  粉状の石綿等を混合する作業

六  前各号に掲げる作業において発散した石綿等の粉じんの掃除の作業

2  事業者は、石綿等の切断等の作業を行う場所に、石綿等の切りくず等を入れるためのふたのある容器を備えなければならない。

第十四条  事業者は、石綿等の切断等の作業に労働者を従事させるときは、当該労働者に呼吸用保護具(第六条第二項第一号の規定により隔離を行った作業場所において、同条第一項第一号に掲げる作業に労働者を従事させるときは、電動ファン付き呼吸用保護具又はこれと同等以上の性能を有する空気呼吸器、酸素呼吸器若しくは送気マスクに限る。)を使用させなければならない。

2  事業者は、石綿等の切断等の作業に労働者を従事させるときは、当該労働者に作業衣を使用させなければならない。ただし、当該労働者に保護衣を使用させるときは、この限りでない。

3  労働者は、事業者から前二項の保護具等の使用を命じられたときは、これを使用しなければならない。

(立入禁止措置)

第十五条  事業者は、石綿等を取り扱い(試験研究のため使用する場合を含む。以下同じ。)、又は試験研究のため製造する作業場には、関係者以外の者が立ち入ることを禁止し、かつ、その旨を見やすい箇所に表示しなければならない。